トルンカラスト上映~3/5・10「トルンカの未来へのメッセージ」 | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

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チェコアニメのキャラクターたちを中心にチェコの絵本などを紹介しているチェコ・チェコランドのイベント・商品情報ブログです。

 

”さらば東のディズニー“
イジー・トルンカラスト上映会
~チェコアニメの巨匠が日本を去る2週間~

https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2019/53714


チェコアニメを築き、
多くのクリエーターに影響を与えた
チェコアニメ最大の巨匠であり、
20世紀を代表する大芸術家、
イジー・トルンカの上映とDVD販売の権利が
3/14で終了します。


そのトルンカ作品の最後の上映を
3/1~3/14まで
アップリンク渋谷で
上映いたします。
https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2019/53714


上映開始は20時ごろを予定していますが、

正確な上映時間につきましては2月26日(火)21時頃までに発表致します。
 

【チケット発売】

アップリンク会員オンライン先行発売:2月26日(火)22時

一般発売:2月27日(水)10時(オンライン・劇場窓口ともに)


“東のディズニー”の終焉…。
東欧で生まれた
“詩”と“ファンタジー”の世界の
ラスト上映です。

上映後には毎日、
“チェコアニメに命を捧げた男”こと

私、チェコチェコランドが
裏話トークショーをさせていただきます!
おそらく世界で唯一、チェコのアニメと絵本だけでビジネス展開をしており、
トルンカ家と付き合いのある
私だけが知っているエピソードをお話させていただきます。

 

3/5(火)・10(日)には

トルンカの遺作「手」を含む

トルンカのメッセージが込められた作品集

「トルンカの未来へのメッセージ」

を上映。

 

【トルンカの未来へのメッセージ】(計68分)

 

このプログラムには

トルンカの遺作「手」を収録しています。
この作品は当時のチェコの政府をトルンカ“らしく”
セリフのない映像で大きく非難しています。
トルンカの死後、20年一切の上映を禁止されたこの作品。

そして、

現在、DVD化がされていない

「悪魔の水車小屋」「電子頭脳おばあさん」を

上映します。

 

 

トルンカからのメッセージを聞く最後の機会…

 

 

 

チェコアニメが”東のディズニー”とよばれ、

”チェコのアニメは芸術だ”と世の中に認識させ、

その多彩で突出した表現力、

そして、大いなるチャレンジ精神、

今もなお、

多くのクリエーターに影響を与え続けている

チェコアニメ。

 

以上のことは、すべて

イジー・トルンカからスタートしたといって

間違いないと思います。

 

イジー・トルンカ(1912年~1969年)

 

1930年代から40年代、

彼は、絵本の挿絵画家として

国内で名を馳せていました。

そして、人形劇団を率い、

人形作りの職人として、

非凡な才能を魅せていました。

 

しかし、1940年代、ナチス支配下のチェコにおいて

トルンカは強制的に美術労働を強いられたそうです。

 

しかし、戦後、ナチスから解放され

新たにプラハに設立された

国営のアニメーションスタジオの

”トリックブラザーズ・スタジオ”の

責任者に任命されました。

挿絵画家と人形作りの実績を買われての

抜擢でしたが、

トルンカには、”アニメ制作”の経験がありませんでした。

というより、プラハには、

アニメ制作の経験者がいなかったのです。

 

しかし、戦争中、表現の自由を奪われていた

トルンカや彼のスタッフは、

”アニメ”という未知の分野の表現であっても

表現できる喜びにあふれ、

取り組みました。

 

トルンカは1年間で

「おじいさんと砂糖大根」

「ばね男とSS」

「動物たちと山賊」

「贈り物」

という4本の短編アニメを作りました。

 

未経験の作家たちの

制作スピードとしては、

驚異的でした。

未経験ゆえ

判断に迷い、

決断に悩んだことも多かったと思います。

でも、それすら喜びとなって

トルンカは創作に没頭しました。

アニメ制作を始めて1年後の

1946年、戦後初のカンヌ国際映画祭で

制作した4本のうちの1つ

「動物たちと山賊」が

最優秀賞を獲得しました。

そのとき、参加していた

ディズニーの作品を破っての受賞でした。

 

しかし、この受賞は、

偶然の快挙ではなかったと思います。

 

