(つづき)
東京都美術館ギャラリーA・B・C
荒木珠奈展
うえののそこから「はじまり、はじまり」
銅版画の作品も愛おしくて。
「曲馬」
「思い出ボウル」
「湖のよる」
小松未季さんの詩の訳に寄せた作品。
本展のための新作インスタレーションは
「記憶のそこ」
まるで過去と今と夢が
会場中を大きく浮遊して
ぐるぐるぐるぐると
眠っていた過去が
解き放たれて
ぐるぐると
時代は変わり
世界も
そして私も変わってゆく
すべては
夢みたい
夢のように消えて
わずかな跡を残すだけ。
じんわり寄り添う人肌のように温かくて
そしてやはりなぜか不思議と
おぼろげな切なさが
遠い底の底からゆっくりと染み出してくる。
手のひらを返したような秋のはじまりに
とても似合う
そしてとても好きな作品たちでした。