T&Gのある会場の結婚式でのエピソードです。


そのご新郎のお仕事は消防士。


とても熱い志で仕事をまっとう

されているまっすぐな方でした。


担当のプランナーは結婚式の

プランニングの中で新郎新婦だけで

なくなるべく親御様がお子様に

対してどんな想いをお持ちなのか、

胸に抱えている伝えたい想いがある

のではないか、できる限り

お聞きした上で結婚式を

おつくりするように努めていました。



だから、このご新郎の親御様にも

息子に対する率直な想いを

お聞きしたのです。



すると、消防士という仕事をする

息子を誇りに想い、心から応援して

いる反面、その危険が隣り合わせの

日々を心配しいつも身を案じている

親心が見えてきました。



家族を何より大切に想う新郎へ

そんな親心をこの機会にお伝えする

ことに意味がある、プランナーは

そう想い、親御様へこんなお願いを

したのです。



『ご新郎の身の安全を祈願して

お守りを買ってきてください

ませんか?』


親御様は快くお引き受けくださいました。



そして、結婚式当日。



このお守りはお色直しのタイミングで

お母様から新郎へサプライズで

お渡し頂く予定でした。



だから、お母様は結婚式が始まる前に

お守りをプランナーに預けに

いらっしゃいました。



通常ならお守りの出番までプランナー

が一旦お預かりするもの。


でもそのプランナーはお預かりぜすに

お母様へこうお願いしました。


『お守りを息子さんにお渡しになる

までどうかお母様の手で

お持ちいただけませんか』


プランナーの意図、それは

ただお守りを渡すのではなく

そのお守りと一緒にお母様のぬくもり

を新郎へお届けしたいと思った

のです。



その母のぬくもりにこそ、

言葉では伝えきれない想いが

詰まっている、と。



お母様はプランナーの言葉に頷かれる

とそっとそのお守りをお着物の胸元に

入れられました。



パーティの間、お母様は

そのお守りを手にとっては

何度も大切そうに

握りしめていらっしゃいました。



そして、パーティの後半。



『お母様、どうぞ前へ』


いよいよ、新郎へお守りをお渡しする

時間になりました。



驚く新郎へに

お母様は胸元からお守りを

取り出すと、そっと新郎の手に渡され

ました。



そのお守りを受け取った瞬間、

硬派な新郎がお守りを握りしめながら

顔をくしゃくしゃにして

泣かれました。


お母様のぬくもりで温かくなった

お守り。



きっとそのぬくもりから感じ得たもの

が、あったのだと思います。



お母様もそんな息子の背中を

涙を堪えながら、笑顔で優しく

ずっと撫でていらっしゃいました。


お守りのぬくもりにプランナーが

託した願い。



親御様の想いは

きっと新郎の胸へ深く刻まれた

ことでしょう。





iPhoneからの投稿