山と渓谷のウッディーライフ23にカナダでのログハウスづくり記事掲載 | 九代目七右衛門の徒然日記

山と渓谷のウッディーライフ23にカナダでのログハウスづくり記事掲載

昭和61年12月25日発行 山と渓谷社のウッディーライフ№23のP140に私が参加したカナダログハウス造りツアーについて、「Lac Le Jeune ウッディーライフヴィレッジづくりが始まった」という記事が掲載されました。記事の一部を抜粋しました。

山と渓谷社が異国カナダ ラック・ル・ジューン・リゾートでログハウスの理想郷「ウッディーライフ・ヴィレッジ」づくりを企画し、参加者を募集したところ、500名近い応募者があった。厳正な書類審査により選ばれた20名が、8月26日~9月18日までの約1ヶ月間で、ログビルダー マイルス・ポーター氏の指導のもと4棟のログハウスを造り上げた。

針葉樹の森に囲まれた美しいふたつの湖を擁するラック・ル・ジューンには、はや秋の香りが漂っていた。

異国カナダでログハウスの理想郷「ウッディーライフ・ヴィレッジ」づくりを目指して集まった20名とスタッフ6名。500名近い応募者の中から選ばれた幸運な人たちだ。

バンクーバーからバスで4時間余り。日本から15時間という長旅で疲れたメンバーを迎えてくれたのは、このラックルジューンリゾートのオーナーであり、このイベントの最大の理解者であるデリック・マクドナルドさんと、カナダのプロのログビルダーで今回のメインインストラクターのマイルスポーターさんのふたりの笑顔。ふたりともカナダ人らしいおおらかな性格で、期待と不安が交錯した顔つきのメンバーにジョークを飛ばし、少しでもなごませようと気を遣ってくれた。

カナダでの滞在は3週間の予定である。といっても正味は2週間。この間に4棟の棟上げをしようというのだから、作業は勢いハードになる。しかし、本場カナダのログビルダーと日本の一流ログビルダーの下でのスクーリングと作業だ。ちょこちょこっとかじるのではなく、ログハウスづくりのすべてを丸かじりするということで、全員頑張った。また、棟上げをして、家らしい形になってこそ、ログハウスづくりの感激が味わえるものだ。そこで、一日も早い棟上げを目指した。

ログハウスを建てた場所は、ラック・ル・ジューンのスキー場。冬はクロスカントリースキーで賑わうところだが、夏は草を食べる牛だけがチラホラ。このスキー場のロッジが食事や休憩の場所として割り当てられた。キャンプサイトも目の前に作られ、作業中はほとんどこの近くで過ごした。

メンバーの毎日の楽しみといったら何と言ってもメシ。ログワークはとにかく腹が減る。近くのローガンレイクで中国レストランをやっているアルフレッドさんが、3食ごと豪華な料理を作ってくれた。本来は中国料理のコックだが、メニューは多彩で、ステーキあり、パスタあり、フライやピカタありと日本食が恋しくなる暇もないほど。腹がペコペコになっているせいか、メンバーの食欲も旺盛。ビュッフェスタイルのため、おかわりをする人が続出した。コックのアルフレッドさんの根っからの明るい笑顔も食事のいいスパイスになったものだ。

A班~D班まで5人ずつ分かれたメンバーは、ひとりずつ付いたインストラクターの指導の下に、A班は10×8mのロフト付き大型タイプ、B~D班は9×7mの平屋タイプを担当。メインインストラクターのマイルスポーターさんは、各ステップでのデモと各班の手助けが役目。日本側インストラクター代表の関根さんは各班の進行状態の調整とクレーンの運転を担当した。

作業で一番大変だったのは、丸太の皮むき。作業の半分を費やしたと言っても過言ではないだろう。平均13mのスプルース材を250本。ハンドピールの感触を残すために、1本1本手で剥いていくのはなかなかしんどい作業だ。しかし、これがログハウス造りの第一歩であり、木との触れ合いと考えればそれほど苦痛ではなかった。使用したチェーンソーは、新ダイワ#500(排気量50cc)。初心者にも使いやすく、最後まで焼きが無かったのは幸運だった。

マイルスポーターさんは、さすがと思わせる技術と知見を随所に披露してくれた。彼はひとりでログハウスを建てるという基本姿勢を持っており、重い丸太をひとりで自由に動かすP..(木まわし)の使い方、スピーディーなスクライビングやノッチやグルービングのためのチェーンソーワークなどメンバーはもちろん、日本のインストラクターにとっても参考になる事を、数え切れぬほど教えてくれた。

9月13日夕刻。すべてのログハウスの棟上げが完了。

夕陽に映し出された4棟のログハウスは、メンバー一人ひとりの思いが託された結晶であり、ほかのどのログハウスよりも美しく見えた。この瞬間、皮剥きに汗を流したことや休みの日に湖で釣りをした楽しい思い出などが走馬灯のように流れていったものだ。遥か日本から、ログハウス造りを夢見てきた男たちの姿が、まぶしく、そして頼もしく見えた瞬間でもあった。

異国の地でのこのイベントを通して、何かしらつかんだ満足感が、一人ひとりの笑顔に広がっていた。