1/7短編プログラム2つ! | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

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大阪の十三のシアターセブン

ヤン・シュヴァンクマイエル監督引退記念上映会
『シュルレアリストの軌跡』

1/2(水)~1/11(金)

↓チケット情報などは↓

http://www.theater-seven.com/2018/mv_svankmajer.html


近頃引退を表明した

シュヴァンクマイエルの引退記念上映会

 

もう昨日ですが、

たっぷり

1時間以上

シュヴァンクマイエルについての

トークショーをお話させていただきました!

お付き合い頂きましたみなさま

ありがとうございました!

 

本日1/7(月)は

2つの短編プログラムの上映です!

 

14:35~

☆シュヴァンクマイエル短編プログラムB
~シュルレアリストの青春~(計80分)

 


シュヴァンクマイエルが時代と格闘していた頃の

作品を中心にしたプログラム!

”シュール”が代名詞のシュヴァンクマイエルですが、

シュールが爆発したような作品集です!

 

まさに

”シュヴァンクマイエルの青春”

 

≪上映作品≫

1.シュヴァルツェヴァルト氏と

エドガル氏の最後のトリック

(1964年/12分)

ヤン・シュヴァンクマイエル

30歳の時のデビュー作

 

こどものころ

親に買ってもらった

人形劇のセットで遊んでいるときの

想像力の世界を

映像で表現したいという思いで

映像作家になったというシュヴァンクマイエル

 

しかし彼の作品には

”ファンタジー”のかけらもございません。

 

子供たちの心の栄養になるようなアニメを

当時のチェコスロヴァキア政府は奨励し、

そういったキラキラしたアニメに

国は予算を組み、

国を挙げてバックアップしておりました。

そんなアニメが次々と生み出される中、

シュヴァンクマイエルのデビュー作は

虚栄心と人をねたむ

2体の人形の物語…

 

お互いのマジックを見せ合いながら

 

表向きは

相手を称えますが、

 

心の中では自分のマジックのほうが上だと

自尊心がわなわな震えます。

 

そして最終的には

膨らんだプライドが爆発し、

 

殴り合いに…

 

 

跡形もなくなるぐらい

粉砕するのが

シュヴァンクマイエル流

 

こんな作品で彼はデビューしました。

国は黙ってなかったのでしょうか?


2.エトセトラ(1966年/7分)

シュヴァンクマイエルは

絵の具を使った水彩画や油絵のような絵画より

独特な技術の絵を好んで描きます。

 

フロッタージュの技法

…物の上に紙を乗せ、鉛筆でこすって

物の跡を見せる技法

 

を使った絵を多く描かれています。

 

それを動かしてアニメにしています。

 

それをなぜ映像にするかと

シュヴァンクマイエルに尋ねましたら、

「絵があれば動かしたくなるだろう?

ならないか?」

巨匠の言葉です。

 


3.庭園(1968年/17分)

 

友人の家に行くと

家を囲む人々が…

まさに「人垣」……

 

その風景にも違和感を感じますが……

 

”その風景が当たり前”とされていることに

もっと大きな違和感を感じます。

 

”国家に従うのは当たり前”とする

当時の社会主義国家に対しての揶揄なのでしょうか?

 

1968年”プラハの春”の年

シュヴァンクマイエルはこの作品を発表しました。


4.コストニツェ(1970年/10分)

プラハ郊外の観光地クトナー・ホラ

そこには4万人以上の人の骨を保管しており、

約1万人の骨で堂内を装飾しています。

 

そこに社会見学に来ている小学生らしき団体を

女性ガイドが案内する様子を撮っている映像。

ただ、それだけです。

 

なぜ、この映像をシュヴァンクマイエルは撮ったのでしょうか?

 

…私の推測ですが…

 

シュヴァンクマイエルは

骨を使った造形物をたくさん作っています。

 

”骨”に対しての愛着といいますか、

執着といいますか、

すさまじいものです。

 

おそらく

クトナー・ホラのこの納骨堂(セドレツ納骨堂と言います。)

はシュヴァンクマイエルにとって

最高の芸術品なのではないでしょうか?

