韓国ドラマ「D.P. -脱走兵追跡官-」1、2

 

 

 

 

 

 

 

2014年、兵役義務によって入隊したアン・ジュノ二等兵(チョン・ヘイン)は除隊間近の兵長ファン・ジャンス(シン・スンホ)からいじめや暴行などが日常的に行われている過酷な現実や状況に直面していました。

アン・ジュノはボクシング経験があり、落ち着いた態度の洞察力を買われ、突如、ハン・ホヨル上等兵( ク・ギョファン)とパートナーになり、軍務を放棄した脱走兵を追跡する軍務離脱捜査「D.P.(Deserter Pursuit)」に配属されます。

 

 

ホヨルと共に脱走兵たちを追跡する中でジュノは脱走兵にも色々な事情があって脱走するのだと知り、複雑な心境で脱走兵の捜索を続けていました。

そんなジュノも兵舎に戻れば先輩兵士からいじめを受ける日々。

ジュノに優しかった温厚な性格のチョ・ソクポン一等兵(チョ・ヒョンチョル)がいじめに耐えかねて人が変わったようになり、かつて執拗にいじめを繰り返していた除隊したファン・ジャンスを拉致して逃げ、自殺する事件が起こりました。

 

 

ジュノとホヨルは何とかソクポンを助けようとしますが、陸軍本部は射撃命令を出し、事件を隠蔽しようとソクボンが精神を患って自殺したことにしよう画策を始めます。

軍の圧力と不条理に直面しながらジュノは「D.P.」として次の脱走兵の捜索に走ります。

 

 

 

 

 

2021年(season1)、2023年(season2)   各6話

 

 

 

韓国題「D.P. 」

日本題「D.P. -脱走兵追跡官-」

英語題「D.P. 」

 

 

 

 

原作は実体験に基づくウェブ漫画「D.P.犬の日」

 

 

OTT(オンライン動画サービス)の配信でseason1、season2と各6話で構成され、放送されました。

 

 



こういうドラマは苦手なので避けておりましたが、イ・ジュニョンが出ているというのでついに手を付けましたが。。。

 

 

想像以上に暴力やいじめシーンが凄かったです。

 

 

殺しても平気と言う軍隊。

強い者が常に弱い者や異質な状況にある者を平気で暴力を振るう世界。

 

これほど、暴力やいじめがはびこっているのに、何も出来ない上層部。

 

 

しかし、上層部までもが自分より下の者に平気で暴力を振るうので留まる事がありません。

 

 

過去にやられた事は階級があがってもやり返す、伝統と言う名の負の連鎖。

 

 

 

これが実話だと分かるとなおさら、毎日、こんな日々を送っていたら人格が変わっても仕方ないなと。

 

軍に入って階級が上がるにつれて、自分自身も偉くなったと勘違いしている人間ばかりがいる、それが軍隊なんですね。

 

 

 

国を守るために自分の意思とは関係なく召集され、国からは自分を守ってくれないなんて。

 

 

 

軍隊でのいじめ問題は随分前から言われてましたね。

今ではスマホなども使えるようになってますが、ジュノが軍生活をしていた当時は外部との連絡も出来ず、いじめや暴力に遭っていても訴える場所が無かったようです。

 

 

特に芸能人は年齢が遅くに入隊するので、年上なのに下階級でいじめの対象になっていたとか。

 

 

10代後半、20代でこれから大学生活を送ったり、就職活動や人生の目標に進んでいたり、夢を掴もうとしていた時に突然に約2年の軍に入る事になるのは、韓国の男性では避けて通れない事ではあるけど、人生の大事なチャンスを逃がしてしまう事もある大切な20代を避けたいのは分かります。

 

 

だから入隊を避けさせるブローカーが存在、頼るのも理解できるな。。

 

 

随分と今は軍生活も改善されたようで、人気グローバルボーイズグループのメンバー達も入隊するのか、免除されるのか長い間、論議されましたけど、結局は入隊する事になりましたが、昔では考えられない軍生活中にライブ放送とかしてるなんてね。。

 

 

 

いくら世界的に韓国の認知度を上げたとは言え、国は平等にしてやって欲しいですね。

 

私は全く関係のない日本人ですがね。。

 

 

 

歌ったり踊れない、スポーツも上手くない、国には貢献していないのかもしれないけど普通の男の子たちも、工事現場で働いていても、学生として将来のために勉強していても、コンビニでバイトをしていても、国には目立った功績はないかもしれないけど、国を支えている一人である事。

 

 

