スペーシアエアコン修理 | 河内長野・富田林・大阪狭山 車の車検・修理・カスタム Auto car lounge A.R.I

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大阪の河内長野で小さな車屋を営んでおります。
毎日の出来事を綴っていきたいと思いますので
みなさんどうぞ覗いてってください。お願いします。

毎日暑い日が続いておりますね。
暑くなっても全く痩せる気配がないARIのアリちゃんでございます!!笑

今回は当店のブログを見られてご来店いただいたお客様からスズキスペーシアのエアコン修理のご依頼をいただきましたこちらのお客様はある中古車店で1年前にこちらのお車を購入されたそうです。

梅雨のある日エアコンを使っていると突然エアコンが効かなくなったそうで行きつけのガソリンスタンドにSOSを求めたそうでとりあえずという事でエアコンガスを入れてもらったそうです。

今の車は極端にエアコンガスが抜ける事は少ないんです。
こちらの車両は年式もまだ新しいですし、距離もまだ5万キロ。。

しかしながらエアコンガスを入れてもいっこうにエアコンが効かないのでこれまた自宅近くのモータースに車を持って行ったそうですがまたガスを入れるという作業が行われたそうな。。

結局、両方のお店でお金を払ってエアコンガスを入れていただいたようなのですが結果的にエアコンがまったく直らなかったそうです。

直ってないのにお金取るんかぁ〜い!!と突っ込みたくなる事案ですね!笑

さっそくではありますがお車をお預かりしてエアコンの調子を見ていきたいと思います。

まずこのお車に乗り込みエアコンスイッチを入れてみます。
すると全くもって生暖かい風が出てくるだけでした。

この時、エアコンスイッチを押してもカチッと言うエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが作動する音が聞こえませんでした。

次にエアコンガスを抜いて量を計測しましたが少し減ってはおりますがエアコンがまったく効かないというガス量の状態ではありません。
数値的にはガスは減ってますが当店に来られる前に行ったガソリンスタンドやモータース屋さんがガスを入れる作業をした際に少しばかり抜けてしまったのではないでしょうか??

その後、スズキ車でよくあるエバポレータからのガス漏れを点検。。
室内には一切、エアコンガスのニオイは無かったのでエバポレータからのガス漏れはおそらく無さそうです。

次にこちらの車両にスキャンツールを繋いでエアコンの
コンプレッサーに通電があるか見てみます。
エアコンパネルのエアコンスイッチをONすると
しっかりとエアコンコンプレッサーは通電されていますとサインは出ておりました。

その後、スズキ車のよくあるエアコンリレーの故障診断をおこないました

指をさしているのがエアコンリレーです。

一応、点検しましたがリレーも問題無し。


念のためアナログではありますが本当にコンプレッサーの手前まで電気が来ているのかテスターを使って点検します。

まずはバンパーなどを外していきます。
バンパーを外すとエアコンコンプレッサーがむき出しになります。

こちらがむき出しになったコンプレッサーです。
このコンプレッサーの配線カプラーにしっかりと電気の信号が来ているのか実際にテスターを使って点検します。
黒い配線のカプラーを外して点検します。

カプラーを外してテスターを当てます

するとテスターの針は動くのでコンプレッサー本体の手前まではしっかりと電気の通電がある事がわかりました。

通電があるにも関わらずエアコンのコンプレッサーのマグネットクラッチが反応しないと言う事はこの車両のエアコンの故障原因はエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチ不良によるエアコンの故障という事が証明されました。
この指を指している所がエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチ部分です。
本来はマグネットクラッチだけを交換すればいいのですがマグネットクラッチの部品代と交換工賃を考えたりコンプレッサーの消耗具合を考えるとコンプレッサーごと交換した方が以後エアコントラブルの心配は少ないのではないかと判断し、今回はリビルトコンプレッサーによるコンプレッサーの本体ごと交換を選択しました。

こちら左側が先ほどまで付いていたコンプレッサー
右側が新たに交換するリビルトコンプレッサーです

こんな感じでコンプレッサーを外していきます
コンプレッサー交換の際は配管のOリングガスケットももちろん交換します

コンプレッサー交換後にこのコンプレッサーを駆動しているベルトを点検するとヒビ割れをおこしていましたので交換しました
ベルトは一本ベルトでとても長いです

ベルト交換をし、ベルトの張りも完璧!!笑
当店は40000キロ毎のファンベルト交換を推奨しています

そしてバンパーをつけて真空引きを行いエアコンガスを入れて完了!!
と思いきや、今度はラジエーターなどを冷やすラジエーターファンが作動していない事がわかりました。


早速テスターで通電があるかを点検します

エアコン作動時、ラジエーターファンはコンデンサーを冷やす為に常に作動しています。
テスターで計測するとラジエーターファンへの通電信号はありましたがファンは作動していませんでした。
よってラジエーターファンの不良も判明しました。

いろいろ調べてみるとスズキの一部の車両のラジエーターファンは通常3年保証から7年保証に延長されている事がわかりました。

ラジエーターファンがダメだと言う事はエンジンを冷却させる為のラジエーターを冷やす機能も働かないので下手をすればオーバーヒートを起こす可能性まであったと言う事ですね。

ちゃんと気づいてよかった!!

最終的に僕なりの分析ではこのエアコンの故障原因はラジエーターファンの故障によりエアコンの配管内部のガス圧があがり過ぎてそれによりエアコンコンプレッサーが故障してエアコンが効かなくなったという見解を持っています。

通常ならエアコンコンプレッサーの交換もメーカー(ディーラー)さんがやらないといけない案件ですが完璧な因果関係が証明できないので今回はコンプレッサー交換はお客様負担、ラジエーターファンはメーカー(ディーラー)さん負担となりました。

このようにエアコン修理は大変、奥が深く面倒な仕事ではございます。

しかしながら誠意をもって良心的なお仕事を当店では心がけていきたいと思っております。

お車の事で困った事がありましたらぜひお声がけください。
この度は誠にありがとうございました😊