韓国映画「必ず捕まえる」

 

 

 

 

韓国映画必ず捕まえる

 

 

 

 

 

地域の隅々まで知り尽くしているシム・ドクス(ぺク・ユンシク)は朝鮮戦争の頃から田舎町のアリ洞で暮らし、鍵屋を営みながら、アリ洞に沢山のアパートを所持していました。

執拗に家賃の催促をするドクスにアパートの住人や町の人達から口が悪い家主だと言われ、煙たがられていました。

が、本当は情にもろく、腰が悪くてトラック運転手の仕事が出来ず、家賃を滞納している元刑事だったチェ氏(ソン・ジョンハク)にうるさく家賃の催促をしましたが、ドアのカギが壊れているのを見て、「ドアノブは明日の朝に直してやるから」と言う優しさも持っていました。

 

 

翌朝、鍵を直しに行ったドクスはチェ氏が首を吊って自殺しているのを見つけます。

アリ洞の町の人達はドクスがしつこく家賃請求をしたからだと噂され、益々、敬遠されるようになりました。

そんな中、チェ氏の同僚だった元刑事のパク・ピョンダル(ソン・ドンイル)が現れ、自殺ではなく、30年前に起きた未解決の連続殺人事件の犯人の手口と同じだと言い、犯人は再び殺人を始め、チェ氏はその犯人に殺されたのだと言うのです。

 

 

30年前の連続殺人事件の犯人はまずは老人を殺害して練習してから目的の若い女性を殺害するのだと言い、自殺、事故、孤独死に見せかけて身寄りのない老人たちが殺され始めました。

ついに、アパートの住人で一人暮らしの若い女性キム・ジウン(キム・ヘイン)が姿を消してしまいました。

犯人を捜し、ジウンを助けようとドクスはピョンダルと共に二人で協力して独自に捜査を始めます。

 

 

 

 

 

2017年制作 上映時間:110分

 

 

韓国題「반드시 잡는다(必ずつかむ)」

日本題「必ず捕まえる」

英語題「The Chase (追跡)」

 

 

 

 

監督はキム・ホンソン氏

 

2022年のソ・イングク主演の映画「オオカミ狩り」が最新作のようですが、検索すると演出家の同名の方の情報が多く出て間違えやすいですけど。。

 

 

 

この監督さん、残酷なシーンがお好きなようで、「オオカミ狩り」でも何トンもの血ふぶきを飛ばし、血みどろになって俳優さん達が演技されたみたいで「韓国映画史上、最も強烈なバイオレンス・サバイバル・アクション」だと評されたそうですが。。。。

 

 

 

 

この映画「かならず捕まえる」も連続殺人犯に殺されて、孤独死に見せかけられているお年寄りの遺体にはびこるハエとウジのシーンとか残酷描写が怖い。

 

 

 

しかも、その発見者が外で無邪気に遊んでいた子供で、窓の様子が変だと思い、窓を叩くと大量のハエが飛び去って黒かった窓が一気に明るくなり・・・・

人間が腐っていき、ウジの餌となっている様子をリアルに描かれていて目をそむけたくなります。。

 

 

 

 

姿を消したジウンを心配をして部屋に入ったドクスとピョンダルはバスタブの中に転がっていた血の付いた歯を見つけ、冷蔵庫の中に食材と共に入れられていたジウンの友達の血まみれの頭が見つけ。。。

 

 

冷蔵庫に遺体が・・・ってのは良くありますけど、冷蔵庫の中で食材と共に転がされている血まみれの顔を見せるとか、わざと照明を当てて明るくするとか。。

 

その演出で犯人は猟奇殺人でサイコで殺人を楽しんでいるような人物だと想像できますね。


 

 

 

この映画は前から観ようと思っていて放置していたのですが、基本、イケメンが出ていないものは観ないのですけどソン・ドンイル氏が気になり、ついに観てしまいました。

 

 

 

遺体描写は残酷ですけど、基本、主役はお年寄りたちで、殺されるのもお年寄り、犯人もお年寄り、追いかける二人もお年寄り。

 

 

 

犯人らしき若者との対決もお年寄り相手にどうやるの?って心配すると、元警察官だったピョンダルは歳を取っても意外に強いので何とか相手が若者でもやり返せますし、若者は逃げる時に足を怪我してハンデが出来て、なんとかおじいちゃんも離されずに追跡できたりして、ちゃんと追跡劇になってるし。。。

 

 

 

本当の犯人と大雨の中の泥沼で3人が戦いますけど、お年寄りなんで鋭いパンチとか飛び蹴りとかは無く、ブロックで殴ったり、蹴とばしたりぐらいの戦いですけど。。。

 

この撮影の3人の俳優さん達は大変だっただろうな。。。

 

 

 

 

派手なアクションシーンが無く、激しいカーチェイスも無く、泥臭く、ノロい戦いをしてながら犯人を追い詰める内容ですので、激しいアクションに慣れている人には退屈だろうって思います。。

 

 

 

 

しかし、映画の残酷シーンはともかく、今の韓国社会の不安定さ、老人や低所得者を置いてきぼりの社会。

老人の孤独死。子供がいても自分の生活が忙しく、一人暮らしの親の面倒も見られない。

逆に親の面倒を一人でみないといけない若者たち。

いつ朽ち果てるか分からないアパートに暮らして、家賃も払えないでいる貧困層の人々。

 

 

 

元警察官の定年後はトラック運転手で家賃も払えない身になっており、支援団体から食事の提供を受けています。

元公務員の老後も安定してないようで。。。

 

 

社会派映画だったのかも?

 

 

 

 

2人の相棒ぶりと、コミカルな行動にほのぼのと観ていると、殺人事件が起き、警察にも知らせずに勝手に二人で捜索をはじめちゃうし。

 

 

 

どこで分かったのか、元刑事の感だとか言って、車椅子生活の妻の面倒を見る漢方医のナ・ジョンヒョク(チョン・ホジン)を直ぐに犯人と決めつけ、留守の間を狙って家に入り込んでしまうし。。

 

ハラハラしちゃうじゃん。。

 

 

 

 

元警察官のピョンダルは実は痴呆患者で病院から抜け出して犯人を捜していると。。。

 

意外な事実も出てきて。

 

30年前の未解決事件で心に傷を負ってしまい、未だに事件の記憶から抜け出せないピョンダル。

 

 

本当に痴呆? って、ぐらいに色んな事を覚えているし、簡単に病院から抜け出せるし。。

ピストルまで持ってるし。。

 

 

ピョンダル、ナイフで刺されても、ピストルで至近距離で撃たれても元気だし。。

不死身かぃ?

 

 

 

 

犯人の漢方医のナ・ジョンヒョクは何で若い女性に拘るのか?

車椅子の妻の代わりにするとか言って意味が分からんし、妻の手首を切り落とそうとするし。。

 

何で?

 

しかも家には大量の芥子の花を植えていて麻薬の密売?

 

 

 

何故に30年ぶりに殺人を始めたのか?

殺しがお好きなのか、若い子がお好きなのか、お金儲けなのかが分かりません。

 

 

 

色んな疑問が残っているので、次作かドラマ化して貰ってその辺の事情を明かして欲しいな。。

 

 

ラストもみんなどうなったのか分からないけど優しい世界で終ったし。。。

 

 

コメディ感もあり、多少のスピード感もあり、サスペンスもありで、ちょっと観るには宜しい映画だったと思います。。