【福岡】
東浜巨
数多くの若手が名を連ねている中で一際違う輝きを見せているのがこの東浜だと自分は思う。作シーズンほとんど活躍は見られず終えてしまったルーキーイヤーは決して無駄にはならない。同年のドラフト入団であった日ハムの大谷、阪神の藤浪、楽天の則本らと同様に注目されたにも関わらず結果を残せなかった姿があった。ホークスの先発投手陣は非常に強力で印象が薄くなることはよく見られるが、一概に皆がやられていくわけではない。大学時代の安定したピッチングがそのままそっくり投影されることは楽しみだ。


【オリ】
坂口智隆
近年、走攻守すべてにおいて低迷していると思われる野手の1人。強肩から繰り出されるレーザービームとスマートな身体で大飛球をとるジャンピングキャッチは惚れ惚れする人も多かっただろう。ゴールデングラブ賞を4年連続で獲得したこの守備は彼の最大の魅力であった。ケガの多発はやはり選手人生をすぼめるが、これからの教訓となるにちがいない。チーム上昇を目的とし、リードオフマンの役割の再任を受けられるか。


【日ハム】
小谷野栄一
若手中心のチームを作り上げようとしている球団において、彼は懸念なしの存在でいられるのか。西川、中島、杉谷らの若手陣と同じスタートラインにいるようなキャンプ開始は緊張した面持ちだっただろうか。素朴な疑問が次々に浮かぶ。4番を勤めあげたこともある中堅は、このチームで厳かに佇むベテランになれるか。
【楽天】
中島俊哉
今年34歳になる中堅野手。最大の特徴はサウスポーへのバッティングで、その姿は「左キラー」と呼ばれるほど。ただそのせいで薄れている右投手への対処は能力までもが影を潜めつつある。対左の代打専用野手、あるいはよくて7~9の下位打線組という存在感。ベテランが少ないチームとして重要なポジションにいる中堅は右の対処への片鱗を見せレギュラーになれるか。


【西武】
脇谷亮太
人的補償措置として巨人から移籍してきた新参者。かつてのチーム内では強力な選手が多く出場数が限られ、ましてや今は井端や片岡の加入で遮蔽されてしまう立場になるのでこの移籍は野球選手としての在り方を示しているのかもしれない。名簿にブロックがつかないショックは大きいかもしれないが、西武にとっては内野手の手薄を補う大切な人材であり、発展途上の若手育成の格好の材料となる。新天地での輝きは彼を本物にするだろう。


【千葉】
ルイス・クルーズ
近年見られるようになったヤンキースからの新外国人選手の中で力をつけてきているnewcomer。30歳ながら様々な球団で培ってきた実績と経験はロッテの優勝に欠かせない。それが大きく表れるだろう守備は難易度の高い遊撃手に出ている。wbcでも2度メキシコ代表になり、日本への情報は持ってるはずだ。ロッテの安定しない助っ人事情を覆すときが今来た。
【中日】
鈴木翔太
最高球速144km/hのインパクトの無さをカバーするかの如くスピンの利いたストレートは、首脳陣のこころを鷲掴みするほどの武器。聖隷クリストファー高等学校初のプロ野球選手という一面も持っていれば、ドラフト1位指名されるに至った魅力を持つ有望株選手だ。中日投手陣に光の兆しを与えるかもしれない。



【横浜】
尚成
かつて巨人とメジャーの多数球団で経験を重ねてきたサウスポー。今シーズンのチームの補強策の代表的人物で中継ぎとしての期待が大きくのしかかる玄人。自身は「拾ってくれることだけでも嬉しい」とコメント。チームに刺激を与えられるベテラン救世主となれるか。



【東京】
田中浩康
チームを引っ張る内野手の要として、バントや流し打ちといった小技を仕掛ける上位打線の中心としてチームを底上げするはずだった。なかなか安定した成績を残せず、2軍落ちを何度も経験。今シーズンは自身にとっての、チームにとっての勝負の年となる。