2021.10.31 締切 西東三鬼賞
岡山県津山市は義父の生誕の地だ。
俳句をやっていた彼は生前に何度かこの賞にチャレンジしていた様で、遺品の中に数冊の入選句集があった。
俳句にも川柳にも興味がなかった私は生前の彼と俳句の話をしたことはなかったが、津山の家に帰るといつも難しい顔をして広告の裏紙やメモ帳に思いついた言葉をあれこれと書き込んでいた。
二つくらいの結社と新聞やNHK俳句への投稿を楽しんでいた様だ。
遺品の整理で大量に遺されたそれらを処分しようとする義母や妻の姉に俳句関係のものだけは私に整理をさせてもらう様に頼んだ。
それから1年半ほどかけて彼の遺したノートやメモやあちらこちらの走り書き、俳句関係の本、新聞の切り抜き等に残されているた句をワードに打ち込み手製の句集にして義母と義姉に渡した。
ミイラ取りがミイラ......ではないが、その作業をするうちにだんだんと俳句に惹き込まれていったように思う。
義父が無言で遺してくれた私への冥途からの土産だったのかも知れない。
この季節はそういった義父との思い出を蘇らせてくれる懐かしい季節でもある。
生前に地元山陽新聞の山陽俳壇で一席になっていた句
六神丸呷る寒九の水硬き 八木 茂
西東三鬼 生誕の地の句碑
枯蓮のうごく時きてみなうごく 三鬼