また図書館でハンドメイドのHow To本を借りてきました。UVレジンを使ったアクセサリーの製作How To本なのですが、他の本と異なるのは、本書が「描く」という言葉を使っていること。アクセサリーという立体作品を製作するのに「描く」とはこれ如何に?しかし、作例の写真を見て納得しました。

 

 

こちらが著者の作例写真なのですが、よくあるUVレジンアクセサリーのように、ただ”皿”となる金具の中にUVレジンと封入パーツを入れるのではなく、皿さえ使用せず、まるで風景やシーンの一部分を切り取ってUVレジンの中に封入したかのような作風なんですよね。まさにそれは絵画作品のようでもあるし、ジオラマ模型にも通じます。確かにこれなら本のタイトルに「描く」という言葉を使うのにふさわしい!

 

 

こちらは全てのパーツを「封入」するのではなく、UVレジンを補強とパーツ同士の接着に使用した作品。これはジオラマのような作風ですが、時計のパーツをベースにパーツを組み合わせたリングで、歯車も組み合わせたことでスチームパンク的な雰囲気も醸し出しています。

 

 

こちらは貝のシリコン型を使用し、透明な素のレジンと着色レジンを使用したグラデーションが印象的な作品。クラゲとビジュー、歯車を組み合わせた海底をイメージしたペンダントトップです。どうも本書の著者は、皿となる金具やシリコン型をそのまま使用せず、型を使ってもさらにその表裏にUVレジンを盛り、表面張力で丸く整形した作品が多いようです。そのため、朝露の中に景色が映り込んだのをそのまま硬化させたかのような作品が多く、見れば見るほど既存のUVレジンを使ったアクセサリーの”定番”や”常識”が覆され、その印象が変わります。

 

 

これなんて、既成の花のメタルパーツを使用してまさに朝露に映り込んだ花そのものを表現した作品。紫外線を当てればすぐに固まるUVレジンの特性を活かした作品で、これぞUVレジンならではです。これを思い付く発想力が凄い!
 
本書には製作手法も事細かに書いてありますが、こちらは別段変わった点はなく、基本的な作り方は他のUVレジンアクセサリーとそんなに変わりません。しかし、そのHow Toを使ってどんな作品を作るかがクリエイターの腕の見せ所。私としては、製作手法より本書に掲載されている作例写真そのものの方がはるかに参考になりました。