ナチスから解放されたとはいえ、

社会主義国家へ向かっていた

当時のチェコスロヴァキア政府下において、

表現の規制が強かった当時、

国に対する説得力が

必要でした。

トルンカはカンヌのグランプリを

狙っていたと思うのです。

トルンカの目論見が大いに当たり、

彼は、

”詩的”で

”ファンタック”なアニメをどんどん作り、

多くの国際映画祭の大きな賞を獲得していきました。

政府は、アニメ制作、とりわけトルンカの制作に関しては

その実績により、表現のかなり寛容になりました。

 

独創的で、

ファンタジックなものを

たくさん作り続けました。

 

”詩的”で

”ファンタジック”で

”高い芸術性”

これがトルンカのアニメであり、

チェコアニメのスタイルとなったのです。


1.悪魔の水車小屋(1949年/20分)
監督・美術 イジー・トルンカ

かなり久々の上映のこの作品は

トルンカ作品としては

初期にあたる1949年に創ったお話。

これらの初期の作品が

評価され

トルンカの人形アニメは”芸術”と呼ばれるようになったのです。

アコーディオンを弾きながら

旅をする

老紳士が主人公…

 

古いアコーディオンからは

いい音が出ず

行く先々の村では

歓迎されません…

 

一人の少年だけが

老紳士のアコーディオンに

笑顔で耳を傾けてくれます…

 

身も心も疲れ果てていた

老紳士ですが、

少年のおかげで

少し元気になります…

 

夜になると

寝る場所が必要です。

…古い小屋がありました。

今日はここに泊まろう…

 

少しでも

アコーディオンをうまく弾こうとし、

練習をしていると…

とんでもないものを

呼び起こしてしまいました…!

 

さあ、どんな展開が待っているのでしょうか…?

 

終始

”悲哀感”が伝わる

お話…。

トルンカは映像と音楽が

溶け合うように

人形アニメを創っています…


2.電子頭脳おばあさん(1962年/29分)
監督・美術 イジー・トルンカ

心臓が悪いトルンカは

1960年代に入り、

”死期”を悟ったのか、

今まで創ってきた

”ファンタジックな作品”ではなく

”遺言”のような作品を

遺しています。

 

「電子頭脳おばあさん」は

近未来の世界を

描いております。

 

トルンカ作品の特徴である

”詩的”で”ファンタジック”な要素は一切ございません。

 

無機的で

メタリックな冷たさばかり

伝わってきます。

 

小さな女の子が

おばあさんを訪ねますが、

無情なぐらい

”優しさ”が女の子に

訪れません。

 

文明が発展する世の中に

対するトルンカの

”大きな提言”があるような気がします。

 

 


3.手(1965年/19分)
監督・美術 イジー・トルンカ

 

トルンカがこの世を去る

4年前の1965年に発表した

「手」は、

ファンタジーでも

ポエティックでもありません。

 

チェコのあるカメラマンによると

「『手』に関しては、トルンカは

そのまでの作品にあったカメラワークを

一切、無視しました。

彼のスタッフは大きな違和感を感じたはずです。」

 

私は専門的なことはわかりませんが、

この作品は、

明らかにそれまでのトルンカ作品とは異質でした。

主人公は、花と陶芸を愛する道化師

 

そんな彼の家に突然

 

「手」がやってきました。

 

「手」は道化師の活動をいちいち邪魔をし

干渉します。

 

特に激しい暴力があるわけではないのですが、

 

道化師の毎日に干渉します。

 

作った陶芸も

「手」によって作り変えられます。

 

 

「手」の存在の圧迫感に

道化師は、消耗します。

 

そして…

 

トルンカは、

20世紀のチェコスロヴァキアにおいて

世界的に評価を受け、

最も成功した芸術家だと思います。

 

しかし、彼はこう言ったそうです。

 

「本当の自由を得たと思ったことはない。」

 

「手」を発表した4年後、トルンカは

この世を去っています。

 

「手」は明らかに

社会主義の世の中を批判した作品です。

でも、それを発表できたのは、

トルンカの存在が、政府も

押さえつけられないぐらいになっていたからでしょう。

しかし、彼の死後、

社会主義政権が崩壊する1989年までの20年間

「手」は、国内で一切の放送・上映を禁じられました。

 

トルンカの遺作となった「手」ですが、

セリフは全くなく、

トルンカらしく

映像ですべてを表現しています。

それまでのトルンカらしい

ファンタスティックな内容は皆無ですが、

それでも、この作品が

トルンカの代表作だという専門家は多数です。

 

