皆さんこんばんは。
アクション映画とホラーをこよなく愛する映画フリークいわしでございます。
今までの映画鑑賞の記憶と観察から独自の目線で自由に語っています『いわしの映画独論』、記念すべき20回を越えましてまた新たに自由にいきたいと思いますのでよろしくどうぞ。

さて以前私いわしの独自の目線でジャッキー・チェンの一騎討ちに関するランキングを述べさせてもらいましたが、意外に良かったので今回は第2弾としてジャッキーに続き、ハリウッドでブレイクを果たした
『ジェット・リー』
の一騎討ち格闘シーンベスト10を今回も前半後半、動画付きで解説させていただきたいと思います。

ランキングの前にジェット・リーの格闘シーンは設定上既に強いキャラクターとして描かれていることが多く、そのためかリー対多人数という『リー無双』的シーンがかなりあります。
ジャッキーと違いボロボロに血だらけになることも少なく、下手をするとセガール並みに無敵な状況なんてことも。
今回選出したシーンはそんな50以上にのぼる作品群のなかでの一騎討ちシーンのみに注目し厳選しましたので作品そのものの良さを示す他の方々のランキングとはかなり違うかも知れませんがその辺りは悪しからず。

まず第10位はこちら
『キス・オブ・ザ・ドラゴン』
でございます。


本作でリーが演じるエージェントは寡黙ながら武術の達人でさらには針を使った暗殺術にも長けているという『北斗の拳』ライクな人物。
派遣されたフランスで汚職刑事の罠にハマり殺人犯の汚名を晴らすため真犯人と繋がりをもつブリジット・フォンダ演じる娼婦と戦い奔走するストーリーです。
監督がフランスアクションの鬼才リュック・ベッソンだけあって全体的にスタイリッシュな作りでリーもことさらクールな感じに描かれています。
無双ぶりが目立つ格闘シーンが多いですがそのなかで注目はクライマックスの警察署内での戦い。
20人警察練習生との『ドラゴン怒りの鉄拳』のような道場ファイトを終えたあとの最後の関門としてリーに立ち塞がるのがラスボス、チェッキー・カリョの腹心である通称『ツインズ』と呼ばれる格闘家です。

このツインズを演じたのがパルクールの達人でフランス随一のアクションスター、シリル・ラファエリとパワー空手の達人ディディエ・アズレ
変幻自在の足技のシリルと一撃必殺のパワーのアズレのコンビネーション攻撃は閉鎖的で障害物だらけの署内の位置も相まってリーを追い込んでいきます。
シリルの速射砲のようなキックで追い込みながらアズレの2m強から繰り出される一撃はかなり見応えあるのですが、ここでもリーの冷静すぎる無双ぶりでシリルをカウンターで仕留めるとさしもの怒り狂うアズレも瞬殺されるのでした。
その迫力のシーンがこちら。



第9位はこちら
『ブラック・ダイヤモンド』
でございます。


ヒップホップアーティストDMX率いるプロの窃盗団『フェイト』が盗み出した謎の黒いダイヤモンドを巡って繰り広げられるクライムアクションです。
リーはその黒いダイヤモンドを追ってやってきた中国公安局の捜査員で単身DMXらを指揮下におきながら黒いダイヤモンド奪還を狙っています。
このダイヤの正体は作中で確認していただくとして、ダイヤを狙うリーの宿敵として現れるのがあの『クライングフリーマン』ことマーク・ダカスコス。
B級で燻っていたマークにとっては久しぶりのハリウッドアクション大作だけありそのポテンシャルを短いながらも見せております。

注目シーンはクライマックス。炎に囲まれた飛行場の片隅で行われるリー対ダカスコスの最終決戦シーン。
あくまでカウンター狙いの目立つリーに対してダカスコスはテコンドーライクの素晴らしい連続キックコンビネーションで攻め立ててきます。久しぶりにダカスコスがハイレベルな足技使いだったと再確認できる戦いです。
ダカスコスの強烈な蹴りで吹っ飛ばされたあとのリーの鬼神のごとき強さは相変わらずでこうなるとさすがに手も足も出なくなるのが残念ですが、鮮やかなダカスコスの蹴り技が冴えているということで9位にランクインです。
そのシーンがこちら。



第8位は
『ドラゴン・キングダム』
でございます。


こちらはジャッキー編でも挙げましたが、やはりジェット・リーとジャッキー・チェンの共演というのが何よりもまずインパクト大。
その上で誰もが望んでいたジャッキー大ジェットの対決という夢物語が叶った世紀の話題作でした。
ファンタジー色が濃いためワイヤーもガンガン使われてはいますが、この二人の長年の経験とポテンシャルからくるハイスピードなカンフーの応酬は昔からのカンフーファンにとってはまさに夢のひとときですね。

