そういえば30STMということですが・・・。
火星まで30秒?
まさに火星まで30秒くらいの旅を経験をしてしまいましたので、描いてみようかと。
少なくとも自分にとってというお話なので寛大な気持ちでお願いしますね^@^
って、シリーズ7本目になってきますと、もはやどこが火星への旅?という風情。
単なるダハハ体験談じゃん。っていう話ではありますが。
前回のは緊迫感のある30STM。今回のはノスタルジックな30STMなのであります。
・・・今年の夏のある日。
うちのオフィスの前に月曜日の正午辺りに一台のバンが横付けされているのに気づいた。
昭和20~30年くらいの底抜けた行進したくなるような古めかしい音楽をかけながら・・・。
当然、どんなバンなのか気になったので、仕事中の格好のまま外をのぞくと・・・。
パン屋さんだった。
仕事中の格好のままですからのぞきに行くのは少々気が引けたのですが、そこは誰もいないのを確認して・・・。
ダッシュ~~~~^^@←やや新幹線気味・・・ってか気持ち悪い^@^
置いてあるパンをながめる。
あんパン・クリームパン・焼きそばロール・コロッケパン・揚げパン・・・
それがねぇ。
とにかくまんまのパン達なんです。
コロッケパンだったら本当にシンプルにパン+コロッケ。
揚げパンはまんまのずんぐりむっくりデカデカ揚げパン。
まさに給食で出た揚げパンのまんまの世界。
ヘタな修飾のないこの潔さが、とってもかわいく思えた。
今やどこの業界もビジュアル的に計算されたものが、スタイリッシュなお店の雰囲気とセットでイメージに訴えかけてくるのだが・・・。
そこにあるのは本当にバンとパン。
バンの主のお姉さんに突撃インタビュー。
「いつから来てたんでしゅか?」
「6月から来てたんですよー。」
「宣伝なんかはしてなかったでしゅね?」
「あ、そうですね。作っている工場からここで月曜日に売るよう言われておりまして・・・。」
「じゃあ、自分が宣伝するアル。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
そうか。6月から来てたんだ・・・。知らなかった・・・。
こういうのに3か月も気付かないってのは良くないな。センサーが研ぎ澄まされてないことに反省しつつ。
ここのパン、おいらの出身高校の目の前にあるベーカリーのパンと本当に似ているものだから・・・。
月曜日の昼になるとウキウキ気分。
11:00頃になると・・・
「まだでしゅかねぇ???」
なんて心に問う。この純粋な感じ、高校時代に2時間目が終わるチャイムを待つウキウキなのである。
そしてチャイムと共にダッシュ~~~♪
まさに~~~~~^^@なのである。気持ち悪いけど(笑)。
月曜日のお昼は、まさに30秒で火星トリップができる30STMな時間帯でした。
そして、高校のベーカリーにもあった唐揚げパンの完コピみたいなパンをゲプトしたら、宣伝タイム!
みんなに良いぞ良いぞ~買いに行くのだぁ~!!
と宣伝しまくった。
そして、とうとう10月になったら・・・。
昼になったらピッチが鳴って「パン来ましたよ♪」って同じくハマった同僚からお知らせが来るほど。
良い感じだ・・・と思った矢先・・・。
いつものようにコロッケパンを購入した時、バンの主のお姉さんから呼びとめられて・・・。
「いつも買って頂いて嬉しかったんですが、実は来週で会社をたたむことになりまして・・・」
「え、マジっすか?」
「不景気で売れなくなったもので。」
「ここは大丈夫なくらい宣伝したよー。」
「ここは良かったんですが、やはりもっとバリエーションのあるものをご希望される方が多かったようで。」
「なぬ~~!!!」
何とショッキングな・・・。
・・・最後の月曜日。
同僚を集めて、怒りの買い占め攻撃をしかけた。
売れないものを続けられないっていうのは仕方がないのだが、こういうものを生かせないのはまずいと思った。
せめてもの思いを数字に変えてやろうと・・・。
高校の前のベーカリーもなくなった。
そして、ここもか・・・。
世の中、不景気。
良いものが勝ちというよりも売れたものが勝ち。
数字の上ではね。
ビジネスにならなければ続けられないのは仕方がない。
と納得したくはない・・・。
いや、しちゃダメなんだ。
数字は別として、良いものは気合を入れて守っていかなければいけないと思った。
残念な気持ちで写真に残すの忘れちゃったよ。
たった2カ月のMars体験だった。