本日、せんだいメディアテーク2階にて開催されたピッチ(?)イベント「シネバトル わたしのイチ押し映画はコレよ!グランドチャンピオン大会」を見に行ってきました。
このイベントは、自分のイチ押しの映画を3分以内でプレゼンし、その後また3分限定で他の来場者からの質疑応答を受け付けるというもの。まさにピッチイベントそのまんまな形式です。もともとせんだいメディアテークでは定期的に決められたテーマに沿って自分の好きな映画を他の人にプレゼンする「シネバトル」が開催されており、年末に各回の優勝者が年間チャンピオンの座をかけてプレゼンバトルを行う「グランドチャンピオン大会」が開催されているそうで、昨年初めて見て非常に面白かったので、今年も一般来場者として参加しチャンピオンを決める投票にも参加してきました。
それにしてもせんだいメディアテークのDVDのラインナップの懐の深さよ。
まあバック・トゥ・ザ・フューチャーとイリュージョニストは分かりますよ。一般的な評価も高いし。それにしても…
これらは全て過去の「シネバトル」にてプレゼンされた作品とのこと。プレゼンされたから後に収蔵されたのか?それとも元々あったのかは分かりませんが、これらが無料で貸し出されている公共図書館って最高ですね。
こちらはプレゼン風景。ちょうど窓から光のページェントのイルミネーションが見えて最高の配置です。
プレゼンされた映画は新作・旧作、ジャンル全てバラバラで、プレゼンする人の属性も見事にバラバラ。老若男女いい感じにばらけていて非常にバランスの良いイベントだと感じました。ぜんぜん知らない人のプレゼンを聞いて「それ私も観た!」と共感を覚える箇所もあれば「その発想はなかった!」という新たな発見もあり、また知らない作品のプレゼンを聞いて是非観てみたいという気持ちがわいてくることもありました。ちなみに観たくなった映画No.1はこれ↓
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ヒトラーの忘れもの(字幕版)
432円
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2015年製作のデンマーク映画「ヒトラーの忘れもの」。第二次世界大戦後、デンマークが10代のナチスドイツ兵捕虜を「働けば帰してやる」と騙して地雷撤去の強制労働に狩り出した実話に基づいた戦争歴史映画。これは勿論戦争捕虜の強制労働を禁じているジュネーヴ条約違反なうえに未成年労働で、当然みんな爆死か四肢欠損。五体満足で親の元に帰ることができた者はほとんどいなかったとか。北欧がホワイトな国なんて真っ赤な嘘で、どんな国にもブラックな過去があったことがよく分かる事実ですが、そんな近代史の汚点を自ら映画化し全世界に公開したデンマーク映画界の覚悟は大したものです。
なお、このグランドチャンピオン大会で総合優勝した人がプレゼンした映画は来年せんだいメディアテークにて無料上映会が行われるとのこと。今年の優勝者がプレゼンしたのはこちらでした。
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暗い日曜日 [DVD]
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もうDVDリリースやオンライン配信が行われていたとしても、それを劇場という場所でスクリーンで他の来場者と一緒に観るのが映画の醍醐味なんですよね。
仙台の中心部には3つの映画館があり、最新映画はだいたい全部観られる環境ではありますが、こうして旧作やなかなか大きな劇場にかからないレアな作品を掘り起こし、さらに市民のプレゼン力を鍛える効果も期待できるイベントを開催するなんて、本当にせんだいメディアテークは粋なことをしますね。しかもみんなちゃんとピッチ形式でプレゼンできていたのだから凄い。たまにTech系やスタートアップ系ではないピッチイベントを見るのも新鮮で良いものです。