大好きな山口恵以子さんの作品のシリーズの1つ。
この作品のシリーズを読むのは何回目だろう。
元占い師という異色の経歴をもつ恵が女将を務める、おでん屋が舞台。
タイトルからは、相席屋のような婚活の場を想像するのだが、常連客が恋愛の悩みを恵に相談して、恵の後押しを受けて結婚をしたり婚活をしていく1話完結のストーリーだが、シリーズ化されているので登場人物は少しずつ変化している。
今回は4人の美女がイケメン実業家を巡っての婚活ストーリー。
美女4人は自分の人生を見つめ直すと、結局は彼自身が好きというより、彼の外見や収入、高身長でイケメンの彼を伴侶にしたい、という自分の欲望がメインであったことに気づき、4人とも彼を巡る戦いから退いていく。
4人の美女のうち、30代後半の女性は、今まで肩書にしがみついていた会社を辞めて、やりたかった仕事へと転職を決意。その報告を恵にする時に言った言葉が印象的だ。
「自分の未来は自分で作ります。どんな未来であっても自分で選んだ道を歩いて行きます」
自分の選んだ道を後悔する瞬間は誰しも1度は経験したことがあるかもしれない。今とは異なる道を選んだ時につきまとう不安を払拭するには、これぐらい力強く自分を奮い立たせることも時には必要かもしれない。
最近、彼女と別れを考えている男性が言っていた言葉。
「もういい歳なのに人に頼ろうとしているところが、自立していないと思う。自立とは何か、は自分で考えるものだけど」
彼の言う自立とは何だろう。
時には人に甘えたい時もある。互いに支え合えないのなら、彼女を疎ましく思うのなら、それは確かに別れ時なのだろう。
ただの恋愛小説というより人生を考えさせられる小説。
美味しいおでんと季節料理と常連さんとのやり取りに、読んでいて心が和む。
