滑り込みで山形の天童市立美術館で開催された「描く人、安彦良和」展に行ってきました。


天童駅の食堂で食べた山菜蕎麦。天童駅は食堂や将棋の博物館、商業ビルが併設されていて便利です。


天童は温泉街として知られており、駅近くにも心惹かれる建築や施設が多く面白い街です。


駅から温泉街方面への道。天童市立美術館も駅からは徒歩20〜30分程度の温泉街近くにあります。







展示会場は撮影禁止だったので撮影可な部分のみ。


この展覧会は、アニメの絵コンテ、原画、デザイン画、小説の挿絵、ポスター、アニメ雑誌の表紙や付録の絵、そして漫画とあらゆる安彦良和先生の画業を振り返る回顧展で、印象的だったのは、安彦先生はじめサンライズが一貫して「子供や若者が否応なしに戦いに巻き込まれたらどうなるか」を描いていること。また安彦先生は学生の頃の習作の漫画から「戦いに行こうとする者を『偉くならなくてもいいから帰ってきてくれ』と引き留める」描写を繰り返し描いていました。展示キャプションによれば、安彦先生は大学時代に左翼思想に目覚め学生運動に没頭していたとのことで、習作の漫画もスペイン内戦が題材でしたが、その思想はアニメーターになっても漫画家になっても一貫しており、ムチャクチャカッコ良い戦闘シーンやアクションシーン、兵器、メカ、武器を描いていながら徹底して反戦と弱者、歴史の影に埋もれる名も無き者の物語を描いていました。それは「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でも変わらず、キャラの掘り下げでシャアとセイラを「動乱と戦いで家と故郷を失くし縁のない場所で別名で生きざるをえなかった子供」として描いているし、そこでも「戦いに行こうとする者を引き留める」シーンを描いている。



そこでふと思いましたが、ガンダムZZのOPの「アニメじゃない」は、この作品がただアニメとして描いた架空の絵物語ではなく、これは実際に現実世界で起こっていることのカリカチュアだ、という意味だったのでは。



それを考えると、安彦先生のみならず富野さんの最近のメッセージもまた一貫しているなと改めて思いました。


なんだかんだ閉館時間間際まで滞在してしまいました。美術館2階の屋外テラスには彫刻作品が展示されており、それと共に見える山の景色もまた見事でした。