大ヒットとなった前作から新たに始動した最終サーガシリーズ第1弾となるシリーズ通算8作目となるアクション作品。

キューバ・ハバナでハネムーン代わりのバカンスを過ごしていたドミニクとレティ。
高利貸しをしている自称キューバ最速のストリートレーサー、ラルドに絡まれていた甥を助けるため、改造した車によるドラッグレースを繰り広げ炎に包まれながら勝利をおさめるなどスリリングな生活を送っていた。

そんなある日、道端で車のトラブルで立ち往生している女性を発見。
ドミニクはその修理を買ってでるが彼女は知るはずもない自身の名前を言い当てる。

サイファーと名乗るその女性はドミニクにとある依頼をもちかける。
最初から応じる気のないドミニクであったが、サイファーが取り出したスマートフォンのある画像をみせるとにわかに彼の表情は一変する。

その頃DSSを休職し、娘のサッカーチームの監督をしていたホブスにも外交保安部より極秘の任務を依頼される。
それはベルリンの反体制派の武器商人から流れたとされる破壊兵器『電磁パルス砲』の独力による奪還であった。

さっそくホブスはドミニクたちファミリーを収集しベルリンにある敵のアジトを強襲すると首尾よく電磁パルス砲を奪取するのだがそこでレティはドミニクの不穏な表情に気づく。
すると脱出し解散直後、ドミニクはホブスの車を攻撃し電磁パルス砲を強奪し、逃亡する。

ホブスは現地警察に身柄を拘束され、兵器強奪の主犯としてアメリカの刑務所に移送される。
刑務所の前にはミスター・ノーバディがおり、ホブスに新しい仕事を条件に釈放を持ちかけられるが彼はそれを拒否し刑務所行きを選択する。

彼が収監された房の向かい側には因縁のデッカードが入っていた。
口うるさく罵り会う二人。
するとノーバディの計画ですべての囚人部屋のロックが解除され看守と囚人たちの暴動で大混乱となる。
二人は襲いかかる囚人や看守を次々となぎ倒しながら外へと脱出。
思惑通りに出てきた二人をノーバディは自分の秘密基地である『ノーウェアー』へと連行していく。

そこには時同じくしてドミニクに裏切られたファミリーたちが保護されていた。
ドミニクの反乱のためにファミリーは世界的危険リストの上位にランクされたことを告げ、さらにドミニクはサイバーテロリストのサイファーと組んだことを知らされる。

ノーバディはファミリーにデッカードを加え、彼らに二人の追跡とドミニクの確保という任務を与える。
メンバーのラムジーはさっそく自身の開発した『ゴッド・アイ』でドミニクの居場所を検索するとその場所はこのノーウェアーを指していた。
次の瞬間、爆発音と共にドミニクはサイファーと共に強襲。グレネードで一同を麻痺させるとゴッド・アイを奪い去る。

ドミニクを見つめ続けるレティにサイファーは去り際にドミニクとキスをし、深い関係であることを見せつけ去っていくのだった。

一連の行動にショックを隠しきれないレティだったが、ブライアンを頼ろうとするローマンに対し、彼女はブライアンたちを巻き込むわけにはいかないと告げ、自分たちだけでドミニクを追うことを決意する。

ドミニクがファミリーを裏切りサイファーに加担している理由、それはかつての恋人であったエレナと彼女との間にできた息子を人質にとられていたことであった。
サイファーへの対抗策を封じられたドミニクは自らに選択肢はないと慟哭し、十字架の首飾りをエレナと息子が幽閉されている部屋にかける。

一方ドミニクたちを追うファミリーは彼らがゴーストフライトを用いて移動していること、そしてサイファーの次の狙いがニューヨークにあることを突き止める。
ノーバディが作った新基地に移動したファミリーは彼らの計画を阻止するべく準備を進める

サイファーにより任務を任されたドミニクはニューヨークに潜伏すると突如エンジンの調子をみたいと告げる。サイファーは5分の猶予を与えるとその間にドミニクはデッカードやオーウェンの母親であるマクダーレンに協力を求める。

任務に戻ったドミニクはロシアの国防大臣の車列に向かい、サイファーはハッキングを利用して半径3㎞以内の車両を操り、警護車の排除と大臣の乗る車の足止めを図る。
大臣の車を追い詰めたドミニクは大臣に核ミサイルのコードを渡すよう脅し、これを手にいれる。
だが、そこに警察無線を使って動きを察知したファミリーが立ちふさがる。

逃走を図るドミニク。
ファミリーは激しく追跡するが、リトル・ノーバディが罠にかかりその隙をついてドミニクは逃走。
それでもファミリーはケーブルを使ってドミニクの車を足止めさせるが高馬力の車両とドミニクの機転で脱出。
単身逃げるドミニクをデッカードが追うがホブスの目の前でデッカードはドミニクに撃たれてしまう。

