クアラルンプールの風を感じて – 週末の小さな儀式
南国の熱気を帯びた空気が、肌を優しく撫でる。マレーシア、クアラルンプールでの生活は、慌ただしくも刺激的な毎日だった。そんな一週間の終わり、週末の午後は、私にとって特別な時間だった。
目指すのは、市内にある大きな公共施設。ショッピングモールだったり、イベントスペースだったり、その時々で気分が変わるのだが、共通して惹かれる場所があった。それは、広々とした吹き抜け空間にそびえ立つ、巨大な柱のそば。
喧騒を少しだけ離れ、その柱に背を預ける。ひんやりとした感触が、火照った体に心地よい。見上げると、天井から降り注ぐ陽光が、開放的な空間を照らしている。そして、どこからともなく吹き抜ける風が、頬を優しく通り過ぎていく。
その瞬間、私は何にも縛られていない、自由な存在だと感じた。
平日のオフィスでの緊張感、言葉の壁、文化の違い…そんな日々のあれこれが、遠い世界の出来事のように感じられる。ただ、風の音、人々のざわめき、かすかに聞こえる音楽だけが、この場所に確かに存在している証。
柱に寄りかかり、目を閉じる。吹き抜ける風は、遠い故郷の風とは違うけれど、確かに私を包み込み、どこまでも連れて行ってくれるような気がした。
マレーシアの強い日差しを浴びて、少し疲れた体と心。週末の午後の、この何気ない時間こそが、私にとってのエネルギーチャージであり、明日への活力だったのだと思う。
今でも、ふとした瞬間に、クアラルンプールのあの風の感触を思い出す。それは、異国の地で感じた、かけがえのない自由の記憶。
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