宮城県仙台市はフィンランド・オウル市と友好都市になっているためか、図書館におけるフィンランド関連の蔵書が結構豊富だったりします。試しに館内の蔵書検索端末で「フィンランド」で検索したら100冊以上出てきました。なかなか凄くないですか?普通EUでもフランスとかドイツとかの関連本の方が多そうなものなのに。で、そのなかからとりあえずこれを借りてみました。

 

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刊行年が2008年とそこそこ古い旅行ガイド本です。一応タイトルに「かわいいデザイン」とあり、フィンランドのファッションアイテムや雑貨、またそれらを販売しているお店のリストなんかがメインですが、ヘルシンキ市内のトラムや地下鉄、フェリーの乗り方についての解説やヘルシンキ以外の地方都市の紹介もあり、フィンランド旅行の基本の基本を押さえるにはまだ通用する本です。
 
それにしても、全体的な内容が見事に”シャレオツ”で、とても私がかつて3回渡航した同じ国とは思えません。もう読み進むうち「この本を編集した人やライターは私とは違う世界線に生きているに違いない」と思えてきました。だって本書で紹介されているお店やスポットなんて私はほとんど行ったことがありませんからね。間違ってもデザインホテルに泊まってレストランで食事してカフェでコーヒーや茶なんて飲めません。そんなことをしたら一回の渡航で余裕で30万~40万円いきます。そんなお大尽旅行ができるかアホ!こちとらフィンランド10日滞在で20万円未満だっつの!!

 

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「なんだか、体も心もしっくりくる国」
「フィンランドってどんな国?」って聞かれたら、
僕はこう答えることにしている。
 
おかしい…私が滞在した国とは全く違う…私だったらこう書きます。
 
「石を投げたらTechギークとオタクとメタラーに当たる国」
 
「フィンランドってどんな国?」って聞かれたら、私はこう答えています。

 

昨年Slush 17の取材のあと行ったタンペレについてはこうでした。

 

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やっぱムーミンかよ…
っつーかそれしかねえのかよ!私にとってのタンペレは、街全体が工場萌え&スチームパンク&オタクフレンドリーでXRスタートアップがひしめき合っていて侍メタルバンドWhisperedの拠点でやたらと品揃えの良い模型屋があって市民がガチでPokemon GOをプレイしている街です。詳しくはvsmediaにまとめたレポート記事をご覧下さい。
 
【レポート】スチームパンク!工場萌え!模型!XR!どれかにピンと来たらフィンランド第二の都市・タンペレに行くべし!
 
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でもまあ一応工業都市で今はTech都市になっていることには触れています。ちなみにタンメルコスキ川周辺は特にポケモンがいっぱい出ます。
 
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タンペレのムーミン美術館以外の主な博物館は「レーニン博物館」「アムリ労働者住宅博物館」「労働者博物館ベルスタス」だそうですが、労働者博物館のスポットを2つ載せるくらいなら「Vapriikki」を紹介しろよ!日本円換算で約1600円の入館料を支払えば10種類の博物館を一気に見られるお得な施設なんだから!特にその中の「フィンランドゲーム博物館」はTech/ゲーム/エンタメ系クラスタなら必見の凄い展示物がてんこ盛りでこれだけに1600円支払っても惜しくない内容なのに。こちらも詳しくはvsmediaのレポート記事をご覧下さい。
 
【レポート】フィンランドのゲーム開発の歴史が丸分かり! タンペレの「フィンランドゲーム博物館」に行ってきた
http://vsmedia.info/2017/12/24/finland-game-museum/

 

…とまあ何かダメ出しばっかりしたような感想になってしまいましたが、世界線が違うというか「切り取る視点」と「見る対象」が違うだけなのでしょう。でもそろそろフィンランドを「シャレオツな国」「教育大国」「ムーミン」「マリメッコ」「サンタクロースがいる国」といった視点ばかりで追いかけるのもどうかと思うのです。もっといろんな視点や切り取り方があってもいいと思うんですがね。むしろTech/ゲーム/エンタメで切り取った方がビジネス面では効果的だと思うんですが。

 

でもまあフィンランド旅行初心者には役立ちそうな内容ではありました。ただ如何せん2008年刊行の本なので情報が古くなっているところもあります。例えばヘルシンキ市内の地下鉄は今お隣のエスポーまで延伸されて移動がかなり楽になってるし。なくなっているお店や、逆に新たに生まれたブランドやお店もあるし。ということで「まあざっとこんな感じかな」程度に読むとよいと思います。

 

 

 

なんか改訂版が出てたみたいです。