仙台駅前のLAOX撤退後の空き店舗物件で開催されている「全スーパー戦隊展」に行ってきました。結論から言って今年行った展覧会の中で1、2位を争う充実した展示内容でした。
この催しは、歴代スーパー戦隊ヒーローシリーズの衣装、プロップ、着ぐるみ、設定画、写真など様々な資料を展示するもの。東京を皮切りに全国の地方都市にて巡回展示されます。
会場内は一部撮影不可のところもあったのですが、撮影可のところだけでもうこのボリューム!
こうして見ると、昔の特撮の現場には明らかに正規の美術教育を受けたであろう人材がいたことが如実に分かりました。特に「悪」側のデザインに顕著。
太陽戦隊サンバルカンのペッタンモンガーの仮面。この色使いの見事さ!ムンクの「叫び」の影響が感じられます。
ジャンクパーツの組み合わせが最高!
へドリアン女王のウィッグ。おそらく70年代までのブラックパワー、ブラックイズビューティフルの時代のスタイルからの影響が窺えます。
デスギラー将軍の兜の造型がかなりリアルな頭蓋骨。
科学戦隊ダイナマンのダークナイトのマスク。隻眼だから最初から右側のゴーグル部分がない。
大帝ラー・デウスの仮面。なんかジュサブローっぽい雰囲気。しかし古代エジプトの最高神と古代ギリシャの最高神の名をどちらも併せ持つって凄いネーミングです。
透明フードの二重構造がシャレオツ。ポリカーボネイトをカシメ金具で留めてますね。
それにしてもデザインに関しては雨宮慶太監督の参加時から明らかにレベルが上がっています。とにかくオシャレ。
バルブ、ボルト、配管、鉄柵を衣装に落とし込む工夫よ。スチームパンク感もあり。
普通にゴスロリ服でいけるのでは?というか普通に原宿にいる。
あと韮澤靖さんらクリーチャーデザインのスターが参画したあたりからも一気に悪側のデザインがレベルアップというか新たな時代に入った感があります。透明パーツの使用、左右非対称、人間の体型ではないフォルムなどなど。もう子供向けのレベルではないスタイリッシュさです。
よく見ると雑魚兵のデザインも良いんですよね。この歯と歯茎が見えているデザインはおそらくギーガーのエイリアンだと思いますが、もう定番化してちいかわの鎧さんにも継承されていると思います。
もうこれ津軽塗りがモチーフですよね。
デザイン画に至っては初期の頃からぶっ飛んでいてスタイリッシュ。
御用提灯を怪人にするという発想がもうすごい。武器がさすまたなのがまたバッチリ。
もうこれファッションショーのイメージ画でしょう。カッコ良過ぎる。
もう前衛芸術かと。
こうして見ると、やっぱり初期から美術・造型部門に確実に美術教育を受けた人材が多かったことが分かります。西洋美術、特にシュールレアリズムやダダイズム、現代美術に通じるものがありますから。
そして圧巻なのがロボット合体までの各メカのミニチュア!もう塗装のウェザリングなのか操演で自然に付いた汚れなのか分からない!でもそれがいい!
須賀川特撮アーカイブセンターにもいつか行ってみたいです。
どれもディティールも塗装も完璧で本当に勉強になりました。
歴代巨大ロボのデザイン画。こうして一覧で見ると時代ごとの変遷が如実に分かります。
すげえディティール。平成令和になるとデザイン画ももうフルデジタルになります。
マイクラからの影響が分かって本当にその時々の時代のトレンドを反映してるんだなと分かります。
城郭と折り紙を足してロボットにするって何を食ってりゃ思いつくんでしょうか。そして完全に調和して完成しているのがすごい。
スーパー戦隊自体がそうですが、もう創意工夫の塊。これを毎年やってたなんて改めてすごいことだったのだと気付かされました。
で!この時期の仙台開催の独自企画がありました。なぜなら会期がクリスマスにかぶっていたから!つまり…
サモーンが登場!
クリスマスツリーのオーナメントも鮭!
大人気
かわいい〜!と大声援で本当に老若男女に大人気で、写真撮影のためにいくつもポーズをとってくれてました。よく見てみたら明らかにスーツが真新しかったので、この仙台開催での登場に合わせて新しくスーツを作り起こしたのかもしれません。放送が終わった後もこんなに愛される一般悪役モンスターなんて前代未聞です。しかもよくみてみたら骨と卵が露出して身が切られてるデザインなのに。今回の登場をご縁に仙台の海鮮系の店や水産会社、食品会社等とタイアップでもすればいいと思います。仙台名物にはらこ飯もあることだし。
イベント用の昭和の巨大ロボのプロップ。よくこの状態で残ってたもんです。もはや分割遺産。
そして最後に…
色彩の洪水
見たところ撮影用ではなくショー用のスーツとマスクのようでしたが、それでも圧巻です。
サンバルカンの緑青を吹いた真鍮のような装飾の塗装が渋い。
あとゴーグルファイブのゴーグル周りの装飾もエレガント。1人1人デザインが異なるのも細かいです。
しかしドンブラザーズは突出して“異形”ですね。
あと最後の最後にアキバレンジャーまで展示されていたのがサプライズでした。またコピー用紙にマジックでキャプションを殴り書きして事務机にただ置いているテキトー感が“っぽい”ですね。
じっくり見ていたらあっという間に4時間経っていました。もう上野で大型美術展を鑑賞するのと同じくらいの時間とエネルギーを使いました。特撮を普段見ないという人もデザインや造型、キャラクターのコンセプトなど学びになるポイントが多く絶対に楽しめると思うのでオススメです。
しかし改めて、この熱量のシリーズが数十年続いたこと、それが終わるという現実にいろんな意味でしみじみしてしまいました。果たしてスーパー戦隊が復活する未来が来るのだろうか…











































































































