筋肥大について | さかもとサンのブログ

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ウエイトリフティングやパワーリフティングやベンチプレスやボクシングや筋トレフィットネスやら
なんかいろいろをそれなりの期間やっている人が思っていることなどを記事にしているブログです。

Xを眺めていると筋トレ界隈で有名な人たちのポストが流れてきていて、やっぱり筋肥大の話が多いので、今の時点で私が考える筋肥大について書いてみようと思います。

皆、筋トレして栄養取って休息もしっかり取れば、通常筋肉は大きくなっていくと思っていると思いますし、それが筋肥大をさせるセオリーというかそのまんまだと思います。

しかし忘れている要素があります。

ヒトの体は出来るだけ恒常性を保とうとします。

ヒトとしての活動に最低限必要なもの以外は、ない方がエネルギー消費をしないため、その状態を維持しようと働きます。

ヒトの体だけに限らず、生き物の大半が出来るだけエネルギーを消費しないように生きていきます。

筋トレで必要以上に付けた筋肉は、あなたの心にとっては欲しかったものかも知れませんが、あたなの体にとっては無駄にエネルギーを消費する不要なものです。

体は不要なものは出来るだけ減らそうとします。

例え筋肥大のためのトレーニングをしたとしても、そのトレーニングでつけた筋肉も容赦なく減らそうと分解していきます、体にとっては不要なものですからね。

忘れている要素とは何かというと「筋肉を減らそうとする働き」です。

Xのポストで筋トレ有名人に「筋肥大トレーニングをしているのに筋肉が太くならない」と言う相談をしている人がいます。
それに対しての返信はセオリー通りなのですが(正しい筋トレをするとか、栄養をしっかり摂るとか、睡眠の質を上げるなど)実はここで一つ考慮しなくてはならない点があり

「もしかしたら筋肉は太くなってはいるけれども、同時に体が減らしているから太くなれないのかも」

というところでしょうか。

プラスもあるけどマイナスもあるから実質ゼロ(某芸人のゼロ理論みたい)と言ったところでしょうか。

細胞も常に作り変わっていますから、増える分もありますが、分解されて減る分もあるということです。
恐らくですが、一般的に考える筋肥大は

増える量>減る量

だと思います。
しかし恐らくですが実際は

増える量=減る量

であり、こう考えると辻褄は合ってきますし、何となく妥当な気もしてきます。

でもあくまで私の個人の推測に過ぎませんが。

では筋肥大をするためにはどうしたらよいのかと言うと、自分の体の恒常性を一旦なくすことが必要なのではないでしょうか。

筋肥大した形が「通常の安定した体だよ」と自身の体に思わせることで、そちらの方に恒常性を保とうとなった時、初めて筋肉が太くなるのかも知れません。

あくまで推測でしかないのですが、恒常性を崩す方法のひとつとして「太る」という方法があります。

シンプルに太るのも結構難しいですが、筋肉で体重を増やすよりは日常生活で食べる量を増やして、それを当たり前にして、そして体重を増やす。

ヒトは食生活に変化があると恒常性もそこそこ乱れるというか、安定している状態を変えやすいと思われますので(太ってだらしない生活が当たり前になってそれが安定するのは良くあるパターン)それを利用して、まずは太る、体重を増やす。

筋トレのアドバイスで「まずは太れ」というのは実は妥当なアドバイスだったりする可能性もあるのがこの推察でしょうか。
基本的に大会とか出ない状態でのボディビルダーとかウエイトリフターは結構わがままボディしてますよ。

他、これは才能と言うか素質と言うか、大人になっての安定した日常での体重は影響してくると思います。

私は大人になって、日常生活でそこそこの活動量の時の落ち着く体重が67kgぐらいなんですが、筋トレで筋肉を太くしたり、ウエイトリフティングやっていた時の増量でもMAX72kgまでしか伸びなかったし、逆にボクシングでスパーリングやらマスボクシングやらやっていた時期はどう頑張っても63kg以下には落ちなかったです。

自分の体の変化を見ると、72kgに保つにはものすごく体がしんどかったし、63kgぐらいになると体は軽いけどエネルギー不足を感じてました。

そういう特別なことをしない、仕事も含めた日常生活での今の体重が67~68kgぐらいですね。
この体重が一番体が楽です。
これが私の体にとって一番安定した状態であり、だからこそこの状態を保とうとするんだろうなという感じですね。

そう考えると恒常性を崩して変化させるのがほぼ不可能なんじゃないか?と思うぐらいに、ヒトの体の恒常性を保とうとする力が凄いなとも思いますね。

私はもともと身長に対して体重が重かったので、これは素質があるというか才能と言うべきなのかも知れないですね。

人間は、自分の体は自分のもので、思い通りにできると思っていますが、実はそうではなく、自分というものの集合体の中には大きく分けて心と体という要素があり、心と体は繋がっているけれども、それぞれは独立したものなんだという事を認識させられます。

体はそもそも安定した状態でいたいのに、心が「筋肥大させてマッチョになりたい」と思うが為に、体の恒常性をみだし、体の意思を無視して無茶させている、と考えられます。

当人の体は当人のものではないんだよという、養老孟子先生の話でなんかそんなのがあった気がしますが、不要な筋肥大させたい筋肉は、そんなヒトの「心の欲の塊」なのでしょうか。

我々はもともと自然の中の一部ですから、そういう風に考えると自分の体は自然から借りているだけ、頂いているだけ、だから粗末に扱うことはダメなんだという風に考えられると、筋肥大は難しいかも知れませんが、心身ともに健全でいられるのかも知れないですね。

結局筋肥大であれやこれややっている内に、筋肉だけではなく心も肥大していき、醜くなっている人もたくさんいるなと思います。
まあ、欲の塊だと考えるとね・・・この辺りはあくまで個人の感想ですよね?のレベルですが。

もちろん、筋肥大させたい人はすれば良いと思います。
自然の摂理に必ずしも従う必要もない、我々は自由ですから。

でも、心のどこか隅にでも「我々も自然の一部なんだ、この体も自然の一部なんだ、自分のものではないんだ」と思うと、自分の体に優しくできるかも知れませんね。

体に優しくできるということは心が穏やかと言うことだと思います。
心と体は別物ですが、しかし繋がっていますから。