家族にとっては大事に育てた子供の一人だと、イントロ画面に乳児から幼児になり、成長し、入隊式に参加して列に並んでいるアン・ジュノが振り返って不安げな目で訴えてきます。

 

みんな、国を守るために青春を捧げるんだよ。一人、一人を守ってやってよ。

 

 

 

イントロのシーンは良かったな。。

いつもドラマのイントロは飛ばしますが、このドラマは毎回、胸にグッとくるものがありましたね。

 

 

 

season1でアン・ジュノ(チョン・ヘイン)とハン・ホヨル(ク・ギョファン)が何とか助けようとした仲間を助けることが出来ず、目の前で惨劇に遭った事でseason2では二人ともPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えます。

 

 

特にハン・ホヨルは声が出なくなり、病院で過ごすシーンから始まります。

ジュノも他の兵士が暴力を振るわれているのを見るとソクボンとダブって見え、辛い気持ちを抱えて過ごしています。

 

 

あんな惨劇があったのに陸軍本部は事件を隠蔽し、事実とは違う内容に改ざんし、反対する者は排除し、拘束し、辞任させ。

 

 

何一つ、変わらない軍に不信感を感じながらも二人は脱走兵を追いかけます。

 

 

 

season1と変わらない軍隊の様子に嫌気がさしますが、ハン・ホヨルの適当な態度や言動がホッとさせますね。

 

生真面目なジュノに対して、ホヨルの適当な性格が、真逆の2人ですが強い絆で結ばれて行くのがなんか嬉しいです。

 

 

 

普段は面倒な事は避けたい、上手く世渡りしたいホヨルですが、ジュノがひとたび、危機に陥るとすかさず助けに来るなんてカッコ良い奴。

 

 

真面目なゆえに融通がつかず、自分の力を過信しすぎて暴走しがちなジュノを「自分の息子だ」と言い、正当な教えをします。

 

いい加減にしてそうで、ちゃんと計画を持っていて、いざという時はジュノよりも物事を見ていて処理できるなんてホヨル、超カッコ良い。

 

 

 

 

良い方向にと思って一人で走り始めるジュノに次第に感化されたのか上司のパク・ボゴム中士(キム・ソンギュン)、イ・ジソプ大尉(ソン・ソック)が2人を助けようと動き出します。


 

結局、軍の隠ぺいを暴こうとして、ジュノ自身が脱走兵として追われる身になってしまいますが、ホヨルとパク・ボゴム中士とイ・ジソプ大尉が裏側で必死にジュノを助けようとしてて。

 

 

何か明るい未来が見えてきたような気がするけど、結局はあまり変わらないと。

そんなに簡単には変わらない軍隊で適応していくしかないんですね。。

 

 



アメリカの経済雑誌Forbs(フォーブス)が選ぶ、2021年ベスト韓国ドラマに選出されたそうです。

 

 

アメリカにも徴兵制度があるけど似たような感じなんでしょうか?

戦争が起きている地球で自国が戦争になったら、一番に命を捧げる軍人さん。

 

どんな気持ちでいるのでしょうか?

 

 


このドラマの放送時に兵役を終えた韓国人男性でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こした人もいたそうです。

やはり軍生活がリアルに描かれていたんでしょうね。

未だに傷ついている人が沢山いるって事ですね。

 

 

 

数年前、「太陽の末裔」が放送直後に韓国のタクシーに乗った時に運転手さんに私が韓国ドラマファンだと話したら、自分の兵士の時の写真を見せてくれました。

 

カッコ良い軍服を着ていて「カッコ良い」と褒めたら嬉しそうに笑ってましたが、運転手さんも厳しい軍生活を過ごしていたので韓国男性としては自慢なんでしょうね。

 

 

「D.P.」を先に観ていたら「本当にお疲れさまでした」って思っただろうな。。

 

「太陽の末裔」はファンタジーが過ぎるな。。。好きだけど。。

 

 

 

ドラマとは関係なく、義務入隊中の兵士が補佐としてD.Pで任務を遂行するのは廃止されたそうです。

時期的にドラマの影響かと思えますが、数年前から決まりかけてたそうです。

 

廃止の理由は脱走する兵士が減ったからだとか。

 

良い方向に向かっているのかな?

 

 

 

チョ・ソクポン一等兵役のチョ・ヒョンチョルが良い役をやっていたので嬉しかったですわ。

 

「ホテル・デ・ルーナ」のサンチェス

 

私の中ではチョ・ヒョンチョル氏はいつまでもサンチェスなんですよ^^

 

 

 

次は軽いドラマを観たいな。。