アカデミー賞をほぼ総なめにした作品ということでぜひ見てみたかった作品。


原爆を作った科学者にスポットを当てた作品ということで、内容が内容なだけに、日本公開が懸念された一面もあったようですが、原爆の是非ではなく、それを開発した科学者の生きざまに迫った作品でした。


まー、登場人物が多く、また、時代展開が目まぐるしく変わるので、同一人物でも若い頃と年取った時と変わるので「あれ?この人はどんな立場の人だったっけ?」としばし迷う。そして、解決しないままに終わる…😅


しかし、3時間という超大作でしたが、間延びすることは一切なく、気がつけば終わっていたというほど引き付けられました。


科学者は、あくまでも科学の進化だったり何かしらの新たな発見、みたいな、なにかわからないけどその先にあるもの、を追求しているような、そしてそれが楽しかったり生き甲斐を感じてひたすら追求の日々で、それは想像を超えるほど孤独な作業なんだろうと思う。


そうして年月を費やした先に新発見であったり、新理論のようなものが生まれ、そこを至福とするところがあるのかもしれないけれど…


それを利用しようとするのが政治だったり産業界だったり。


もちろんそれは悪いことではありません。政治や産業界の後押しがあってこその発展もあると思うし、それは人類にも大きなよいことをもたらすことも多いから。


でも、時として人を不幸に陥れることもあるわけで…。


科学者や研究者の純粋な(そうじゃない人もいるかもしれないけれど)探求心と能力を、政治や戦争で思わぬ使われ方をして「こんなはすじゃなかった」「こんな風になるとは思っていなかった」と、歯車が狂ってしまった科学者の人生、という感じだったかな。


日本は世界で唯一の被爆国なので、受け止め方は世界のスタンダードとは若干異なる気がするけれど、作品を見て関心を持った人は出てくると思うので(私ももっと知りたくなった)後世に伝えるという意味で意義のある作品だったと思います。