近所に通常の農家の仕事をしつつさらに観光農園(リンゴ畑)を運営している農家がいます。そこは何人か人を雇ってはいるものの基本的には家族経営で、大規模でもなければ法人格でもありません。
観光農園とは所謂「リンゴ狩り」などのように観光客を相手に一日農業体験などの「体験サービス」を提供するビジネスで、当然交通の便の良いところや広い道路に面したところ、施設・設備が整っているところが有利です。で、私の住む横手市という所は交通インフラもアホかと言うくらい整っていません。新幹線は大曲までだし(というか秋田新幹線自体が高速鉄道として全く使えない)、高速道路のICも妙な場所にあるし、大型合併でやたらと市の面積が広がり、市街地はそこそこ開拓されているのに周辺の農村が荒廃する一方という格差が生じてしまっています。そんな状態の農村の観光農園が一体どのような状況下にあるかはだいたい想像がつくでしょう。高速道路どころか国道にすら面しておらず、電車の駅も無く、交通インフラは貧弱な農道のみ。そして環境整備を行う資金も乏しい。
ところがこの近所の観光農園、どうやら結構流行っているらしいのです。そしてもちろん観光客も相手にしているのですが、学校や団体などのお客さんも多く、さらに山形県などの近隣の他県の養護学校や福祉施設からわざわざお客さんが来るのだとか。その理由は「障害者対応」。例えば、病気や障害で車椅子に乗っている人や杖をついている人は高い木の枝についているリンゴの実を収穫することができません。手が届かなかったり、手自体が動かなかったりもするから。そこでこの観光農園では、そういう障害者を車椅子ごと、また杖ごと高所作業用の農機具に乗せてあげるそうです。こういうやつ↓
観光農園とは所謂「リンゴ狩り」などのように観光客を相手に一日農業体験などの「体験サービス」を提供するビジネスで、当然交通の便の良いところや広い道路に面したところ、施設・設備が整っているところが有利です。で、私の住む横手市という所は交通インフラもアホかと言うくらい整っていません。新幹線は大曲までだし(というか秋田新幹線自体が高速鉄道として全く使えない)、高速道路のICも妙な場所にあるし、大型合併でやたらと市の面積が広がり、市街地はそこそこ開拓されているのに周辺の農村が荒廃する一方という格差が生じてしまっています。そんな状態の農村の観光農園が一体どのような状況下にあるかはだいたい想像がつくでしょう。高速道路どころか国道にすら面しておらず、電車の駅も無く、交通インフラは貧弱な農道のみ。そして環境整備を行う資金も乏しい。
ところがこの近所の観光農園、どうやら結構流行っているらしいのです。そしてもちろん観光客も相手にしているのですが、学校や団体などのお客さんも多く、さらに山形県などの近隣の他県の養護学校や福祉施設からわざわざお客さんが来るのだとか。その理由は「障害者対応」。例えば、病気や障害で車椅子に乗っている人や杖をついている人は高い木の枝についているリンゴの実を収穫することができません。手が届かなかったり、手自体が動かなかったりもするから。そこでこの観光農園では、そういう障害者を車椅子ごと、また杖ごと高所作業用の農機具に乗せてあげるそうです。こういうやつ↓
これなら車椅子や杖でも楽に高い場所の実が収穫できるし、例え収穫できなくてもこれに乗ること自体が楽しい。もう子供だったら大喜びです。またこの農機具自体普段の作業で使用しているものなので特別な準備も必要ありません。本当に良いアイデアだと思います。
そして障害者対応を続けていくうちに、口コミで「秋田県の○○農園は障害者でも行ける」という情報が広まり、他県からもお客さんが来るようになったとか。ちなみに山形県は秋田県の7倍の農業収入があり、農業ビジネスのレベルが非常に高いところです。当然観光農園もたくさんあり日々熾烈な競争を繰り広げているわけですが、そんなところからもわざわざお客さんが来るということは、それだけ障害者を受け入れてくれるところが無いのでしょう。だからこそ口コミネットワークで情報が共有されるのかもしれません。
「バリアフリー」とは設備やスタッフ数のことを言うのではなく工夫や心意気なのだと思います。またはおもてなし精神と言ってもいいかもしれません。「うちは設備無いんで」「人手が足りないんで」と言うのは言い訳で、且つビジネスチャンスをも逃しています。せっかく来てくれたお客さんをみすみす逃しているのだから。