もう別冊も出版されているというのにやっとメタル雑誌「ヘドバン」の第4号を読了しました。

ヘドバンvol.4
んふんふ!

もうこれは熱いというより暑苦しいという言葉が相応しい熱量満載の本です(勿論褒め言葉)。複数のライターさんが記事を担当しているのにテンションや文章の作風が「ヘドバン風味」に統一されているのが凄い。というか今時こんなに暑苦しく主観の入りまくった文章を書けるメタル系ライターさんがいるというのが信じられません。世の中捨てたもんじゃないですね。特にBABYMETALの武道館ライブレポートと掟ポルシェさんのCARCASSジャパンツアーほぼ全通レポートは「レポート記事」のお手本だと思いました。

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の既存4大メディアは衰退し絶滅するのが目に見えているオールドレガシーです。しかしそれでも尚生き残る奴がいるとしたら、それは「ヘドバン」のようなメディアでしょう。客観性も無ければ論理的でも無く、作り手の情熱と主観が入りまくったブっ飛んだメディア。そもそも本当に客観的且つ論理的なメディアなど、例え新聞やニュース番組であっても絶対に存在しないしそんなもの別に面白くもなんともない。また、そうしたただ事実や最新ニュースを発信するだけのメディアはいずれテクノロジーに取って代わられます。それより論理的でなくとも作り手のこだわりと熱量に溢れた独自性のあるメディアの方が見ていて楽しいはず。「ヘドバン」は今後のメディアのあるべき姿をも示していると思います。

今号では「SAMURAI! METAL! ACTION!」と題し、先のBABYMETALを始めとする海外進出に成功したバンドを特集しています。ざっと挙げると…

BABYMETAL
LOUDNESS
X
上田剛士(AA=)
ギターウルフ
BORIS
COLDRAIN
CHURCH OF MISERY


などなど。私としては、B!誌など他のメタル雑誌では絶対に掲載されないであろうギターウルフのセイジさんのインタビューがあったのが興味深かったです。なぜ海外進出できたのか?実際海外でライブを行ったらどうなったのか?海外市場での評価は?などの事情はバンドそれぞれ違いますが、全てを通して読んでみるとなんとなく共通項が見えてきます。それは「向こう(海外)の真似をしない。自分”ならでは”で勝負する」ということ。例えばジャンルは違いますがきゃりーぱみゅぱみゅも海外で高く評価されており、アメリカでは「レディ・ガガよりもクレイジーだ」と言われています。レディ・ガガのようだ、ではなく他の誰でもないきゃりーぱみゅぱみゅ”ならでは”のスタイルが受け入れられている。独自の個性が必須であるという点は、音楽のジャンルやビジネスの種類を問わず海外展開する上での基本なのでしょう。ということでメタラーだけでなくビジネスなどで海外進出を考えている人にもオススメです。絶対学びとなるポイントがあります。


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これも早く読みたい。