2月に入り、仙台のギャラリーはどこも卒業制作展ラッシュです。いつも本を借りに行っているせんだいメディアテークの上階にあるギャラリーもそうで、今日は東北生活文化大学生活美術学科の卒業制作展を鑑賞しました。

 

で、ポスターをよ~く見ると…

 

「人形」

どうも立体作品もあるようです。しかもポスターに写っているのはスタイロフォーム、スパチュラ、グラスアイ。つまり、そういうものを使う人形「球体関節人形」もあるということ。これは俄然期待が高まります。

 

ということで会場に行ってみたら…

 

さすが。

これは「投稿可能」というより「歓迎」と取っても良いでしょう。現代の展覧会の手法はこうでないと。

 

作品のジャンルは多岐にわたり、絵画からデジタルアートからテキスタイルから彫刻から陶芸からありとあらゆる作品が展示されていました。というか、先月「スタジオ開墾」のオープニングパーティで「仙台には芸大がないのでアカデミックな美術教育が足りない」的なことが言われていましたが、既にこれだけ多ジャンルな作品制作をしているならもう十分じゃないでしょうか。

 

なお、このテキスタイル作品「リーマンダラ」(リーマン+曼荼羅)は、実際に靴を脱いで上がって自撮り棒を使って撮影までできるようセッティングされていました。鑑賞者を「参加」させる手法は現代アート的でもあります。

 

こちらは張り子の猫と金魚鉢の作品。4匹の猫が金魚鉢を凝視している四面楚歌な風景を表現しています。

 

この金魚最高。

 

こちらは様々な形状の器が並んだ陶芸作品。このセッティングで一つの作品なんですが…

 

 

 

なんと全ての器にかけられている釉が発泡しているんですね。カラッポなのにまるでビールを注いだ後かのよう。実際に使うことを考えたら洗う時大変そうだなとか思うんですが、一つとして同じものがない姿が印象的です。これに料理や酒を入れたらきっと美味しく見えるのではないでしょうか。

 

これは人形というより「彫塑」というべき作品ですね。色を敢えて抑えることで印象をより強めているような気がします。

 

なお、作品によってはこのように製作の過程を手順を追って説明したものもありました。または製作の過程を全てInstagramなどSNSに投稿して、過去ログを遡ることでそれを知ることができるようになっていたり。これもまた現代の展覧会ならではです。

 

SNSアカウントがあれば感想を直に伝えることも可能。もはや芳名帳やメッセージノートもいらない時代に。

 

 

ちなみに製作過程が詳細にSNSで発表されていたのはこの屏風。浮世絵のように同じ版型で何度も何度も違う色で刷り、その色の重なりやちょっとした版のズレが面白い効果を生んでいる作品です。特に版のズレはちょっと懐かしい、昔の子供向け雑誌やその付録のようなレトロな印象も感じました。
 
こちらはグラスアート作品。会場には…
 
観賞用のこんなライトも用意されていて…
 
作品をライトで照らすことで、また新たな色が現れました。
 
そしてついに発見!
 
 
球体関節人形!しかも等身大!
 
これだけのサイズの球体関節人形を石粉粘土で作るなんて、おそらく最後の在学期間のほぼ全てを使ったのでしょう。これぞ大作。見事!
というか、これを作った学生さんは、もしかしてSendai I・DOLLに来てるか出てるんじゃないですかね?人形クラスタなら絶対チェックしてますよね?
 
…とまあ非常に見ごたえのある展覧会でした。こうした自分よりもずっと若いクリエイターの作品は積極的に見ないといけませんね。うかうかしてられない!という危機感とともに、自分ももっと何か作ろう!と創作意欲がわいてきます。後世恐るべし。