1月の母と娘のアーツセラピー | 一般社団法人アーツ・コミュニケーション・ラボ(ACL)

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アーツセラピーに関する情報をお届けします。

引き続き、母と娘のアーツセラピーセッションについて
紹介しよう。

今日は、2016年1月のセッションについて...。
この日は、すみれさんが、インドの楽器、ジュルティボックスを
持参してくださり、我が家でヨガ・オブ・ボイス(声のヨガ)の
セッションを体験。

実はうちの母、歌うことはあまり得意ではないらしく、たまに
デイケアではみんなで小学校の唱歌などを合唱したりして
いるらしいが、カラオケで一人で歌うことなど大の苦手らしい。

が、父の死後、今の住まいに引っ越してから、謡(うたい)の
お稽古を始め、今も続けている。月に一度、先生がうちまで
お越しくださり、お能の楽曲を、先生と一緒にうたっている。

そんなわけで、すみれ先生が、シュルティボックスに合わせて、
自然に声を出し始められると、それにつられて、母も私も自由に
声を出し始めることが出来た。

私は、今までにも何度か、すみれ先生の師匠であるシルビア・
ナカッチ氏の指導のもと、本家本元のヨガ・オブ・ボイスの
セッションには参加したことがあるが、何度やっても、これは、
ホントに気持ちが良い!唄が上手だと下手とかまったく関係
ないのだ。

すみれ先生に音感が良いと褒められて、気をよくしている母も
続けて声を出している。すると、ここで不思議な現象が現れた。

びろうな話で恐縮だが、実はうちの母は、おなかにヘルニアが
あるせいか(これについては、3月14日に腹腔教手術の予定!)、
他に抱える難病のせいか、原因はイマイチ不明だが、いつも
下剤を服用しないと絶対にトイレに行けない体質なのだ。

ところが、声を出し始めてしばらくしたら、母がやにわに立ち上がり、
『ちょっと失礼してお手洗いに行ってきます』と言うではないか。
ゆうべは下剤を飲んでいないのに、こんな現象が起きるなんて、
摩訶不思議! 母も私もびっくりポンだ!

実は、これもアーツセラピーの成果の一つと言えるようだ。

声を出すだけではなく、体を動かしたり、絵を描いたり、コラージュ
をつくったり、といった一連のアーツセラピーのワークを体験する
ことで、一種のデトックス(解毒)効果が表れることもあるらしい。

母は、すみれ先生のリードの仕方にも、とっても感動していた。
『さぁ、今から、声を出すことを始めますよ』といった、いかにも
わざとらしいような、型にはめた形式のリードの仕方とは程遠い
手法だ。

最初からすぐに声を出せなくても、周りの人たちが声を出して
いる様子を見て、自然に自分も声を出したいと思えるように
なるまで待っていればよいのだ。ヨガ・オブ・ボイスのワーク
では、決して無理して周りに合わせる必要はない。いつも、
自分の心地よいペースで参加すればよいのだ。

ヨガ・オブ・ボイスを指導するシルビアは、その著書の中で、
Free your voice(あなたの声を自由にしてあげよう)とも
記している。

綺麗な声を出そう、上手に声を出そう、などと構える必要は
全くないのだ。心の、そして気持ちの赴くままに、自由に、
好きなように声を出す、それだけで、どれだけ気持ち良く
なれることか。まさに抜群のデトックス効果ありだ。

今、うちの母は、シュルティボックスを買いたい、と
言い始めている。が、どうやら、目下、品薄状態らしいので、
しばらくはお預けとなりそうだ。