本ブログの韓国ドラマ感想カテゴリーが沢山になったので、韓国ドラマ感想ブログとして新たに作り、過去記事を引っ越ししております。
2022-03-12 過去記事
韓国ドラマ「未成年裁判」
久々に良いドラマに当たりました。
少年犯罪をテーマにした社会派ドラマです。
判事シム・ウンソク(キム・ヘス)は地方のヨンファ裁判所少年刑事合議部の右陪席判事として赴任してきました。
刑罰を与える相手に鋭い目で容赦ない対応をするので有名で、特にシム判事は犯罪を犯す未成年を嫌悪していました。
未成年は平気でうそをつく。平気で大人を騙す。更生できない。
シム判事は未成年に出来るだけの最高処罰を与える鬼判事と言われていました。
その背後には未成年者に自分の息子を殺された経緯があり、未成年保護法で軽い処罰を与えられ、しかもその裁判にも傍聴出来ない・・・
自分も未成年犯罪者に家庭を壊されてしまった被害者でもありました。
ヨンファ地裁少年刑事合議部部長判事のカン・ウォンジュン(イ・ソンミン)、左陪席判事チャ・テジュ(キム・ウヨル)と衝突しながらもシム判事は自分の信念を貫き通します。
やがて未成年たちと関わっていくうちに子供の犯罪には大人や社会が原因である事を痛感し、やるせない、先が見えない状況を実感します。
一つの話を2話で進んで行くのですが、2話目で既に1本の良質な映画を観終わったような気がしました。
実際に起きた事件を元に描かれているそうで1話、2話目は「仁川小学生殺害事件」がモチーフだそうです。
血まみれのフードを被った13歳の少年が小学生の男児を殺害し、死体を切り刻んで捨てたと警察に自首してきます。
少年は「14歳未満なら人を殺しても罪にならない」と薄笑いして平然としています。
調べていくうちに主犯は16歳の少女で、13歳の少年は幇助として事件に関わった事が分かりますが、それすらも否定して少年法で逃れようとします。
精神的に問題ありとする弁護士たち。
自分の子供が人を殺したのに裁判に姿を出さない親。
殺人をゲームのように考え、刑務所に行かなでも良いと悪びれない未成年者。
本当に胸糞悪いドラマでした。
いや、胸糞悪いのは未成年犯罪者と周囲の大人たちと、これが実際に起きている社会が胸糞悪いんですね。
本当に子供が犯した犯罪なのか?と思ってしまうほど残酷で恐ろしい事件が起きている現実。
モチーフとなった事件は実際はドラマよりももっと恐ろしい内容だそうです。
「子供は更生なんてできない」
シム判事は言います。
楽な方に流れてしまうので誘惑に勝てない、手軽な犯罪にまた手を染めてしまう。
最後の最後にシム判事の前に初めの事件の13歳の少年が顔中に入れ墨を入れた姿で法廷に立ちます。
子供は更生できない・・・
未成年の犯罪をどうするのか。未成年法をどうするのか。
普段は考えない事を考えるきっかけになるように作られていると思います。
1話を観て次へ進むのが苦しいドラマでしたが、先が気になってしまい一気に見てしまいました。
キャストは文句なしのメンバーでそれぞれが当たり役でしたね。
法廷物が多かった韓国ドラマでしたが、いよいよこのテーマに本格的に力を入れてきましたね。
この先も韓国ドラマは先頭を突き進むでしょう。
だから韓国ドラマはやめられない。。