VRエヴァンジェリストとしてVRクラスタの間では既に有名なGOROmanさんの新書「ミライのつくり方2020-2045 僕がVRに賭けるわけ」を購入しました。本書が刊行されることも、締め切りギリギリになっても原稿がまだ完成していないことも、その後星海社とGOROmanさんが決裂したことも、さらにGOROmanさんのAmazonアソシエイトのアカウントがBANされたことも、Amazonで品薄になり入手困難になってしまったことも全てGOROmanさんご本人のTwitterでリアルタイムに逐一公開されていたので、もはや本書が届くまでの一連自体がエンターテイメントと化していました。ちなみに私は楽天ブックスで購入。Amazonで品薄になったものは楽天の各種ショップに結構在庫が残っている場合があるので、リアル店舗に走る前にまず楽天で検索してみましょう。
やはりビジネス新書では「ANAとJALが合併してANALになる」はNGだったんでしょうか?
本書はGOROmanさんの生い立ちから職歴、VRヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」およびその生みの親であるパルマー・ラッキーさんとの出会い、Oculus Japan立ち上げとFacbookによるOculusの巨額買収、Facebook退社、東雲めぐとAniCast、そしてGOROmanさんが考えるVRのこれからと、とにかくGOROmanさんのありとあらゆる情報およびここ数年のVR界隈がだいたい分かる内容となっています。
面白かったのが、子供時代のGOROmanさんが完全にドラえもん屈指の狂気・猟奇エピソード「分かいドライバー」ののび太だったこと。「分かいドライバー」については既にネット上に山のように情報が落ちているのでググってみて下さい。
機械を片っ端から分解して壊すって子供の頃なら誰でもやる定番中の定番の行動ですが、不思議と成長するにつれてその感覚を忘れてしまうんですよね。でも自分で手を動かして分解してみないと物の仕組みは分からないし、もの作りの楽しさや大変さは理解できない。機械は分解してぶっ壊してなんぼ。その感覚を久々に思い出しました。
意識して「分かいドライバーののび太」を心の中に飼っておかないといけないなあ…なんて思ってしまいました。
あと読んでいて苦しくなったのが、OculusがFacebookに買収された後、オープンで自由闊達な空気が失われどんどん縦割りの大組織の空気に飲まれていくところ。いくらスタートアップとは言え、やはり規模そのものが大きくなってしまうとヒエラルキー構造になり、上意下達の組織になってしまうのは仕方のないことなんでしょうか。そんな「実はあの時こんなだった」という裏話もあるので、2013年~現在までVR界隈にいたり、情報を追っていた人はマジで必見な内容です。
今見たら楽天にはまだあるそうです。帯も多分付いてくるんじゃないかと思います。