her / 世界でひとつの彼女 | きゅーの思い出。

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「her / 世界でひとつの彼女」


監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン(※声の出演のみ)、エイミー・アダムス、ルーニ・マーラ、オリヴィア・ワイルド、クリス・プラット、他

<あらすじ>
近未来のロサンゼルスで、セオドアは相手に代わって思いのたけを手紙にしたためる代筆ライターをしていた。長きにわたり共に生活をしてきた妻キャサリンと別れ、悲嘆に暮れていた彼はある日、人工知能型OSサマンサと出会う。次第にセオドアは声だけで実態のない彼女の魅力のとりことなり…。

<感想>
前記事の「トランセンデンス」に続き、またしても人工知能モノです。今作は「人工知能と人間は恋愛できるか?」がテーマでした。今までロボットとの恋愛モノはあったような気がしますが、声のみで実態のない人工知能とのラブストーリーは新しいかも?。

とても不思議な映画でした。「トランセンデンス」を先に見ていたために、色々比較してみることもできました。
トランセンデンス」のウィルジョニー・デップ)も本作の人工知能であるサマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン)も、元となるデータは生身の人間から回収されたものですが、そのデータから再現できるのはあくまでもその人の「習性」であったり「声」であったりで、本当に人工知能から「感情が芽生えているか」はビミョーなところなんです。(と、私は思います)


特にサマンサは、自分自身(=人工知能自身)が本当に感情を持っているかのように、「嬉しい」だとか「悲しい」だとか「腹が立つ」など、感情を表す言葉をどんどん使っていきます。
しかしその感情を本当にサマンサが感じているのかというと、それはやはり違うんじゃないかと思うんです。だって「サマンサ」なんて名前があっても所詮「コンピュータ」なわけです。それに人間の気持ちって計算とか記憶するだけじゃ再現できない、とても複雑なものですし。


ネタバレになってしまいますが、結局主人公とサマンサの恋は終わりを迎えます。その原因になるサマンサのある行動(といっても彼女に体はないのですが…)と彼女の理念に、もう私はついていけませんでしたwきっと主人公もそうだったのでしょう。

サマンサ役のスカヨハ姐さんは声だけでもさすがの存在感を放っていました。すこしかすれ気味の低めの声は、サマンサが人工知能であることを忘れさせ、とても魅力的に感じました。


が、逆に「スカヨハ姐さんのカラー」が色濃く出てしまい、どうしてもお顔が浮かんでしまって…サマンサはあくまでも「姿かたちなき存在」なので、有名女優を起用してしまうとどうしてもイメージが浮かんでしまうのが致命的だったと思います。
同じくらい魅力的な声の持ち主且つ無名女優がいればなぁ…。