皆さんこんばんは。
アクションとホラーをこよなく愛する映画フリークいわしでございます。
2023年明けましておめでとうございます。今年もこのマニアのマニアによる個人的観点によるアクション・ホラー独論シリーズをよろしくお願いします。
最近YouTubeとかでもアクションスターの考察とかアクションシーンの解説といったマニア向けな動画が増えてきまして、そういった方とも何かしら接する機会があればと思っております。マニア度ならまぁ負けないですからね(笑)
それはさておきこの独論シリーズも開始から2年を経過し3年目に突入しようとしております。回数も今回で35回目を数え、自分でもよくネタがあるなぁと我ながら感心しているところ(笑)
そんなとこで今年最初の独論ネタとして取り上げるのは日本が誇るワールドワイドなキャラクター『ニンジャ』について。
今や世界各国のアクション映画に登場するニンジャですが、意外にもこのキャラクター、掘り下げていくと各国においてその描かれ方が違います。
今回はその中でもハリウッド編としてハリウッド映画におけるニンジャの描かれ方とその作品を紹介していきたいと思います。
現在でもアクションジャンルのひとつとして作品が作られているニンジャもの。
近年ではゲームの世界などにも影響を与えるなどアメリカにおいては深層心理に食い込むような感じで、様々な形で垣間見ることができます。
そもそも一部カルト的な日本好き、オリエンタル思考の外国人にしか知られていなかった忍者という存在がハリウッドに広まるきっかけを作ったのは公式的には日本人初の100万ドルスターとなった
『ショー・コスギ』
といわれていますが、彼はその一翼を担ったにすぎず、真の立役者はショーを抜擢し、ハリウッドのアクション映画界にニンジャというキャラクターを持ち込んだ『マイク・ストーン』という空手家兼スタントマンだったとされています。
たいそう日本好きな彼がわざわざ日本へと渡り、忍者という神秘的でかつ当時のアメリカンアクションの最先端であったスパイアクションにも似た武器=小道具を使いこなし、超人的な身体能力をもつ存在をしったとき、マイクはこれにハリウッドで当たると確信し、帰国後当時チャック・ノリスらを輩出して注目を浴びていたメナハム・ゴーラン率いるシーゾナルフィルムへと自ら企画を書き、売り出しました。
ゴーランもまたこのキャラクター性にヒットの匂いを感じたのか企画を買い取り、映画化に着手。西部劇俳優として斜陽になりつつあったフランコ・ネロを主役に迎えて作り上げたのが、あの『燃えよニンジャ』でした。
実は企画を持ち込んだマイク・ストーンが主役の予定だったのですが、ゴーランの主役向きの顔じゃないという一声が理由てわか彼はネロのスタントダブルとして起用されました。
怒るマイクをショーがなんとかなだめて作品は完成にいたった逸話があるこの作品はゴーランの目論み通り全米でカルト的なヒットを飛ばし、ニンジャの名前はアメリカ全土にしれ渡ったのでした。
ハリウッド映画で描かれるニンジャは特徴的で、その起源もマイクやショー・コスギらからもたらされた情報しかありません。
このためエンタメ性重視なハリウッド界では歴史的な背景などはほぼ描かれず、超人的なアクションしか取沙汰されません。
そのため日本人から見たら、金閣寺が東京にあったり、寺院のなかでレオタードのお姉さまがたが踊るなか居合のパフォーマンスしたりとかなりイロモノ的な要素ばかりが注目され、日本では公開を敬遠されていたのですが、アメリカでは大ヒットとなり、続編の『ニンジャ修羅の章』、『ニンジャⅢ』へと繋がっていきます。
それと共にショー・コスギもニンジャスターとしてハリウッドでブレイクしていくのですが、その固まったキャラクターに限定されるのを嫌ってか、第四弾の『デス・オブ・ザ・ニンジャ』を最後にニンジャものから訣別宣言し、現代スパイアクションものにシフトチェンジしていくのですが、鳴かず飛ばずでも高騰するコスギのギャラを尻目に作品の一般的な評価はあまり高くなく、シリーズは打ち止めとなるのでした。
しかし、ゴーランはショーが抜けたあとも残ったマイク・ストーンと話し合い、東洋の技をアメリカ人が使えたら?という設定からもうひとつの人気シリーズである『アメリカン忍者』シリーズを産み出します。
かつてのニンジャアクションにスパイやサスペンスなどの要素も加わった本作はアメリカナイズされたアクションとしてヒットし、第5弾まで作られることとなります。
