ドイツのインダストリアルメタルバンドRAMMSTEIN（ラムシュタイン）が、5月17日にリリース予定の新作アルバムより、新曲「Deutschland」のMVを公開しました。彼らのニューアルバムがリリースされるのはなんと約10年ぶり！しかも新曲発表も2011年リリースのベスト盤「Made in Germany 1995–2011」に収録された「Mein Land」以来と約8年ぶり！何もかも久々ですが、勿論その間彼らは休んでいたわけではなく、しっかりワールドツアーを何回もやっていたのでした。新作発表しなくても複数回ワールドツアーができるところに彼らの世界的な人気が伺えます。
新曲「Deutschland」はそのまま「ドイツ」という意味。メンバー全員が社会主義国家であった東ドイツ出身で、バンド名もドイツの都市「ラムシュタイン＝ミーゼンバッハ」から取り、グローバル市場で成功した後もほとんどの楽曲をドイツ語で発表している彼らのキャリアを考えると、非常に意味深です。しかもMVは、中世の戦乱の時代から第二次世界大戦当時のホロコースト、そしてベルリンの壁と、ドイツ史の大きな節目をモチーフにしています。MV内にはメンバーも登場しているのですが、彼ら以上に目立っているのは甲冑を着た黒人女性。この方はドイツで活動する女優のRuby Commeyという方だそうで、MVのエンドクレジットによれば役名はドイツを擬人化した「ゲルマニア」とのこと。もともと欧州には国家を擬人化（擬女化）する表現が主に風刺画で使用されてきましたが、それを現代に於いて黒人女性にするというのもまた意味深です。彼らの10年ぶりの新譜は現代を如実に反映した映し鏡のような内容かもしれません。ただし新譜の日本盤が出るかどうかはまだ分かりません。
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