天然温泉もみの木の後は、そこから阿武隈急行の岡駅まで歩き、さらに丸森まで行きました。



この薄暮の雰囲気が最高です。



山の方で雨が降っているようでしたが、ギリギリ丸森は大丈夫でした。


阿武隈急行は宮城福島を繋ぐ私鉄なのでポケモンコラボも2種類。


今日ここに来たのは、丸森町の毎年恒例のイベント「齋理幻夜(さいりげんや)」を見るため。このイベントは、丸森町にある蔵の郷土館「齋理屋敷」とその周辺で、毎年8月上旬に一夜限り開催される夏の風物詩・幻想的なお祭りで、約1,000基の手作り絵とうろうが灯され、大正時代の雰囲気を再現した街並みが彩られます。


町の中心部の入り口。昭和の商店街の雰囲気がそのまま残っている感じで雰囲気が最高です。



そしていきなり国登録有形文化財がお出迎え!旧丸森郵便局です。昭和10年(1935年)建設の木造・モルタル洋館で、現在は猫モチーフ専門のハンドメイドアート&雑貨ショップとなっています。こうして今も生きた活用のされ方をしているのは本当に理想的です。




イベント自体は夜市っぽくもあり、町内のメインストリートである商店街には出店やキッチンカーがたくさん。皆地元のお店や宮城県内で営業している方ばかりで、ご当地ならではの活気がありました。


物産館の駐車場が主な出店エリアだったのでまずはここで腹ごしらえ。




そして蔵の郷土館「齋理屋敷」の見学ですが、もう入り口から凄い。あまりに間口の幅があってどうやっても一枚の画角に入らないし、その間口の中にジェラートショップとその製造ラインが入ってまだあまりある。その佇まいからもう往時の勢いが分かりました。


こちらは入り口入ってすぐのところにある、現在は家の家宝を展示している蔵です。


もうこの朱塗りの膳の数!


1987年に7代目当主が亡くなり、その前年に屋敷丸ごと町に寄贈されたそうですが、「これだけの宝をどう扱ったらよいものか」ってそりゃ町も右往左往したでしょう。でもこうしてミュージアムとして活用されて本当に良かったです。



「お金をどう使ったらいいか分からない」「偽物と知っていて買った」、このことからもいかに富裕な豪商だったか分かります。



この梁なんか今はもう絶対作れません。この材を切り出せる大木がもうないんだから。


建具の細工も見事。


なお、この蔵の2階は若い娘やお嫁さんの部屋だったそうで、花嫁修行や嫁入り道具も展示されていました。


これだけの豪商ともなると花嫁修行も相当厳しかったとのこと。


しかし娘や嫁に蔵の2階の、そこそこの広さの部屋が与えられている時点でやはり豊かさが違ったのだと分かります。


ここはなんとお風呂場で何もかも石造り!洗面台まで石造りで石工の技能の高さが伺えましたが、いかんせん総石造りは寒かったようで、秋冬は夜の入浴のため午前中から準備して全体を温めていたとか。確かに木造のように湿気で腐らないからいいっちゃいいんですが、使用人は大変だったでしょうね。




母屋の座敷では寄席が行われていました。


こちらが「幻夜」を彩る絵灯ろう。地元の子供達が絵を描いたそうです。






こちらは母屋とは別にある新館。昔の金持ちは日本建築の母屋とは別に敷地内に洋館を建て、もっぱら日常生活はそこで送っていたとか。まやけっとの会場だった岩手県一関市の酒のくら交流会施設もそうだし、映画「風立ちぬ」で描かれた日常パートがまさにそうでした。







この新館もイベントスペースとして活用されていました。



あと、外の庭園内に「どう考えても野外ステージだったのでは」という構造の箇所があり、実際に今回もバックの蔵の壁にプロジェクションマッピングをしたりこの前でライブをしたりとショウ&ステージとして使用していました。あと地元のアナウンサーが司会進行をしていたのですが「最後のダンポさん(地元の言葉で旦那様の意味)はハーレーダビッドソンが好きで…」とその家や家族、地元の歴史を紹介していたのが面白かったです。またそのアメリカ文化が好きだった最後の当主の趣味嗜好を反映してかR&Bシンガーのライブが行われていました。





なお、齋理屋敷だけでなく丸森町のメインストリートにも趣のある建物が多く良い雰囲気でした。


祭の屋台メシも堪能。これは丸森コロッケ。


…と、主に齋理屋敷を見学したくて初めて参加しましたが、イベント自体が非常に面白く、思いがけず夏祭り気分も味わえました。しかしこうして夜間の特別イベントに参加すると「では明るい日中はどうだろうか?」と今度はイベント以外の日中の日常風景も見てみたくなってきます。だいたい見学は明るい日の方が隅々まで見えて良いし。ということで絶対また丸森町に再訪したいです。



なお、阿武隈急行はキャッシュレス決済対応で無人駅でもクレカやバーコード決済が利用可能なので便利です。