先週、ロシア最大のSNS「VK」の創業者が、政治的な理由を背景に会社のCEOの座を追われ、同サービスの開発者一堂を連れて会社どころかロシアから脱出するという事件が起こりました。詳細はTechCrunchが一番分かりやすいかと。

CEOの座を追われたVK.comのPavel Durov, 主要技術者全員を引き連れて中欧某国へ脱出, 永住の地を模索

「VK」とは、まあ分かりやすく言うとFacebookのロシア版といった感じのSNSです。日本のmixiのように、だいたいどこの国にもその国ならではの現地語版の総合SNSがあるものです。

VK
https://vk.com/

こんなちょっと前のFacebookのデザインにそっくりなサービス。面白いことにFacebookアカウントでも登録・ログイン可能です。全世界に発信したいことはFacebookに、自国・地元の仲間と交流したい時はVK、と使い分けているユーザーが多いとか。実際に日本のmixiのように失速はしておらず、今でもアクティブに使われているサービスのようです。

ところがそのアクティブさが裏目に出たのか、ロシア政府に政治的な書き込みを検閲するよう命令されてしまいました。最近のウクライナ情勢を例に挙げるまでもなく、現在世界中で市民革命が起こっており、SNSなどのソーシャルメディアはそれを後押しするツールとなっています。ロシア政府もVKを脅威と思ったのかもしれません。ちなみにこれと非常によく似たケースが中国最大のメッセージングアプリ「WeChat」でも起こり、WeChatの運営会社であるTencentはこれに屈してしまいました。詳しくは以下を参照。

中国のメッセージングアプリ「WeChat」、検閲を強化し政治的な発言を非表示に

しかしVKのCEOであるPavel Durov氏は検閲を拒否。その結果、株主に会社を追い出されてしまいました。氏自身のFacebookページへの書き込みによれば、現在氏と開発チームは中欧のどこかに脱出しているとのこと。事実上これは政治的亡命でしょう。で、Facebookのコメント欄で移住候補先を募集していますが、その場所・理由が面白い。一応全部見てリスト化してみたら…

アメリカ(法人税が安い、自由主義)
韓国(気候が良い、ビザ問題なし、高速インターネットあり、英語が喋れる人もいる)
タイ
スイス
オランダ
ニュージーランド
シンガポール(起業家への税制優遇あり、IT専門家がたくさんいる、データセンターあり)
マルタ(税金安い)
ブルガリア(税金安い、ただしIT専門家がいない)
ベリーズ
パナマ
チェコ(新興国だから)
ラトビア
中国
スペイン(住環境が良い、ビジネス支援政策あり)
オーストラリア
アゼルバイジャン
アイスランド
スイス
ラトビア
ウクライナ
フィリピン(国民ほとんどが英語喋れる)
リトアニア
アイルランド
マレーシア(進歩的、国民の英語力が高い)
ドイツ
ブラジル
フィンランド
スウェーデン(法律と経済がまとも)
ポーランド
イギリス
イスラエル(研究・開発なら世界一レベルだから)
エストニア(自由主義のIT立国だから)
イタリア
リヒテンシュタイン


こんな感じ。ちなみに日本を挙げている人は1人もいませんでした。やはり英語力の低さと物価の高さと税金の高さが問題なんでしょうか?それともCIS・中欧地域の人々にとってはイメージもできないくらい存在感の無い国になってしまったのか?

しかしこうして見ると、IT起業家にとって住みやすい国がどういったものかがなんとなく分かる気がします。基本的に自由主義で、国民の語学レベルがそこそこあって、政治的・経済的に安定していて、政府の介入が無い、または政府が税制優遇や資金援助などビジネスをサポートしてくれる国。ぶっちゃけ現在の日本はIT起業家にとってあまり住みやすい国とは言えないのかも。特に国民の語学レベルがダメすぎるw


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