今日1日を振り返ろう

 

 私は少年野球経験者なのですが、コーチ陣が厳しく、プレーに対して怒声が響き渡ることもよくありました。

 練習後に何十分もコーチのお小言を聞かされるということも日常だったのですが、これは一世代前の野球経験者にとって特段珍しい話ではないと思います。

 

 プロ野球関連の新聞の見出しや漫画等の娯楽の分野にも、「死闘」や「根性」といった文字が並び、肉体を酷使するといった何かを犠牲にしたり、賭して戦うというのを「是」とする風潮を感じていて、息苦しさを感じることも多かったです。

 

 けれど、野茂英雄さんのメジャー挑戦からメジャーリーグの情報が頻繁に入ってくるようになり、「野球」とは異なる「ベースボール」の空気が日本でもテレビや新聞といったメディアを通して知ることができるようになりました。

 

「あぁ、良いな」と思ったのは、当時ヤンキースのスター選手だったデレク・ジーター選手のある敗戦後のコメントですね。

 

「今日は完敗だね。次はやり返さないといけないな。」

 

 一般紙に掲載されていた、とても小さな記事だったと記憶しています。

 けれど私は「野球」と「ベースボール」の違いを汲み取ったのですよね(訳し方にももちろんよると思いますが)。

 

 野球が「職業」という空気感で息苦しく思えていたところに、ベースボールは「GAME」という概念を持ち合わせていて、プレーしている選手すらどこか楽しんでいて、更にそれをコメントとして出せる土壌があるのだなと。

 

 十代の頃、日本のとある片田舎にいた私は、その新聞の小さな記事から「本場」のさわやかな空気を感じた気がしたのですよね。

 

 

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