現在、東京テアトルが未公開映画ばかりを集めた映画祭「未体験ゾーンの映画たち2016」を開催しているのですが、その中で「ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ」という気になりすぎる邦題のオーストラリア産ゾンビ映画があったのでヒューマントラストシネマ渋谷で観てきました。

ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ

勘の良い方はもうお気付きでしょうが、この邦題は明らかに「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のパクリです。しかし作品公開時期は「ゾンビマックス」の方が1年早い2014年。またストーリーの内容もマッドマックスシリーズのパクリ映画というわけではありません。ちなみに原題は「Wyrmwood: Road Of The Dead」です。

【あらすじ】
ある晩、地球の上空で謎の流星群が観測され、その影響からある血液型以外の人間が次々とゾンビと化してしまう。ゾンビに豹変した妻と娘を泣く泣くネイルガンで撃ち殺した整備士のバリーは、道中出会ったお調子者のアボリジニーのベニーや他の仲間と共に、謎のマッドサイエンティスト集団に拉致された妹のブルックを救出すべく装甲車を仕立てて走り出した…

ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ


邦題に「ゾンビ」が2つ入ってる時点で絶対にどうしようもないバカ映画だなと思って観に行ったのですが、これがなかなかの力作で非常に面白かったです。勿論バカなシーンはあるにはあるのですが、他のゴア表現やガンアクション、格闘、愛する者や仲間たちとの別れのシーンもかなり気合が入っており小気味良いテンポでストーリーが進行していきました。しかし何より一番面白い本作の特徴は「ゾンビに使い道がある」ということ。人間のゾンビ化が始まった日以降、なぜかガソリンや灯油など油が一切発火しなくなり車が使用不能になってしまうのですが、その代わり「ゾンビの血が燃える」ことが判明し、主人公達はガソリンの代わりにゾンビを燃料に走る装甲車を作って走り出します。なんだこの謎展開!流星群マジ怖え。しかしこの設定のため、主人公一行はただゾンビをぶっ殺しながら逃げるのではなく、ゾンビの息の根を止めないように捕獲して車に繋がなければならないという斬新かつ高難易度のクエストをこなす必要が出てくるわけです。そこへきて、謎のマッドサイエンティスト集団に拉致された妹ブルックが、何度も彼らに人体実験された末にどういうわけかゾンビを操る能力を獲得。ゾンビで走る車とゾンビを操れる人がいたらもうゾンビ終末世界では最強なのでは?…と思った矢先、やはり再会した兄と妹はこれらを利用し共にマッドサイエンティスト集団に立ち向かっていきます。本作におけるゾンビの存在は、ストーリーが進むにつれ脅威でも虐殺するべき存在でもなく「謎の悪い組織と戦うツール」へと変化していき、挙句には傷を負ったベニーが自らゾンビになることでブルックと連携プレイをやろうとします。自分から積極的にゾンビになろうとする描写なんておそらくゾンビ映画初でしょう。

なお、本作は世界各国の映画祭へ出品され様々なアワードを獲得し、その実績を買われなんと続編制作が決定したとのこと。車と妹を使えばもっと独創的なストーリーが生まれるのではないしょうか。この続編も観てみたいなー。




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