視られるということの圧迫感と恐怖が、

伝わってきます。

 

「電子頭脳おばあさん」と

「手」

この2作品を連続してご覧頂きますと

トルンカの

未来への

”メッセージ”が

聞こえてきます。

 

 

 

チェコチェコショップでは

販売終了の3/14まで

トルンカのDVDを特別価格税込3千円で販売中!

https://czech-czech.jp/SHOP/114411/248790/list.html

 

 


≪上映スケジュール≫
☆3/1(金)(※3/14(木)にも上映)
「真夏の夜の夢」(1959年/73分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12440926594.html
監督・美術 イジー・トルンカ


“史上最高の映像美”と呼ばれる
シェークスピア原作「真夏の夜の夢」を
トルンカが最高の芸術品に仕上げました。
当時のチェコアニメの総力を注ぎ込んで
産み出された「真夏の夜の夢」…
夢の世界の饗宴もこれが最後です。

☆3/2(土)(※3/13(水)にも上映)
「チェコの古代伝説」(1952年/80分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12441187058.html
監督・美術 イジー・トルンカ


トルンカの“セピア色の大叙事詩”
「チェコの古代伝説」…。
チェコの歴史を描いた壮大な叙事詩で
大迫力のドラマです。
これほどの大作はチェコの人形アニメの中にも
ございません。

☆3/3(日)(※3/12(火)にも上映)
「バヤヤ」(1950年/74分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12441654803.html


監督・美術 イジー・トルンカ
全編音楽でセリフを奏でているこの作品は
まさしく“極上のオペラ”。
ドラマティックで緊迫感あふれるシーンの連続と
厳かで優しさがあふれるラスト…
人間にとって“最も大切なもの”が描かれています。


☆3/4(月)(※3/9(土)にも上映)
「トルンカの優しい人形アニメ特集」(計74分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12441898899.html


トルンカの穏やかで瑞々しい人形アニメばかり集めたプログラム!
ポエティックでユーモラスで穏やかに気分になる作品集。
DVDになっていない作品もございますので
是非劇場でご覧ください。
全作監督・美術イジー・トルンカ
1.クチャーセクとクティルカ(1954年/18分)
2.コントラバス物語(1949年/13分)
3.草原の歌(1949年/21分)
4.しものいたずら(1954年/13分)
5.情熱(1961年/9分)

☆3/5(火)(※3/10(日)にも上映)
「トルンカの未来へのメッセージ」(計68分)


トルンカの遺作「手」を収録しています。
この作品は当時のチェコの政府をトルンカ“らしく”
セリフのない映像で大きく非難しています。
トルンカの死後、20年一切の上映を禁止されたこの作品。
その他、トルンカが未来を提言した「電子頭脳おばあさん」
アコーディオン弾きの哀愁を描いた「悪魔の水車小屋」を上映。
全作監督・美術イジー・トルンカ
1.悪魔の水車小屋(1949年/20分)
2.電子頭脳おばあさん(1962年/29分)
3.手(1965年/19分)

☆3/6(水)
「トルンカのユーモラスな人形アニメ特集」(計74分)


上映機会の少なかったトルンカの楽しい人形アニメのプログラム。
ボッカチオの「デカメロン」を題材にした
ユーモラスな「天使ガブリエルと鵞鳥夫人」と
チェコの人気No.1の人形劇「シュペイブルとフルヴィーネク」を題材に
トルンカと弟子のポヤルがそれぞれ監督をした
「フルヴィーネクのサーカス」と「探偵シュペイブル」は
微妙な親子関係を描いた楽しい人形アニメを上映。
期間中1回のみの上映。
1.天使ガブリエルと鵞鳥夫人(1964年/29分)
監督・美術 イジー・トルンカ
2.フルヴィーネクのサーカス(1955年/23分)
監督・美術 イジー・トルンカ
3.探偵シュペイブル(1955年/22分)
監督 ブジェチスラフ・ポヤル 美術 イジー・トルンカ

☆3/7(木)(※3/11(月)にも上映)
「陽気なお酒飲みの兵隊シュヴェイクシリーズ」(計75分)


