冒頭、一家3人(ひとりは2歳の子ども)を惨殺し、死刑が確定している少年死刑囚鏑木慶一が、脱獄したというニュースから始まります。


その鏑木が、名前を変えて逃亡している、その日々の物語。



目立つことをせず、人付き合いも控え真面目に働きながら日々を過ごす鏑木。

しかし、彼の誠実さ賢さ優しさに、周りの人がどうしても惹かれてしまう………


なぜ彼は脱獄したのか


彼の目的はなにか


そもそも

本当に

鏑木が犯人なのか……



冤罪……


警察が捜査して、裁判でも有罪になったんだから……

まさか……


しかし、現実に冤罪というのは無くならない

ミスの隠蔽や証拠の捏造ということだってあるのかもしれない

有利になるように証言を導く…みたいなことはよくありそう……


実際に今朝、わいせつ罪で全く別人が逮捕されたニュースがありました

嘘でしょ……




鏑木の逮捕も、おそらく裁判の過程で「あれ?」と思われる事象がたくさんあったと思うのです。

しかし、鏑木が犯人という前提ありきだったためにいろいろ捻じ曲げられてしまった


このせいで凶悪犯を取り逃すことになってはならない

という、ある意味正義感から



彼がどんな思いで488日を過ごしてきたか



苦しい苦しい物語でしたが、人の美しい部分も描かれ、心に沁みる物語でした。