エルム街での謎の連続殺人事件から5年後。
事件以来空き家となっていたナンシーの家にウェルプス家が引っ越してきた。

破格の安値でつられててきた一家であったがその家は窓に鉄格子がはめてあり、閉めきった部屋は冷房がきかないなど物々しい空気感が漂っていた。その夜、一家の長男ジェシーは鉄の爪をはめた不気味な男による悪夢に苛まれ始める。

得たいのしれぬ悪夢に夜毎うなされるジェシー。転校して間もない彼の様子に家族は不安げな表情を浮かべる。

転校してきたジェシーはクラスメイトのリサと親しくなり、一緒に登校。そしてケンカがもとでロンとも親友となるのだが、ジェシーは悪夢のことを彼に話すとこの家の前の持ち主であった家族の顛末を話し始める。
前の持ち主であったナンシーの一家はその後気が狂って行方不明になったらしい。
ジェシーは窓に鉄格子がはまっていた理由を理解したものの、それが悪夢によるものとは考えていなかった。

その夜、再び鉄の爪をはめた不気味な男は夢に現れ、ジェシーに向かって『お前と俺は一つになる』と告げると頭皮を剥ぎ、自分の脳みそをみせて高笑いする。

絶叫して起きるジェシー。
そんな彼を心配した両親は医者に彼をみせようとするが、ジェシーは余計な心配をされることを嫌い断るのだった。

その後もジェシーは悪夢に苛まれ、ある時は蛇に首を巻かれる夢をみ、現実にもその蛇が首に巻き付いていることに気づくなど夢と現実との境が曖昧になりジェシーを混乱させていく。
そんな中で唯一の心の拠り所は彼女となったリサの存在であった。
睡眠不足で悩む中彼は彼女と部屋の片付けの最中に、棚の奥から古ぼけた日記を発見する。

その内容は前の住人であるナンシーのものでそこには自身と同じように悪夢に悩まされ、そして不気味な男フレディーとの戦いと彼の残忍さが記されていた。
その夜夢遊病のようにバーに入った彼は彼が通う体育教師に飲酒が見つかり、それをネタに犯されそうなるのだがその時無意識のうちにフレディーを具現化させ現れた鉄の爪で惨殺してしまう。

翌日、ジェシーは自分のみた夢の通りの最期を先生が遂げたことを知り狼狽する。

日記を手に取った彼は両親にナンシーたちが発狂し、母親が居間で自殺していたことを指摘するのだが、両親はその事については全く相手にしようとしてくれていなかった。

それ以降もフレディーは悪夢を糧に徐々にジェシーを肉体的にも精神的にも支配していく。

彼の様子を心配した恋人リサは家族のパーティーにジェシーを誘う。
愛の確認をする二人だったがジェシーはフレディが自分を乗っ取り変身してこようとしているのを感じ、友人ロンの部屋に潜り込む。

ロンに自身の監視を頼むジェシー。だがそこで異変がおこり、ついにフレディはジェシーの肉体を食い破って復活する。手始めにロンを惨殺した彼はリサの家に乱入。
パーティーで盛り上がる会場は錯乱するジェシーに大騒ぎとなりその中でフレディは参加者を次々に鉄の爪の餌食にしていく。

散々暴れまわったフレディは自身の住処であった廃工場へと消えていく。
残されたリサは彼を取り戻すためフレディーの呪縛から救う為に一人彼の廃工場へと向かう。
リサを命を懸けた想いはフレディに通じるのか?そしてジェシーの運命は?

前作のヒットを受け作られた続編。
主人公を高校生の男の子に変えるなど当時では斬新な設定といわれていた。

前作では単なる夢を使った殺人鬼であったが、続編となる本作から徐々にフレディの殺し以外の目的が見え始めてくる。
後に基軸となる設定なのだが、フレディは現世への復活が悲願というのが新しく作られた要素ということだろう。

殺人シーンについては夢の中での殺害というシチュエーションが曖昧になり、クライマックスのパーティー会場乱入においては実体化してパーティーで楽しむ男女に襲いかかるなど、前作で丹念に作り上げていた心理的恐怖の描写は少なくなってしまっている。その代わり豊富な資金を使ってのフレディの変身やクリーチャーなどのグロテスク度がアップ

特にラスト近くのジェシーの腹から食い破って出てくるフレディや廃工場に現れるフレディの顔をした人面犬などは本編屈指の恐怖シーン。直接的な血しぶきの描写こそ少ないもののそれを凌駕する不気味なシーンは満載である。

またフレディの描写において前作のように指や腹を裂いてみけるなど生理的嫌悪感を催す自虐的シーンも抑えられ、ジェイソンみたいな殺人モンスター的設定となってしまった。
それでも後のシリーズと比べればまだまだ本編のフレディーはシリアスな方である。あの金属を引っ掻くキィキィ音も健在である。

実は美少女が少ない、恐怖描写が減っているなど全シリーズの中でも色々と評価が悪い本編。ただ改めて見ると真っ直ぐに信じる愛を描いた青春ラブロマンスホラーとしても見れるわけで、意外に再評価できる作品ではないだろうか。

残酷度…★★★

評価…★★★
(続編というよりはスビンオフのような空気感の作品。この辺りからフレディもよくしゃべるように(^^;)

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