 

まさに”ドクロの館”

 

子供の社会見学にすることで

怖さを緩衝するところが

シュヴァンクマイエルらしいです。

(そういう意図かどうかわかりませんが…)

 

ファンタジックなチェコアニメ全盛のこの時代に

彼はこんな作品ばかり作っていました。

 


5.オトラントの城(1973年―1979年/18分)

南イタリアにあるとされていた

”オトラント城”が実はチェコにあるという

説を唱える学者にインタビューをする風景

 

しかし、これは

大きな”タブー”に触れることになります。

 

シュヴァンクマイエルはこの作品の制作途中に

映像制作を禁じられます。

7年間の制作禁止を経て

シュヴァンクマイエルはこの作品を

完成させます。

 


6.アッシャー家の崩壊(1980年/16分)

シュヴァンクマイエルのシュールな映像作品は

たびたび検閲の対象になり、

先述の通り、

1973年から1979年まで

映像制作を禁じられました。

 

復帰第1作に選んだのは

エドガー・アラン・ポーの原作「アッシャー家の崩壊」

呪われた”アッシャー家”の一族の

最期を描いています。

 

映像は、

泥や

木くずや釘などを

動かすだけ…

 

復帰しても

シュヴァンクマイエルは

作風を変えることはありませんでした。

 

どんな時代であっても

彼は自身の哲学を貫きます。

 

そういう風に見ていると

彼のシュールな作品からも

シュヴァンクマイエルのふつふつとして

マグマのような熱量が

伝わってきます。

 

 

16:20~

短編プログラムC

シュヴァンクマイエル短編プログラムC
~シュヴァンクマイエルの心の窓~(計76分)

 

シュヴァンクマイエルの描く

”バラード”のような作品集です。



1.J.S.バッハ-G線上の幻想(1965年/10分)

 

バッハの

音楽に合わせて

壁の凹みなどが

”生きもの”のように動きます。

 

様々なオブジェが

生き生きと動くシュヴァンクマイエルの

作風はこの作品からスタートしました。

 

バッハとシュヴァンクマイエルの

組み合わせ…

 

豪華なのか、超シュールなのか…

 

是非、ご体験ください!

 

 

 


2.自然の歴史(組曲)(1967年/9分)

 

”シュヴァンクマイエル版”の

生物の進化の歴史…

 

貝、は虫類、魚類、鳥類、哺乳類…

様々な生物を

描かれています。

 

でも、あくまでも”シュヴァンクマイエル流”です。

 

こんな「生物図鑑」…

…なんとも言えません!

 


3.部屋(1968年/13分)

 

シュヴァンクマイエルの

”シュルレアリストたる”色合いが最も濃くでた作品です。

 

ある男が

部屋に入ります。

 

ただ、この部屋では

”当たり前のこと”ができません。

 

食べること

座ること…

 

ごく当たり前のことを

この”部屋”は拒絶します。

 

こんな部屋に閉じ込められて…

 

この”部屋”で

本当の”絶望”を経験します。

 

 


4.家での静かな一週間(1969年/19分)

 

一人の男が

決死の覚悟で忍び込んだのは…

 

古い廃屋のような家…

 

男がこの廃屋の中で

望んだもの、

見たものは…

 

シュヴァンクマイエルの”思考回路”が

この作品に充満しております。

 

鳥肌が立つような

シュヴァンクマイエルの”シュルレアリスム”が如何なく発揮した作品!

 


5.レオナルドの日記(1972年/11分)

 

レオナルド・ダ・ビンチの

肖像画を

鉛筆が描きます。

 

それと同時に

世の中のいろいろな出来事が

描かれております。

 

レオナルド・ダ・ビンチの肖像画は

いろいろな絵に変化します。

 

レオナルド・ダ・ビンチの目には

現代はどう映るのか?

