
んふんふ♪(なめこかわいい♪)
本書は、なめこの公式サイト「なめぱら」及び東京駅地下の「なめこ市場東京本店」で配布されている「毎菌新聞」に掲載された4コママンガをまとめて収録した単行本です。原作はダンボールなめこさんが、作画は「おさわり探偵」シリーズと「なめこ栽培キット」シリーズのデザインの河合さんが担当されています(一部「なめこ図鑑」執筆の金谷さんの作画もあり)。
本書の一番の魅力は、なんといっても独特でシュールな「間」と味わい深い手描き風のなめこの表情でしょう。

「なめこってどんな顔?」と聞かれたら、私は即座に「虚無」と答えます。もう虚無以外の何ものでもないですよこれ。以前プレス向け発表会でダンなめさんが「なめこには表情が無い。だから自分が悲しい気持ちの時は悲しそうな顔に見えるし楽しい気持ちの時は楽しそうな顔に見える。能面みたいなもの」と仰っていたのが未だに忘れられません。見る者の精神状態をそのまま映し出すのがなめこ。「なめこ図鑑」のイラストや月刊誌「スピカ」に連載されているコミカライズ作品「なめこ文學全集」は多少表情が付いていますが、本書は原作ゲームのデザイナーさんが描いている最もオリジナルに近いなめこなので表情が乏しいんですよね。それが筆で手描きしたような線と相まって何とも言えないシュールさを醸し出しています。あと4コマなのに敢えて「起・承・転・結」を外しまくっていたり、掲載当時の世相を反映したパロディや宣伝、季節ネタを織り交ぜているのも懐かしいです。
ページ下のダンなめさんのコメントにもありましたが、本作一番の傑作は節分がテーマの「ノーサイド」ではないかと思います。

一度は豆を撒いて追い払ったオニなめこを最終的には仲間に入れてあげるなめこたち。感動的な作品なうえに、何も考えていない顔をしてヨダレをたらしお菓子を食べている普通なめこがかわいい!

ホワイトデーがテーマの作品でクッキーを作るなめこ。「ぺたんこ ぺたんこ」という擬音がシュールかわいい。

あとこれまでのなめこ関連書籍でも明らかにされてこなかった某なめこの素顔が突然出てきたりと、なめこファンは必見の内容となっています。

メタラーとしては聖飢魔IIネタの作品があることも見逃せません。ちなみにこれは昨年3月に開催されたデーモン閣下がゲストとして登場したファンミーティングイベントをネタにした作品ですね(イベントレポートはこちら)。
正直、本書は大爆笑できるような内容ではありません。しかしちょっとした仕事の合間や寝る前に読む「和みコンテンツ」としては非常に良質な作品です。だからこそひと通り読破した後もついつい何度も手に取ってページをめくりたくなってしまいます。そして何度もコマを見るうちに、さりげなく描かれたように見えるなめこ及びその他のキャラが、実はかなり熟考された上で丁寧に描かれていることに気付くでしょう。ダンなめさんもコメントで触れていましたが、例えば他のなめこ達と一緒に集団でいるなめこと、「おさわり探偵」シリーズのキャラと一緒にいるなめこは実は別人(菌?)で、性格が全く異なっていたりなど。里奈と一緒にいるなめこはあくまでも「探偵助手」なんですよね。
とにかくなめこ栽培家は必見の一冊です。オススメ!
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