このシリーズで注目を浴びたのがモデル出身の
『マイケル・ダディコフ』
でございます。
彼もまた固定キャラクターとなるのを恐れて第三弾から降板。現代アクションやコマンドアクション系に活路を見いだしましたが、ブレイクには至らずじまいでした。
ハリウッドで描かれる『ニンジャ』は特長として個々の設定でキャラクターが描かれます。
日本とは違い、いわゆる伊賀とか甲賀といった忍者のコミュニティとしての側面が描かれることは少なく、フィーチャーされるのは忍者自身の超人的な格闘能力や戦闘能力です。
したがってハリウッドのニンジャ映画は格闘シーンにおいては勧善懲悪、善と悪の一対一の一騎討ちで描かれることが多いです。
仲間として忍者同士が協力しあうことも少なくて、大抵は主人公の忍者とアメリカの刑事など現代アクションの舞台に沿ったバディ関係がメインです。
また、忍者といいながらも脈々と繋がっているマーシャルアーツアクションが主体であり、その辺りは受け皿となったメナハム・ゴーランの影響が強く影響しているものと思われます。
90年代にゴーラン率いるシーゾナルフィルムは倒産し、ニンジャ映画は衰退したかに見えましたが、その種は生き続け、アメコミなどに展開するとたちまち人気が再燃。近年もリブートされた亀忍者ミュータントタートルズやG.I.ジョーの人気キャラスネークアイズやストームシャドーらを実写化した作品が作られているのはハリウッドにおけるニンジャ人気の根強さを物語っていますね。
ハリウッド映画におけるニンジャはこれからもヒットツールとしてアクション作品には欠かすことのできない存在となることは間違いなさそうです。
それでは最後にハリウッド映画におけるオススメの『ニンジャ』作品をいくつか紹介してこの回を終えたいと思います。
まずやはり押さえておきたいのはハリウッドニンジャ映画のパイオニアである
『燃えよニンジャ』
でしょう。
この作品なくして現在までのニンジャアクションはなかったといっても過言ではありません。
本作で注目されたショー・コスギの冴え渡る格闘シーンや身体能力は見応え抜群です。
次に紹介するのがやはりシーゾナルフィルムのヒットシリーズとなった
『アメリカン忍者』
です。
オリエンタルムードの強い『ニンジャ』シリーズと違いよりハリウッドらしい荒唐無稽でエンタメ性に満ちたアクションとなった作品で、シリーズでは後に二代目アメリカン忍者まで登場するなど仮面ライダー的なヒーロー要素も加わっております。
実写化の世界からはこちら
『モータルコンバット』
です。
メディアからのニンジャ映画といえばミュータントタートルズも有名ではありますが、一大ムーブメントを起こした点でいえば、当初テレビゲームから始まり、ドラマや映画化まで発展。更に近年も再リブートされるなど20年以上も話題を提供しております。
そもそもの製作陣がこのニンジャに思い入れがあるようで、かつてのニンジャ作品からインスパイアされ、更に色鮮やかで女忍者まで出てくる多彩なキャラクターなど現代までのニンジャ映画の人気の下支えをしてきたといっても過言ではありません。
個人的には格闘色の濃い94年度版の実写もいいですが、やはり原作のキャラクターをしっかりと描いてきたリブート版が一般的にオススメですね。世界の真田広之もでてますし(笑)
そして最後に紹介しますのが
『NINJA』
です。
本作はいうなれば現在におけるニンジャアクションの最新型にして最終型といえるものでしょうか。主演に次世代スター、スコット・アドキンスを起用して、東洋と西洋とのニンジャアクション文化の隔たりを失くし、更に近代化し斬新な忍者の姿が印象的。それでいてみせるアクションは進化したマーシャルアーツと古来からのソードアクションが混在していて見事の一言。
続編では宿敵にショー・コスギの息子ケインが演じていてスコットとアクション史上に残る一騎討ちを繰り広げるのも素晴らしいですね。
いかがでしたでしょうか?
ハリウッドにおけるニンジャの描き方はなかなか興味深いものがありました。
そして他のアクション大国、香港・中国、そして発祥地日本ではどのような描き方をされているのかは次回以降の独論で。
それではまた次のネタでお会いしましょう(^-^)/
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