天気 | メキシコ料理生活~あ夏そ~

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メキシコ留学?生活の日々の出来事を綴る

天気の話はもういいですね。

転機の話をしましょう。

あ!サッカー負けてしまいましたね・・・。

よし、転機の話を。

今週から、イタリア人オーナーの一人であるスキンヘッドのバルテルことハゲテルがイタリアへ帰省してしまいました。なんと八月まで帰ってこないらしいです。そして残されたのは、ハゲの従兄弟のイタリア人(60歳くらい)と、その奥さんのパラグアイ人(30歳、ずっとイタリア人だと思ってたら違った)。この夫婦が厄介で、仕入れを頼んでもまともに品物を買ってこないし、仕事はしないくせに料理の飾り付けには文句をつけてくるし、しかも、昼飯食べた後に昼寝までこきやがる。まぁ、私の理想とするオーナー像とはかけ離れているので、ハゲテルがいるときは全く相手にしていなかったのです。が、ハゲテルがいなくなってしまったので、彼らと仕事するほかありません。

ちなみに、私は便宜上のシェフになったらしいです。当の本人がシェフだと思ってないので難しい所なのですが、とにかくシェフと呼ばれるようになってしまいました。ちゃんと自分のことをシェフだと言えるようになるには、まだまだ長い年月が必要になるとは思うのですが、ほかにできる人もいないので呼ばれるに任せてシェフになりました。しかし、普通シェフというのは、献立の組み立てだとか味付けだとか、一皿の量だとかを任されるものだと思うのですが、私にその決定権はありません。すべてオーナーの指示がないと動けません。それってシェフじゃなくね?まぁ、だから便宜上なんですよね。だれが決めるかというと、料理などしないそのオーナー夫妻が独断で決めるんですよね。先日のはなし

私がいつもの様に、翌日の仕入れリストを作って渡すと

パラ女「えー昨日も買い物行ったのにー」

私(商品が売れれば在庫補充しないと何もできなくなるでしょ)

パラ女「二、三日分まとめてリストにしてよねー」

私「常に新鮮な食材を取り扱うには、毎朝市場に行くのが基本でしょうが」

正論を言ってしまいました。こういう相手には正論を言うのが最もしてはいけない事のような気がします。結局のところこの二人は、お遊び半分でレストランをやっているようなので、私は幻滅してしまいました。この人たちのために働きたいというほどカリスマを持っているわけではないし、これといって心を揺さぶられるような才能を感じるわけでもありません。私は常に成長していたいし、毎日何かを吸収したい、覚えたいと思っています。別に、料理に限ったことではなく、スペイン語でもイタリア語でもなんでもいいのです。誰か大きな才能を持った人のそばで、技術を盗みたい、学びたい、切磋琢磨したいと思うからこそメキシコの不便な生活にも耐えられるというものです。

このことを先日やめてしまったシェフ(紛らわしいので彼のあだ名「チャット」で進めましょう)に相談すると。

チャット「まだ、イタリア人どもと働いてるのかよ、お前!?」

私「そんなこと言ってもさ、俺にはビザの縛りとか色々あるんだよ」

チャット「ここはメキシコだぜ。そんなこと誰も気にはしないさ」

私「俺は日本人なの!俺がビザなしで働きたくないんだから」

チャット「お前、今の給料いくらよ?」

私「基本給は15日で2000ペソ」

チャット「安すぎるつーの」
     「お前がやってることはもうシェフの仕事だろ」
     「それでその給料はないわー」
     「直に交渉しないと何も変わらないぜ」

私「ああ、でもそういう交渉ごとは嫌いなんだよ」

チャット「お前がやりたいんなら、ホテルの仕事紹介してやるぞ」
     「俺の知り合いが料理長やっててさ」
     「一人足りないから、誰か紹介しろっていうんだよ」
     「お前なら俺が推薦してやるよ」
     「ポストは副料理長で給料は7000ペソだったかな」

私「7000!?なんであんたはやらないんだよ、その仕事」

チャット「俺はもう金、金って稼いでも別れた妻に取られちゃうからさ」
     「他に学校の仕事もあるし、しばらくリラックスしていたいのよ」

私「でもなぁ、ホテルのキッチンなんて経験もないしな・・・」

チャット「はぁぁ!?お前はイタリア料理の経験なくてあの店に来たんだろう」
     「経験なんてのは要は慣れだ」
     「とにかくやってみればいい、お前なら大丈夫だろう」


と、こんなやり取りがあったわけでして。ふーむ、給料UPに新たな経験・・・・。やってみたいですなー。怖さ半分、興味半分。今の職場はオーナーを除けばみんないい人だし、仕事をしていて楽しい。仕事も慣れを通り越して、考える前に体が動いてくれる。最近は手を動かしながら、スペイン語で世間話も出来るようになってきました。というのも、レシピはほとんど頭の中に入っているし、体が勝手に動くので、頭の容量をスペイン語会話の方に回せるようになってきたのです。でも、新しい職場に行けば一からレシピを覚えなくてはいけない、調味料の位置や野菜、パスタ、肉、魚がどこにあるのかも、最初はわからないでしょう。

ビザの手続きもやり直さなければいけません。そもそもどうやったらいいのかもわかりません。それでも、やってみたいなー。まずは休みの日を利用して、ビザの手続きから調べてみます。ホテルの方も、試用期間ってことでいつ行けるか聞いてみないといけませんね。というか、もう人が足りちゃったなんてこともあるかもしれませんしね。