その後レティが自分を撃つことはできないドミニクからケースを奪おうとするが待ち構えていたサイファーの部下ローズに銃口を突きつけられケースはサイファーの手に落ちてしまう。

基地に戻るとデッカードは助からなかった知らせを受け、ホブスは悔しがる。
そしてローズの情報から彼がかつてオーウェン・ショウの部下であり、ゴッド・アイ強奪の指名手配犯ジャカンディと繋がっていたことを知る。
ドミニクはサイファーの計画を二度潰しており、更に彼らの次なる計画がロシアのウラビトンの海軍基地で遂行されることを掴む。
その基地は分離主義者のテロリストたちに乗っ取られていた。

アジトに戻ったドミニクはニューヨークでの責任を問われ、その報復として目の前でエレナを射殺される。
自分の望みが『支配力』と嘯くサイファーに対し怒りを滲ませるドミニクは息子の存在がなければ無事では済まさないと憤るのだった。

ウラビトンに渡ったドミニクは最新のアイスチャージャーと電磁パルス砲を使い、海軍基地内に侵入、そこに眠っている巨大潜水艦をサイファーに乗っ取らせると自身は武装勢力の反撃を受けつつも脱出し、ローズと合流する。
一方でサイファーの狙いが潜水艦であることを掴んだファミリーはこれを止めるために総出で潜水艦の発進を阻止しようとする。
リトル・ノーバディの活躍で核ミサイルの発射チップを抜き、ミサイルの発射を阻止することに成功するが、サイファーの介入によって潜水艦は発進してしまう。

ファミリーは潜水艦が海洋に出ることを阻止するため、激しい武装勢力の追撃を受けながら南西にある海中ゲートを目指す。

ローズと合流したドミニクは静かにある知らせを待っていた。
そして遂にドミニクのもとにその合図が知らされる。
ドミニクはファミリーを狙撃しようとしていたローズに攻撃を加えエレナの仇を取ると、サイファーに『ハネムーンを邪魔したお前の敗けだ』といい放ちファミリーを助けに向かう。

ドミニクが待っていたものそれは死んだはずのデッカードとオーウェンによるゴーストフライト機からのドミニクの息子の奪還であった。
逆上したサイファーは潜水艦を浮上させ、武装勢力もろともファミリーの皆殺しを狙う。

果たしてドミニクたちファミリーはサイファーの野望を打ち砕くことができるのか…

最新作の公開も好評な人気アクションシリーズ第8弾。

もうひとりの主人公であったポール・ウォーカーの突然の逝去から数年。
新たにシリーズ最終章となるサーガシリーズの第一弾として製作されたのが本作品である。

ハリウッドらしい豊富な資金と規格外のガジェットによるド派手なアクションが売りのなか、最近はそれぞれの格闘色も濃く描き始めていた本シリーズ。
今回の目玉は主人公の闇落ちという展開で終盤まで力技で持っていっている。

冒頭からロケットエンジン装着の車で火だるまになりながらのドラッグレースでつかみはオッケーで、こと本作においてはその清々しいまでに名車がド派手に破壊されまくるのが肝。
中盤でのニューヨーク市街で繰り広げられるハッキングされた無人の車が集団で走りまくり、空から降り注いでくる『ゾンビカー』は圧巻の一言であろう。

クライマックスでは氷上を爆走する追撃戦でなんと巨大潜水艦までもがチェイスに参戦し、そのド派手なガジェットによる絵柄はいい意味でハリウッドらしい大味な、例えるなら規格外の肉の分厚さのジューシーなハンバーガーを食べているような感じ。
繊細さはないがインパクトで乗り切っている。

前作までは格闘路線もあったシリーズであったが、本作では主人公が敵方に入り、さらにラスボスがシャリーズ・セロンただひとりで武闘派ではないので実質出番は減少。
見せる人物がロック様とジェイソン・ステイサムしかおらず、ステイサムは意外に出番がおさえられているので格闘アクションにおいては不満が残るところ。

それでも前半の刑務所内の乱闘ではパルクールも使ったステイサムの格闘のキレは素晴らしく、もっと活用してくれなかったのだろうかと個人的には感じてしまう。
唯一無二の女武闘派のミシェル・ロドリゲスは今回遂に性別を越えて巨漢のロシア兵とガチンコ。ただこれも力の差があって不完全燃焼感は否めない。

元の路線に戻った感じでカーアクションに思い入れのあるファンには迫力あるシーン満載で満足のいく感じだとは思うが、裏エクスペンダブルス的楽しみ方である格闘アクションにおいてはちょっと残念な感じに思える作品。

サウンドトラックのカッコよさは相変わらずなのでご機嫌な音楽に包まれながらポップコーン片手になにも考えず楽しむのが一番本作を満喫する楽しみ方なのかもしれない。

評価…★★★
(派手なクラッシュとカーアクション好きなら大満足。格闘シーンは今回は二の次か(^^;)

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