最近古本屋で見つけた本

イケズの構造 (新潮文庫)

イケズの構造 (新潮文庫)

京都人の心を、「イケズ」の視点で解説!

面白い!


ぶぶづけでも、あがっておいきやす、で有名な「奥ゆかしい」京都人なんて、まやかしです、とかいう割りに、

出てくる数々のエピソードは、いやいや、これこそ「ぶぶづけ」の話と同じだろ!って突っ込みたくなるようなものばかり。


遊びに来すぎる甥っ子には、お出汁のない素麺を出し、

叔母「たんとおあがりやす」

甥「そやけど、お出汁があらへん」

叔母「そやから、たーんとおあがりやす」



一見さんお断りのお店には、そんなあからさまな「一見さんお断り」なんてことは、書いていない。

お店に入ろうとすると、

「いややわー。せっかく来てもろたのに生憎満席なんですよ。

誰ぞのご紹介ですか?すんませんねえ。

いまは空いてまっけど予約いただいてまして。

ほんまに、ねえ、こんな時節でおますのにお商売させてもろて有難いことでございます。

いーえー、そんないちげんさんやとか、そないな偉そうなお店とちゃいますよって、

これからも、どうぞご贔屓に」



これぐらい、すぐわかることですよね、こういう感性がわからん人は、京都人のことなんかわからんのですよ、とでも言いたげなぐらい、

京都文化を全面肯定してるところは、いっそ小気味よくもある。



そのものの良さがわかる人にだけ、わかってもらえればいい。

そういうようにも見える価値観は、潔くもあり、気高くも見える。

ほんとうは、いろんな物事がそうあってもいいのかも。


同じ日本の中の、別の価値観を、垣間見ることができて、

感じるところにある本でした。


イケズの構造 (新潮文庫)
入江 敦彦
新潮社
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