オールベートーベンプログラムというチャレンジャーなことをこの10年近く取り組まれているピアニストのコンサートでした。

地方を拠点に活動できるピアニストはあまり聞いたことありませんが、彼女は毎年必ず東京や福岡、佐賀の数ヵ所で定期公演を開くちょっとできそうでできないことをたった一人でされている稀有な方です。

プロモーターも置かずになかなかできることではありません。

ことしは長崎を皮切りに最後の東京公演まで計6公演。
最終の東京公演は9月24日19時~、東京文化会館で。ここは誰にでも貸し出し許可が下りないところだそうで、ある程度の実績が認められた人しか舞台に立てないところのようです。

ほぼ10年前、ベートーベンのピアノソナタ全曲を定期公演でやると決められて、途中、オールベートーベンではない年も何年かありましたが、必ずベートーベンを弾くという姿勢は変わらず。

ちなみにベートーベンのピアノソナタは全32曲。毎年詰めてやっても8年はかかります。

前述したように、ベートーベンだけの年じゃないときもありましたが、ベートーベンをライフワークにされている姿には尊敬の念さえわきます。

長く一つのことに取り組むこと、続けること。それが大事なんですね。

芸術のどの分野でも同じことなんだなあ。

演奏は、思索的であり、大胆。これまでにない、強い主張を感じてまた新たなベートーベン像に触れた感じがしました。

来年も楽しみにしよう。