『羊の木』
山上たつひこさんといえば、『がきデカ』 で、いがらしみきおさんといえば『ぼのぼの』で超有名なギャグ漫画家です。
そういえばギャグ漫画家は一世を風靡するギャグ漫画を出し尽くすと、精魂尽き果てて、それ以降一線から去ってしまわざるを得なくなるという話を聞いたことがあります。
確かに長期にわたってギャグを生み出し続けているギャグ漫画家は少ないかな?
そんなギャグ漫画家の中でも超弩級のヒット作を生み出した後、かたや山上さんは小説家に転向し、
いがらしみきおさんはつい最近『アイ』という人間の本質をえぐる不気味な漫画を発表している。
そんな2人がタッグを組んだと言われると漫画愛好家としてはどうしても読みたくなる一冊です。
この漫画はなんと元凶悪犯受刑者11人を秘密裏に受け入れた北陸の名も無き町に起こった事件を描く作品なのです。
いがらしみきおさんの『アイ』( http://amzn.to/2grJUxP )を読むとわかるんですが、
彼の最近の作品はかなりキテる。あのぼのぼの画でものスゴい不気味な世界を描くんですよね。
あれは一人読んでると、正直言ってちょっと背中が寒くなる系の作品です。
そのノリで、山上たつひこさんの不気味な世界観を描きまくる。
しかもあろうことに、この町で毎年行われる「のろろ祭り」という祭りが不気味すぎる!(笑) 怖い! やばい!
不気味な魚のかぶりものを被った「のろろ」は刃物を持っていても咎められないという。
この刃物が包丁の柄の部分を外した刃だけの代物。
こんなの元凶悪犯受刑者が沢山きたばっかりの町で繰り広げられるってだけで読者は不気味なものを感じるはずだって感じですが、
そんな偏見を持っている読者の心理を作者は巧みに誘導しまくる!
思わず背筋が寒くなる作品です。
