Jackie Fame
この「Jackie Fame」は5歳くらいからの子供を対象としたPC向けのSNS。日記を書いたり画像や動画を投稿したり、ゲームをしたり、テキストチャットやビデオチャットをしたり、他のユーザーを友達登録したり、メッセージをやりとりしたりと、まあごく普通のSNSです。ただし利用できるのは子供だけ。現在のユーザー数はアメリカ国内に約2万8000人とのこと。
このSNSを開発したのは11歳と13歳の小学生兄弟。彼らの父親はITベンチャーに勤めている人だそうですが、Facebookで子供達が不特定多数の大人と接触することを危険視し彼らのFacebook利用を禁止したそうです。それで兄弟は「じゃあ安全なSNSを自分で作ればいい」と考えこの「Jackie Fame」を開発したとのこと。開発した本人が小学生だから徹底して「子供にとって安全なサービス」であるようこだわっており、あらかじめ3500個の有害な言語をブロックし”荒らし”が発生しないよう対策を取り、さらに有人監視も行っているとのこと。
今後この兄弟は広告で収益を上げるのではなく、オリジナリティにこだわって「グッズ販売」を行いたいと思っているそうです。今は父親もアドバイザーとして経営に関わっており、外部から経営者を迎えることも想定して投資ファンドを回って資金調達にも乗り出しているそうです。ニュースで見た限りでは、投資家へのプレゼンも兄弟自身が行っており、投資家達も子供だからとナメた態度を取るでもなくちゃんとプレゼンを聞いていました。ニュース中では「携帯電話への対応も進めたい」云々とナレーションが入っていましたが、今探したらスマホ向けネイティブアプリ版もありました。
前々から仮想空間がらみのネタでも書いていますが、海外には子供向けのソーシャルネットワーキングサービスがたくさんあります。そしてそれらの主な収益源は広告ではなく、「有料アカウント(プレミアムアカウント)の月額会費と「グッズ販売」です。しかし現在はそのビジネス自体を子供自身が開発してしまう。確かに子供なら子供が欲しているものが分かるからサービスにブレがない。まったくアメリカ人はベンチャースピリッツとDIYスピリッツが旺盛過ぎます。
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