“ビールの国”チェコのお酒のシンボル、陽気な兵隊さんのシュヴェイクを
トルンカが描いた愉快痛快な人形アニメシリーズを一挙全3話上映!
第1次世界大戦中が舞台ですが、シュヴェイクが行くところ
空気が一気に緩くなります!
全作監督イジ―・トルンカ 美術ヨゼフ・ラダ
1.シュヴェイクが行く!「コニャックを探せ」(1954年/24分)
2.シュヴェイクが行く!「列車騒動をおさめろ」(1954年/21分)
3.シュヴェイクが行く!「行き先はどこだ?」(1954年/30分)

☆3/8(金)
「トルンカの素敵な絵のアニメの全て」(計81分)


トルンカの絵のアニメ全7作品のプログラム。
心温まるお話から少し怖いお話までトルンカの宝箱!
“絵本作家”としても活躍したトルンカの“別の顔”をご覧ください。
“詩”と“ファンタジー”のトルンカの世界が全開です!
期間中1回のみの上映。
全作監督・美術イジー・トルンカ
1.おじいさんの砂糖大根(1945年/9分)
2.動物たちと山賊(1946年/8分)
3.贈り物(1946年/16分)
4.バネ男とSS(1946年/14分)
5.おじいさんの物々交換(1953年/9分)
6.楽しいサーカス(1951年/12分)
7.金の魚(1951年/13分)

☆3/9(土)(※3/4(月)にも上映)
トルンカの優しい人形アニメ特集」(計74分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12441898899.html


トルンカの穏やかで瑞々しい人形アニメばかり集めたプログラム!
ポエティックでユーモラスで穏やかに気分になる作品集。
DVDになっていない作品もございますので
是非劇場でご覧ください。
全作監督・美術イジー・トルンカ
1.クチャーセクとクティルカ(1954年/18分)
2.コントラバス物語(1949年/13分)
3.草原の歌(1949年/21分)
4.しものいたずら(1954年/13分)
5.情熱(1961年/9分)

☆3/10(日)(※3/5(火)にも上映)
「トルンカの未来へのメッセージ」(計68分)


トルンカの遺作「手」を収録しています。
この作品は当時のチェコの政府をトルンカ“らしく”
セリフのない映像で大きく非難しています。
トルンカの死後、20年一切の上映を禁止されたこの作品。
その他、トルンカが未来を提言した「電子頭脳おばあさん」
アコーディオン弾きの哀愁を描いた「悪魔の水車小屋」を上映。
全作監督・美術イジー・トルンカ
1.悪魔の水車小屋(1949年/20分)
2.電子頭脳おばあさん(1962年/29分)
3.手(1965年/19分)

☆3/11(月)(※3/7(木)にも上映)
「陽気なお酒飲みの兵隊シュヴェイクシリーズ」(計75分)


“ビールの国”チェコのお酒のシンボル、陽気な兵隊さんのシュヴェイクを
トルンカが描いた愉快痛快な人形アニメシリーズを一挙全3話上映!
第1次世界大戦中が舞台ですが、シュヴェイクが行くところ
空気が一気に緩くなります!
全作監督イジ―・トルンカ 美術ヨゼフ・ラダ
1.シュヴェイクが行く!「コニャックを探せ」(1954年/24分)
2.シュヴェイクが行く!「列車騒動をおさめろ」(1954年/21分)
3.シュヴェイクが行く!「行き先はどこだ?」(1954年/30分)

☆3/12(火)(※3/3(日)にも上映)
「バヤヤ」(1950年/74分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12441654803.html


監督・美術 イジー・トルンカ
全編音楽でセリフを奏でているこの作品は
まさしく“極上のオペラ”。
ドラマティックで緊迫感あふれるシーンの連続と
厳かで優しさがあふれるラスト…
人間にとって“最も大切なもの”が描かれています。

☆3/13(水)(※3/2(土)にも上映)
「チェコの古代伝説」(1952年/80分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12441187058.html


監督・美術 イジー・トルンカ
トルンカの“セピア色の大叙事詩”
「チェコの古代伝説」…。
チェコの歴史を描いた壮大な叙事詩で
大迫力のドラマです。
これほどの大作はチェコの人形アニメの中にも
ございません。

☆3/14(木)(※3/1(金)にも上映)
「真夏の夜の夢」(1959年/73分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12440926594.html


監督・美術 イジー・トルンカ
“史上最高の映像美”と呼ばれる
シェークスピア原作「真夏の夜の夢」を
トルンカが最高の芸術品に仕上げました。
当時のチェコアニメの総力を注ぎ込んで
産み出された「真夏の夜の夢」…
夢の世界の饗宴もこれが最後です。