表紙のデザインはだいたい同じ。
本書「宇宙の歩き方」は、見てのとおり海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」シリーズを模したパロディ本といったレイアウトデザインになっています。海外コンテンツの日本独自アレンジについては賛否両論ありますが、これに関しては私は「賛」です。上手い、実に本書の特長を生かした日本独自の企画本になっています。
何が凄いって、表紙だけでなく中のページも徹頭徹尾「地球の歩き方」のようなレイアウトデザインになっていること。紹介されているスポット(?)は当然架空の場所なのですが、本当に読者がそこに旅行に行く前提でその特長が紹介されていて、コミックを読んだり映画を見たりするのとはまた違った疑似体験ができます。
あと面白いのは、「旅行本」というフォーマットで紹介されることにより、そのスポットが何をモチーフに設定され作り込まれたのかが分かってくるところ。たとえば上の「クリー帝国」は古代ギリシアの都市国家の一つで軍事強国だったスパルタだし、シーアー帝国は「パクス・ロマーナ」の時期のローマ帝国だし…
この「スパルタクス」の元ネタは、名前からも分かるとおり「スパルタクスの反乱」の剣奴スパルタクス。もしスパルタクスの反乱が瓦解せずにローマ帝国からの脱出が成功し、脱出した剣奴たちが自分たちの新しい国を建国できたら…という想像で作られたのかもしれません。
なお、これは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のPRも兼ねて出版された企画本なので、ページのあちこちに登場キャラが手書きで書き加えたような文章が挿入されているのですが、そこから各キャラの性格が垣間見えてこれまた面白いです。この映画はやたらとキャラが立った作品なので、こういうキャラごとの性格や設定が伺い知れる構成も”キャラ萌え”作品のPRとして上手く機能していると思います。