 


6.陥し穴と振り子(1983年/14分)

 

エドガー・アラン・ポーの同名の短編小説を

シュヴァンクマイエルが映像にした作品

 

 

身動きできない男の真上から

鋭い刃が降りてきます。

 

刃が近づく恐怖が

リアルに体験できます。

 

 

恐怖に打ち震える男の目線で描かれたこの作品…

…逃げ場はどこにもありません

 

 

 


≪期間中の上映プログラム≫
☆シュヴァンクマイエル短編プログラムA
~超ディープな世界~(計79分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12430284181.html

肉が動き、粘土が駆け巡ります。
あらゆるオブジェが生き生きとコミカルに動きます!
シュヴァンクマイエルファン以外は楽しめません!
でもシュヴァンクマイエルファンにはたまりません!
最も“シュヴァンクマイエルらしい作品”ばかりのプログラム!
「セルフポートレート」のみ3監督の共作。

1. 棺の家(1966年/10分)
2.ドン・ファン(1972年/33分)
3.対話の可能性(1982年/12分)
4.男のゲーム(1988年/15分)
5.闇・光・闇(1989年/7分)
6.セルフポートレート(1988年/2分)
監督ヤン・シュヴァンクマイエル/イジー・バルタ/パヴェル・コウツキー

☆シュヴァンクマイエル短編プログラムB
~シュルレアリストの青春~(計80分)

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12430298535.html

詩的でファンタジックな作品が多いチェコアニメの中、
そのものとは全く無縁なのがヤン・シュヴァンクマイエルの作品。
時代がまだ彼を歓迎していない時代の短編作品のプログラム…。
しかし、その中に彼の大いなるアイデンティティーが詰まっています。
これらの作品に世界中の多くのクリエーターが大きく影響されたのです。

1.シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック(1964年/12分)
2.エトセトラ(1966年/7分)
3.庭園(1968年/17分)
4.コストニツェ(1970年/10分)
5.オトラントの城(1973年―1979年/18分)
6.アッシャー家の崩壊(1980年/16分)

☆シュヴァンクマイエル短編プログラムC
~シュヴァンクマイエルの心の窓~(計76分)


シュヴァンクマイエルの思想が最も
色濃く出ていたプログラム。
時代の逆風を受けながら
シュヴァンクマイエルは何を思いながら創り続けたのか?
上映終了後、そんなお話もさせていただきます。

1.J.S.バッハ-G線上の幻想(1965年/10分)
2.自然の歴史(組曲)(1967年/9分)
3.部屋(1968年/13分)
4.家での静かな一週間(1969年/19分)
5.レオナルドの日記(1972年/11分)
6.陥し穴と振り子(1983年/14分)

☆ルナシー(2005年/123分)
~シュヴァンクマイエル最大のホラー~

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12428446785.html

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12428889334.html

2005年の長編作品「ルナシー」は
シュルレアリストの描くホラー…。
見ると必ず、元気を失います。
今、リア充な方は見ないでください。
でも、この作品の中にこそ
シュヴァンクマイエルのメッセージが
たくさん詰まっています。
眞部の所属するアットアームズは
この作品に出資しております。
制作過程の驚愕エピソードは必聴!

☆悦楽共犯者(1996年/83分)
~シュヴァンクマイエル最高のコメディ~

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12429322753.html

シュヴァンクマイエルの描いた大コメディ!
人間誰しも、人に言えない秘密があります。
恥ずかしくてたまらない趣味・趣向・フェチがあります。
それらを真剣に追及した人々のドラマ…。
あまりにも真剣すぎて大笑い必至!
1996年、シュヴァンクマイエルが52歳のときに創った長編映画!
シュルレアリストの描いたコメディをご賞味あれ!
 

 

 

≪上映スケジュール≫
1/7(月)14:35~短編プログラムB
      16:20~短編プログラムC
1/8(火)14:35~悦楽共犯者
      16:20~ルナシー
1/9(水)14:35~短編プログラムA
      16:20~短編プログラムB
1/10(木)14:35~短編プログラムC
       16:20~短編プログラムA
1/11(金)14:35~悦楽共犯者
       16:20~ルナシー

劇場では

シュヴァンクマイエルのDVD、ポストカード、

関連書籍を販売します!

こちらもお楽しみに!

 

チェコチェコショップでは

シュヴァンクマイエルのDVDや

チェコで入手したモノグラフなど

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