本を読んでも書き留めるにはいたらず、なんだかぼんやりと過ごしておりました。

新番組「晩酌の流儀」やら、NHKの「朝ごはんlab」を見て、自分の好きなことや人のために、生活を整えることの素敵さ、楽しさを思い出し、自分自身の生き方を考える今日この頃です。



図書館で一番に探すようになった著者。
今回もずっしりと重苦しい……
でも、多様性を重んじられる昨今、だからこそこんな歴史的な出来事を知る必要があるのでは、と思いました。

高校時代、武内譲に家族を惨殺された2人香那と小雪。
犯人武内は、「誰でもいいから殺そうと思った」と供述し、初公判の2日後拘置所で自殺した。

犯人が死んでも、納得できずに苦しみ続ける2人。

死んだ家族は戻ってこない。それでもなにかしらの答えがほしい。
この理不尽さを、納得したい。

2人は、武内譲について調べ始めるのです。

武内譲の大叔父、武内昭也殺害の事件が起こり、やはり事件に遺恨をもつ刑事今道も改めて武内譲について調べ始めます。

SNSで繰り返されていた武内譲の女性蔑視、女性嫌悪の言葉。
譲の育ちや遡って武内家の過去が明らかになる度にほんとにつらくなります……

知らなかった日本の人身売買の歴史。
男尊女卑の家制度。
そんな中で生きた人々のこと。
それを知ったうえで、その苦しみを想像したうえで、多様性や男女同権を考えるべきだと思った。


小雪のことば

                正しい相手に正しく怒る

これだ!!!

これをしない、できない人が人を傷つけたり不条理な犯罪をおこすんだ。
怒るべき相手におこれなかったから、自分に関係のない、弱い者に当たるほうを選ぶ。
ほんとにそこ!
そこで間違う人のなんと多いことか!


怒っていいんだ。
そう思えたときに、被害者の2人が、少しずつ救われていきます。少しずつ前を向けます。


著者、人間が目を背けたくなるようなことに、目を背けず深く掘り下げることで、解放されるというか少しだけ救いの光を見つけるというような物語になっている気がして、つらいけどやめられません。


現実の日常にも、苦しみも不条理もあるけれど、今、私にできることを。
感謝や思いやりをしっかりと示して、1日1日を大切に。