ちなみにアクション的にみるとジェットは元々の北派少林拳の流れを組む技が多く、ジャッキーは南派少林拳の流れを組む技が多いのが特徴です。
その代表的なムーブがジェットの蟷螂拳とジャッキーの虎形拳の応酬シーン。この二人の振り付けを担当したユエン・ウーピンはまさにこの年のベストワークをしたといっても過言ではないでしょう。
これはもう動画でみてもらった方が空気感伝わるかな



第7位はこちら。
『格闘飛龍・方世玉』
でございます。


反清復明の広東十虎の英雄、方世玉の若き頃の活躍を描いた歴史武侠アクションですが、これはリーが『ワンチャイ』の黄飛鴻に続いて挑んだ伝説の武道家シリーズです。
続編である『電光飛龍・方世玉』もかなりブッ飛んだアクション作品でクライマックスでは座頭市を意識したチャンバラをみせる佳作ですが、本作はなんといっても全体的にコメディタッチになっており、マザコンの方世玉というキャラクターがリーのコメディエンヌぶりを引き立てています。

アクション的にはリーだけでなく方の母親とのタッグアクションも楽しく、この二人でみせる『無影拳』はタコ殴りにするだけながらカンフーの達人ならではのあるあるネタをいかしたものになっていて見た目的にも楽しい作品です。

そんな中で注目はラスボスの提督を演じた趙文卓(チウ・マンチェク)との一騎討ちシーン。
本作がデビュー作となったチウはのちにリーが降板した『ワンチャイ』シリーズの黄飛鴻役を引き継ぐこととなり、ここに奇しくも新旧『黄飛鴻対決』となるのがマニア的にはなんともいえないマッチング。
クライマックスでは父の処刑を阻まんとするリーとそれを遂行しようとするチウとの激しい対決で盛り上げてくれてます。
チウ自体もリーと同じく武術チャンピオン出身であり、ここではまさに荒れ狂うような虎拳をみせ、リーを追い詰めていきます。
中盤にも対決はあるのですが、どちらかというとコミカルな中盤よりも鬼気迫る破壊と攻めをみせるクライマックスの方がリーとの武術チャンピオン同士の対決に説得力がありますね。
その迫力のシーンがこちら。



さて前半戦最後となる第6位はこの作品
『ドラゴンファイト』
でございます。


『少林寺』シリーズのヒットからしばらく暗黒時代の続いたリーが起死回生を狙ってハリウッドに最初の挑戦をした時期の作品です。
『ワンチャイ』で再ブレイクを果たすまでは結構下積みをしてきたリーはこの作品で二人目の伴侶となる美人女優ニナ・リーと出会います。
そして今では実現不可能な共演として、あのチャウ・シンチーがリーの相棒として登場し、コミカルな味を完全封印してシリアスな演技をみせ壮絶な死に様をみせています。

ストーリー的にはリー版『ブラザーフッド』みたいな感じで、雑技団からアメリカで成功するために遠征先から逃げ出した男と彼を連れ戻そうとして帰れなくなった男の友情と対決を描いたハードなものでこの逃げ出した男を追っているのがリーの役どころ。
シンチーはその残されたリーを匿う洗濯屋のどら息子ですが逃げた男が犯罪組織に入り、幹部となっていくところで犯罪に巻き込まれそれがもとでリーと男は決定的な決別となるのです。

その問題となる男を演じたのはジャッキー映画でも様々な悪役を演じてきた実力派ディック・ウェイ。
本作でも切れ味鋭い蹴り技をバッシバシ決めており、その強さはなんとリー演じる主人公が真っ当に戦えないほど。
このウェイとリーの間柄は兄弟弟子でウェイは元花形だが実力は雑技団いちの使い手のところ。

そんな本作の注目シーンはクライマックスのリーとの最後の対決シーン。
決定的な訣別となった二人は一騎討ちをはじめるもなんと珍しいことにリーが劣勢。
そこてリーはなりふり構わず武器をとってウェイに挑みようやく優位にたつことに成功します。
ここでは圧倒されるリーとウェイのヤバすぎる蹴りのラッシュがみもの。
残念ながらこの後黒幕が派遣してきた暗殺者集団によって一騎討ちは水入りとなり、共闘して空手の達人の暗殺者集団に挑むのですが、ここでウェイが倒れてしまうのが残念なところ。
唯一リーが倒しきれなかった一騎討ちシーンとしては記憶に残る作品であります。
そのシーンの完全版はこちら。



いかがでしたでしょうか?
前半戦となる5作品はこんなラインナップです。
まだリーのあの作品やあの戦いが出ていませんね。
はたまた意外な作品がでてくるかもしれません。

後半戦果たしてどんな作品のどの一騎討ちシーンが一位となるのか、また近々アップしますのでそれまで動画ウォッチのためのギガをため込んでいてくださいね(^^;

それではまた後半戦までお楽しみに(^^)/

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