「月からナチスが攻めてくる」フィンランド産SFナチスバカ映画「アイアン・スカイ」の続編「Iron Sky: The Coming Race」のプレミア日程がついに決定しました。2019年1月16日、本国フィンランド・ヘルシンキのTennis Palaceにてワールドプレミアが開催され、その模様はシネコンチェーンのFinnkinoにもライブストリーミングされるとのこと。バカ映画なのに凄いお祭り状態です。なお、ワールドプレミアのチケットはグッズ付きのプランが各種あり、それぞれにTシャツやポスターなどのグッズが付き、さらに各チケットの購入者先着100名には原作者のサインも付くとか。チケットの詳細はこちら。
以下がプレミア日程決定のタイミングで公開された最新トレーラー映像です。恐竜!ヒト型爬虫類!地球空洞説!相変わらずネタがてんこ盛りです。
知らない人のために一応説明しておきますと、「アイアン・スカイ」は2012年に公開されたフィンランド・ドイツ合作映画です。
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アイアン・スカイ ディレクターズ・カット版(字幕版)
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ストーリーは「第二次世界大戦時のドイツ崩壊で消滅したと思われていたナチスが実は秘密裡に開発したロケットで月へ逃げ生き延びていた」という、控えめに表現してもバカとしか言いようがないもの。しかもこれを第二次世界大戦時に枢軸国だったフィンランドとドイツが作ったというのがあっぱれなうえに、クラウドファンディングプラットフォーム「Indie GoGo」で製作資金の一部を募集して日本円換算で1億円以上を調達し、当時の「映画製作におけるクラウドファンディング活用の成功例」としてTech業界でも話題になりました。しかし一番最初の映画のクラウドファンディング成功事例がこれって狂気にも程があります。ちなみにラストに登場する宇宙戦艦のデザインも一般公募して実際に劇中に採用するなど、製作過程に於いても”一般参加”の手法を取り、「プロジェクトに多くの人を参加させる北欧型の民主的ものづくりのスタイル」なんて評価されたりもしましたが、それがこれですからね。さらにディズニーのフィンランド支社まで悪ノリしてこのムーヴメントに乗っかり同国内の配給を担当しました。ディズニーがバカとはいえナチス映画の配給を担当するなんて後にも先にもこれだけでしょう。
で、前作が月だったので今回は「地底」。過去のSF小説の定番の一つである「地球空洞説」を採用し、そこで実は恐竜が生き延びていた!というトンデモ設定でヒトラーが恐竜軍団を作っていたというストーリーを描きます。もう書いていて脳が溶けそうになってきますが、実はこれには元ネタがあり、第二次世界大戦後に実際に「アドルフ・ヒトラーと少数の側近が、南極にある開口部を通って地球の空洞内部に脱出した」という記事が広く流布し、大真面目に取りざたされたとのこと。まあナチスも末期にはオカルトに走ったので、そうしたことをやっていたとしても不思議ではないと皆が考えたのかもしれません。
もはや出オチの総統閣下。
ちなみに、地球空洞説と恐竜を元ネタにした映画といえば、「映画ドラえもん のび太と竜の騎士」があります。当然「アイアン・スカイ」より真面目なSF作品で、今Amazonプライムの無料枠になっているので是非ご覧下さい。
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映画ドラえもん のび太と竜の騎士
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前作の「アイアン・スカイ」は、きゃりーぱみゅぱみゅとニコニコ動画とのタイアップが行われ、毎年東京で開催されているフィンランド映画祭のオープニング上映作品となり、それ以後も六本木で一般公開されるなど日本国内で大々的にフィーチャーされました。なので続編の「Iron Sky: The Coming Race」も是非日本公開してくれたらと思います。というか2019年は日本・フィンランド国交樹立100周年だし!これを祝うのに本作ほど最適な映画はないでしょう。