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【本記事の主張】
「法人税を下げれば賃金がアップするから消費税を上げても大丈夫といふ、安倍總理大臣の豫想は“勝手ヨミ”である。」
どこからともなく、金木犀(キンモクセイ)のかをりが漂ってまゐりました。そのにほひをかぐと、わたくしの心は“秋モード”に切り換はり、アン二ュイな氣分になります。さうなると、ショパンやシューベルトの曲の出番が増えます。みなさんの“秋の定番”は、何ですか?
どうも安倍首相は、
「消費税を上げても、法人税を下げるといった經濟對策や成長戰略をおしすすめれば、企業業績が上向いて賃金が増えるから、問題はない」
とか考へてゐるやうです。が、それは“勝手ヨミ”であると申上げたい。なほ、勝手ヨミとは
「圍碁將棋などにおいて、自分がかう打てば相手が必ずかう打ってくれると思ひこんで實際に打ってみると、そのとほりに相手が反應してくれなかったとき」
を指します。
消費税が上がると、どうなるか? 國民の可處分所得が減ります。たとへば10,000圓の物を買ふとして、今は消費税が5%ですから10,500圓で濟みます。それが來年4月以降、10,800圓になる。300圓よけいに取られるわけで、そのぶん國民は他の物やサービスにお金をかけられなくなります。さういふ現象を指して、《可處分所得が減る》と言ふのです。
可處分所得が減ると、どうなるか? 國民は買ひたいものを買へなくなります。金額的に不可能になるだけでなく、いはゆる“消費マインド”も冷えこませます。
「これからは負擔ばっかり増える・・・・・・。」
と感じ、消費そのものを抑へてしまひます。かくて、國民は物理的・精神的に財布のヒモを“ギュッ”と締めるに至るのです。
國民の消費が抑制されると、どうなるか? 國内において物・サービスを提供する企業の業績が、惡化いたします。當然のなりゆきですね。買ってくれる人が少なくなれば、賣上が落ちる。猿でもわかる道理です。
企業業績が惡化してしまったときに、法人税を下げるとどうなるか? 減税分を業績惡化の穴埋めにつかひます。さうするより仕方はありません。しかも、おそらく減税分だけでは損失を補填できないでせう。このたびの増税による消費の冷えこみは、相當なものになると豫想されますから。
減税分だけでは企業業績の惡化をくひ止められないときに、あへて企業は賃金を上げようとするでせうか? 答へは言ふまでもなく、NOですね。下手をすれば、さらなる給料カットが行はれるかもしれません。
また、正社員の賃金には消費税がかかるので、企業はその方面からの出費にも惱まされます。かたや、非正規雇傭者の賃金は消費税の對象になりませんから、正社員削減の傾向がつよまるでせう。それも、賃金カットの一形態です。
つらつら考へてみると、安倍首相の、
「消費税を上げても、法人税を下げて企業の儲けを増やしてやれば賃金が上昇するから、國民の可處分所得には惡影響がない。」
といふ豫想は、紛れもない“勝手ヨミ”であります。その勝手ヨミにもとづいて増税されたのでは、たまったものではありません。
斷言します。從業員の賃金は、増えません。一方、個人の可處分所得は、確實に減ります。低所得者に現金を配るやうですが、それ以上の増税が待ってゐるのです。「みずほ総合研究所」の試算によると、年收300萬圓未滿の世帶は57,529圓も増税されます。一萬圓程度の給付では、“燒け石に水”であります。
いろいろな言ひ譯をつけて“増税をあきらめる”のは勝手です。増税や賃金カットに耐へられるだけの餘力がある人・税金を拂ふのが趣味の醉狂な人は、どうぞ御自由に。しかし、そんなゆとりはないと自覺する人に言ひたい。
「そんなふうに諦めてしまってよいのですか?」
と。
わたくしは、安倍首相の勝手ヨミと心中する氣なんぞ無いので、自分なりに聲をあげてゆくつもりです。みなさんも、御出來になる範圍でこゑをあげませう!
(終)
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