皆さまこんばんは
アクションとホラーをこよなく愛する自他共に認める映画フリーク、いわしでございます。
私がこれまでみてきた作品や情報をもとに独自の目線と観点で好き勝手に論じていきます『いわしの映画独論』シリーズ。第36回めとなります。

今回はいまだ香港アクション映画界で強い影響力をもつジャッキー・チェン
その輝かしすぎる活躍ゆえに起こっている香港アクション界におけるネクストジャッキー問題について独自の考察と観点から論じさせていただこうと思います。

その前に。ジャッキー・チェン自体はデビュー当初はブルース・リーの死後ということで次のブルース・リー候補の一人として挙げられてきたことはこれまでにも述べてきましたが、結果としてブルース・リーと同じ路線でブレイクすることはなく、当時業界の流れであったコメディ路線にカンフーを合わせたリーとは全く違った路線でチャンスを掴み、スタントマン出身という所から危険を省みない極限の身体能力の駆使したアクションを追加することで天下を取りました。

以降その路線は誰も真似ることはできず、香港だけでなくハリウッドでもその超人的なアクションは認められ、唯一無二の存在となったわけでした。

時代は流れアクションの本流は香港からタイ、そしてアジア、ハリウッドへと流れ、アクションもCGで補填できる時代になり、もはやジャッキーの後継者問題はそこまで騒がれなくなりました。
それでも枯渇しつつある生粋の香港アクション界を何とかしようと70歳を間近に控えるジャッキーは今でも香港アクション界を牽引する若手俳優発掘に余念がありません。

近年の出演作品でも自分の名前を踏み台にしても輝いてもらおうと世界各国から原石を探しては共演させ、ネームバリューを使ってでも売り込む姿勢を見せますが、彼を継ぐようなスター性をもつ者は現れていないのが現状です。

今では他の作品をみてアクションがすごい俳優を発見すると勝手に後継者に任命したりするなどはた迷惑な感じにも受け取られがちですが、ウー・ジントニー・ジャーなどもジャッキーに認められた確かな実力をもつアクションスターに間違いありません。

そんな焼け石に水の現在の後継者問題ですが、幾度か香港アクション界では『ネクストジャッキー』の動きが過熱した時期がありました。
その最初が90年代初め頃。
ジャッキー作品はヒットはするもののいわゆる作品自体の爆発力がなくなり始めた辺り。
香港芸能界では『香港四天王』と呼ばれるスターが注目を集め始めていました。
いずれもジャッキー同様に歌手として優れ、俳優としても有名な方々。さらにそこにジャッキー自ら後継者候補として推した人物。この時期『ネクストジャッキー』は初めて注目株となりました。

その面子はというと
まずはこの方、四天王でも『歌神』といわれた
『ジャッキー・チュン』


でございます。
一時期ジャッキーと同じ芸能事務所に所属していた際にジャッキーが自分に似ているからという理由で名付けられたスターですが、香港では数々のヒット曲をもつ一方で時代劇やノワール系アクション作品に出演しております。本人のキャラクターの影響か際立つアクションポテンシャルはあまりないものの演技賞を受賞しており、現在もいぶし銀の魅力で活躍している俳優ですね。

続いて紹介するのがこちら。
ワイルドな風貌とアグレッシブな肢体が魅力の
『アーロン・クオック』


でございます。
ダンサー出身の彼は四天王でも『舞王』と呼ばれ、パラパラを取り入れて香港で一大ブームを引き起こしたり、歌手としても爆風スランプのナンバーをリメイクするなど話題性もありました。
元ダンサーという資質からアクションへの目覚めもよく、『風雲』シリーズをはじめ数々のアクション作品で見事なマーシャルアーツやワイヤーアクションをみせるなど現代アクションやノワール系を中心に今も活躍を続けています。
彼もまた数々の映画賞を受賞しており、『SPY-N』で共演した藤原紀香と熱愛報道が流れるなどイケメンな彼らしいエピソードも数々あります。


次に紹介するのは四天王随一の甘いマスクで人気を博した
『レオン・ライ』


でございます。
19歳でイギリス留学から帰国後、俳優養成所に入るも歌手としてデビュー。その甘いマスクと歌声で瞬く間に人気者となり、なおかつ華麗なアクションもできる万能さ。
その貴公子風な佇まいそのままでジャッキーの『シティハンター』では謎のイケメンギャンブラーに扮して日本でも注目を浴びました。
渋さがました近年でも『孫文の義士団』では命を懸ける最強のカンフー達人役を熱演し、その貫禄かつ華麗なカンフーアクションは流石の一言。一時期現役から離れていましたが、時代劇アクションを中心に今も活躍を続けています。


そして四天王とりを務めるのが、いまや香港映画界の重鎮の一人でもある
『アンディ・ラウ』


でございます。
子役から活動しており、若手の頃は数々のアクション作品に出演して現場叩き上げのマーシャルアーツアクションを体得。数々の作品でその身体能力と優れた格闘能力をいかしたアクションを披露しております。85年からは歌手としても活動をはじめ数々のヒット曲を量産。達筆ぶりから書道家としても知られています。
経歴上からすると最もジャッキーに近い感じですが、アンディは主に当時流行の香港ノワールアクションで台頭し、独自の路線を見出だしていきました。
四天王内でもそのハンサムぶりはレオン・ライと人気を二分するほどで、日本作品にも縁が深く、常盤貴子と共演するなど四天王のなかでは日本で最も人気があったのではないでしょうか?

そして彼ら四人と共にジャッキー自らが自分の後継者候補として推していたのが
『イーキン・チェン』


でございます。
三人組アイドルユニットとして活動後ソロになるとたちまちブレイクし、俳優へ転向。
香港ニューウェーブ作品の代表格『古感仔』シリーズで人気を獲得すると、そのワイルドかつセクシーな長髪を振り乱しての華麗なマーシャルアーツアクションでアイドル路線とは違う本格派のアクションスター路線を模索。この頃にジャッキーに注目されたものと思われます。
彼もまた当時の香港アクション界の流行であったサスペンスものやノワール系に多く主演し、『東京攻略』『カムイ外伝』などでは日本との合作で注目を集めました。
近年ではコメディエンヌな役どころにもチャレンジして新境地をみせるなど単なるイケメン俳優とは違う方向性をみせています。


いかがでしょうか?
彼ら5人は同じ時期、ジャッキーの次を担うスターとして注目されたのですが、結局のところジャッキーを越えた印象は与えきれませんでした。
それは底知れぬジャッキーの人気もさることながら、大先輩たるジャッキーの絶大な影響力は当時一番人気だったアンディ・ラウさえ頭を垂れるしかなかったのかもしれません。
この頃はそれでなくてもサモハンユン・ピョウらがまだ現役で動きまくっていたので、そこと比べられては一般的なアクションができるていどではアクションスターとして活躍するにはリスクが大きすぎたのかもしれませんね。

その後大きな『ネクストジャッキー』の動きはその数年後ある作品を関係としたことでまた過熱するのですがそれはまた次回以降で取り上げたいと思います。

今回の独論はここまで。
また次回もお楽しみに(^_^)/

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