先日の韓国大統領選に関する記事をもう1本。今回は分詞構文とあわせて、ちょっと面白い表現を勉強します。
Loved and loathed, Park takes South Korea's presidency (Dec. 19, Reuters)
前回、カンマで区切って文章の後半をing形ではじめるタイプの分詞構文のほとんどは、前後を "and" でつないで解釈しまえばOK!、という話をしました。今回は、これとは違うタイプの分詞構文です。とはいえ、たとえ前回とちがうパターンの分詞構文でも「時・理由・条件・付帯状況・連続した動作などを表しているので…」などとムズカしく考えなくても大丈夫!というのも、分詞構文は前半と後半の意味を理解すれば、自然とつながりが理解できるようになっているからです。ではまず前半を見てみましょう。"loved and loahted" は直訳すると「愛されている、そして嫌われている」、ですね。後半を見てみましょう。"Park takes South Korea's presidency" 「朴氏、韓国の大統領に」です。この2つの文章をつなげようとすると、一部の人々に愛されながら、また別の一部の人々には嫌われながら、朴氏が大統領に就任するという内容なんだな、ということが自然と見てとれると思います。というわけで、タイトルを翻訳すると、「愛憎半ばするなか、朴氏が韓国の大統領に」となります。ちなみに、これを高校のときに習った分詞構文の分類でいくと、付帯状況になりますね。接続詞を使って書き直すと、"While she is loved and loathed, Park takes~" です。ここから "While" が取れて、主語が後半と同じなので省略され、さらにbe動詞が省略さたのが今回のタイトルになっている、というわけです。ではリードを見てみましょう。
むずかしい単語はあまり無いはずなのに、今回は手ごわいですね。まず何よりも見通しを悪くしているのが、"have her job cut out" という部分です。これはいったい何でしょう?うっかりすると、「おっ、これは使役動詞のhaveで、"have A do" の形だな。ということは意味は "Aにdoさせる" なので・・・あれ・・・??」となってしまいますね。というのも、"have" を使役動詞として使うときは対象は必ず人になるはずなのに、今回の文章では "her job" という人以外のものが対象になっているからです。じつはこれ、"have one's work cut out" という形のイディオムで、「大量の仕事や難しい仕事をかかえていて大変だ」という意味になるんです。この言葉、もともとは文豪チャールズ・ディケンズが小説『クリスマスキャロル』の中で、助手が布地をたくさん切って用意したので仕立て職人の作業がひどく忙しくなる、という場面で使ったのがはじまりのよようです。というわけで、これをふまえて "in February" までを翻訳すると、「韓国初の女性大統領である朴槿恵(パククネ)氏は、来年2月、多くの難題とともに大統領に就任する」、となります。
では後半の "with" 以下の部分を見ていきましょう。この後ろの部分、一つ一つの語句が長いのですが、文の構造は意外にシンプルで、"with A, B and C" の形であることに気付いたでしょうか?つまり朴氏は「A、B、およびC」などの難題とともに大統領に就任する、というのが文章全体の内容です。では一つ一つみていきましょう。Aは "the
economy slowing" 「景気の減速」。これは簡単ですね。Bは "her father's autocratic rule still an issue for many"「多くの人々にとって今でも論争点となっている彼女の父親の独裁体制」、そしてCは "North Korea as unpredictable as ever"「かつでないほど予測がつかない北朝鮮」です。
では最後に全体を翻訳してみます。