10年前、長崎でおこったある少女をめぐる事件
家庭で虐待を受け、児童相談所に保護された少女 長峰亜紀ちゃん
彼女について、児童相談所の所長を中心に、彼女の担任や近所の住人、小児科医や昔の友達、母親がインタビュアーに語るんです
しかし、10年前の忌まわしい事件の詳細とインタビュアーの正体は明かされません
母親の再婚相手にひどい虐待を受け、それから逃げ出すために自ら車の前に飛び出し保護された亜紀
美しく魅力的な彼女を救うために、たくさんの大人が奔走するのですが、彼女の両親がひどすぎるんです
彼女を救うことができなかったと、みんなが後悔してるんです
でも、ところどころでちょっと引っかかるところもありながら……
読みながら、なんとなく既視感……
湊かなえ作品とか、「白夜行」を想起させるというか……
ちょっと予測できた部分はありましたが、とても面白く読めました
児童虐待、こんなにも大きな問題なのに、こんなにも悲しい事件が繰り返されているのに、なかなか改善されない
本書でも、児相が全く手がたりてないこと、制度が追いついてないか語られています
なぜ改善されないんだろう……
少なくとも予算を組んで、人を増やせば補えることが確実にあるのにそうならない……
児童虐待が織り込まれた小説のなんと多いことか…
そのたびに、とても苦しい気持ちになります
悲しい事件が どうか無くなってほしい…